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リッツ家の三男
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【 ジュストの視点 】
レニー・ピビッチがセリーナのために情報を使った。
おかげでシーラ母娘は二度と王族との婚姻を望まないだろう。
ありがたい事だが素直に喜べない。
それだけセリーナに本気だということだ。
イヴァンがリッツ公爵夫妻を連れてきてくれて助かった。
リッツ公爵家は車椅子生活を余儀なくしているマリア・ジクトリクス伯爵夫人の実家で、グリーンデサント1の大富豪だ。
昔から揺るぎない財力と権力を誇るリッツ家に、昨日今日富豪入りしたシーラ家では格が違い過ぎる。
シーラ母娘は別の貴族の元へ逃げるように立ち去った。
リ「セリーナ姫。
あの素晴らしい馬車をいただいて何もしないのはリッツ家の名に傷が付きます。
マリアから聞いたのですが、領地の強化をなさっているとか。
特に旱魃や水害に見舞われた場合の対策をしていると伺いました。
もし、そのようなことになった場合には リッツ家が衣食住に関する支援を行いましょう。
それと、湿気対策の土をお探しだとか。
用意できます。材料の提供と扱い方を伝授しましょう」
セ「本当ですか!?
ありがとうございます!」
リ「実に素晴らしい。領民のために尽くす美しい女性は神話の通りに大地を潤すでしょう」
セ「神話が本当なら天災など起きませんわ」
リ「それは違いますぞ。天災は自然の気まぐれで仕方のないことです。翡翠の瞳に御業など求めてはなりません。
“翡翠の王が統べる地は緑が芽吹く”というのは、遥か昔、美しい翡翠の瞳の持ち主が 作物が育たないと放置され 荒れ果てた地を懸命に整えて作物を育てることに成功したことを讃えた言葉です。
ですから、今のセリーナ姫はその言葉が本当だと証明している最中なのです」
「っ!!」
セリーナの瞳から、次から次へと涙が溢れ落ちていく。
夫人「解釈を間違えて随分と大きな重荷を背負ってしまわれたのですね。
グリーンデサントでも正しく理解している者は少ないですものね」
リ「単に翡翠の瞳を重視して継承順位を決めているのではありません。
当時、フィリシア殿下は人の心を惹き付ける能力に優れておいででした。
国にとって求心力は重要です。ですから当時 ユルリッシュ殿下と継承権争いに発展しかけたのです。
翡翠の瞳の持ち主は何かしら能力に優れておいでですから、セリーナ姫もそうだろうと見做されておりました。
実際に馬車事業を成功させて領地改革を手掛けておられるセリーナ姫に神話は本当だと認めざるをえません。
カークファルドの領民は幸せ者です」
レ「こんなに美しい涙を見たことがありませんよ」
夫人「うちにお嫁に来てもらいたいですわ。
もう捻くれた三男しか残っておりませんけど」
レ「三男?」
夫人「ええ。リッツ家に生まれたのに貴族嫌いで、自ら籍を抜いて平民となり好きなことをしておりますわ」
リ「ウェス、戻って来い」
レ「え!?」
「え?」
イ「……」
ウェ「止めてくれ。俺はただのウェスだ。
…だが セリーナ姫が妻になってくれるなら考える」
「ウェス!!」
イ「ウェス卿、勘弁してください」
レ「参戦なんて止めてくださいよ」
ウェ「美しくて可愛い いい女だ」
リ「セリーナ姫、まだ帰国しませんよね?
改めて面会させてください」
夫人「リッツ邸に遊びにいらしてください。ウェス、エスコートするのよ」
ウェ「はいはい」
「セリーナは駄目です!」
その後 叔母上が登場して、一旦セリーナと叔母上は花摘みに場を離れた。
夫人「あなた。やっとウェスが戻ってくるかもしれないわ」
リ「そうだな。平民と結婚すると覚悟したが セリーナ姫なら有難い。
美しい上に人柄も良く商才もある。
ウェスがセリーナ姫を射止めるのなら、爵位を与えてリッツ領で暮らしてもらおう」
「公爵、夫人、セリーナは私がずっと慕っている女性です」
夫人「婚約していないのでしたら、リッツ家が手を挙げるのは自由ですわ」
リ「あのウェスをリッツ家に戻すチャンスですから遠慮はしませんよ」
「っ!」
困ったことになった。
ピビッチ侯爵令息だけでなく、ウェスまで…。
ウェスがリッツ家の三男だとは知らなかった。
そういえばウェスは外国で過ごしていたと聞いていた。
つまり留学したのか?
兵士がイヴァンに耳打ちをした。
イ「殿下、トラブルです。お急ぎください」
急いで兵士の後に続いた。
レニー・ピビッチがセリーナのために情報を使った。
おかげでシーラ母娘は二度と王族との婚姻を望まないだろう。
ありがたい事だが素直に喜べない。
それだけセリーナに本気だということだ。
イヴァンがリッツ公爵夫妻を連れてきてくれて助かった。
リッツ公爵家は車椅子生活を余儀なくしているマリア・ジクトリクス伯爵夫人の実家で、グリーンデサント1の大富豪だ。
昔から揺るぎない財力と権力を誇るリッツ家に、昨日今日富豪入りしたシーラ家では格が違い過ぎる。
シーラ母娘は別の貴族の元へ逃げるように立ち去った。
リ「セリーナ姫。
あの素晴らしい馬車をいただいて何もしないのはリッツ家の名に傷が付きます。
マリアから聞いたのですが、領地の強化をなさっているとか。
特に旱魃や水害に見舞われた場合の対策をしていると伺いました。
もし、そのようなことになった場合には リッツ家が衣食住に関する支援を行いましょう。
それと、湿気対策の土をお探しだとか。
用意できます。材料の提供と扱い方を伝授しましょう」
セ「本当ですか!?
ありがとうございます!」
リ「実に素晴らしい。領民のために尽くす美しい女性は神話の通りに大地を潤すでしょう」
セ「神話が本当なら天災など起きませんわ」
リ「それは違いますぞ。天災は自然の気まぐれで仕方のないことです。翡翠の瞳に御業など求めてはなりません。
“翡翠の王が統べる地は緑が芽吹く”というのは、遥か昔、美しい翡翠の瞳の持ち主が 作物が育たないと放置され 荒れ果てた地を懸命に整えて作物を育てることに成功したことを讃えた言葉です。
ですから、今のセリーナ姫はその言葉が本当だと証明している最中なのです」
「っ!!」
セリーナの瞳から、次から次へと涙が溢れ落ちていく。
夫人「解釈を間違えて随分と大きな重荷を背負ってしまわれたのですね。
グリーンデサントでも正しく理解している者は少ないですものね」
リ「単に翡翠の瞳を重視して継承順位を決めているのではありません。
当時、フィリシア殿下は人の心を惹き付ける能力に優れておいででした。
国にとって求心力は重要です。ですから当時 ユルリッシュ殿下と継承権争いに発展しかけたのです。
翡翠の瞳の持ち主は何かしら能力に優れておいでですから、セリーナ姫もそうだろうと見做されておりました。
実際に馬車事業を成功させて領地改革を手掛けておられるセリーナ姫に神話は本当だと認めざるをえません。
カークファルドの領民は幸せ者です」
レ「こんなに美しい涙を見たことがありませんよ」
夫人「うちにお嫁に来てもらいたいですわ。
もう捻くれた三男しか残っておりませんけど」
レ「三男?」
夫人「ええ。リッツ家に生まれたのに貴族嫌いで、自ら籍を抜いて平民となり好きなことをしておりますわ」
リ「ウェス、戻って来い」
レ「え!?」
「え?」
イ「……」
ウェ「止めてくれ。俺はただのウェスだ。
…だが セリーナ姫が妻になってくれるなら考える」
「ウェス!!」
イ「ウェス卿、勘弁してください」
レ「参戦なんて止めてくださいよ」
ウェ「美しくて可愛い いい女だ」
リ「セリーナ姫、まだ帰国しませんよね?
改めて面会させてください」
夫人「リッツ邸に遊びにいらしてください。ウェス、エスコートするのよ」
ウェ「はいはい」
「セリーナは駄目です!」
その後 叔母上が登場して、一旦セリーナと叔母上は花摘みに場を離れた。
夫人「あなた。やっとウェスが戻ってくるかもしれないわ」
リ「そうだな。平民と結婚すると覚悟したが セリーナ姫なら有難い。
美しい上に人柄も良く商才もある。
ウェスがセリーナ姫を射止めるのなら、爵位を与えてリッツ領で暮らしてもらおう」
「公爵、夫人、セリーナは私がずっと慕っている女性です」
夫人「婚約していないのでしたら、リッツ家が手を挙げるのは自由ですわ」
リ「あのウェスをリッツ家に戻すチャンスですから遠慮はしませんよ」
「っ!」
困ったことになった。
ピビッチ侯爵令息だけでなく、ウェスまで…。
ウェスがリッツ家の三男だとは知らなかった。
そういえばウェスは外国で過ごしていたと聞いていた。
つまり留学したのか?
兵士がイヴァンに耳打ちをした。
イ「殿下、トラブルです。お急ぎください」
急いで兵士の後に続いた。
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