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嘘泣き
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エルザは強い眼差しを陛下に向けた。
「学園での出来事です。大公女とはいえ一生徒なのです。自身の我儘が通らない苛立ちから上級生にあたるセルヴィー伯爵令嬢に水を掛けました。学園生として許されるべきではありませんし、あれは暴行です。
エンブレーズ大公領内ならばその我儘も傍若無人も許されたのでしょう。ですが陛下が治めておられるこの国で世話になるのなら法も規則もマナーも留学先に従うべきです。
大公女は何を学びにいらしたのでしょう。
大公女はセルヴィー伯爵令嬢に王宮主催のパーティを仮病を使って欠席しろと強要なさいました。
セルヴィー伯爵令嬢は、国王陛下に忠誠を誓う臣下です。王族を欺くことはできないと明確に拒否しました。
私は第二王子殿下の婚約者です。王族を欺けと大公女の身分を使って強要する愚か者を放置してはならないと思いました。
それに水を掛けられる経験が無いから淑女から外れた行いをするのです。せっかくですので身をもって学んでいただこうと水を掛けました」
「なるほど。
セルヴィー嬢。そなたの証言を聞きたい」
緊張して制服のスカートを握りしめた。
「申し上げます」
事実を証言した。エルザと同じだった。
「セルヴィー嬢。水を掛けられたことに関してはどう思う」
「個人的にはたまにある事で、予備の制服を用意しておりますので困りません。水ですから乾けば済む程度にしか思っておりません」
「たまにある?」
王妃様が反応した。
「王妃様、私がご説明申し上げてもよろしいでしょうか」
「いいわ、エルザ」
「ありがとうございます。
今回、大公女に水を掛けられたように、セルヴィー伯爵令嬢はヘインズ伯爵令息と婚約して以降、彼のファンから嫌がらせを受けておりました。
最初の頃は水などではなく、お茶やジュース。掃除で使ったバケツの水ということもありました。
わざとぶつかられたり足を掛けられたり、物が壊されたり紛失したりしていました。
私とゼオロエン侯爵令嬢が友人となってからはほぼおさまりましたが、心ない言葉はかけられ続けますし、たまに水を掛けたりぶつかったりする令嬢も未だにおります。あり得ない噂も流されます。
ヘインズ伯爵令息は おモテになりますから、嫉妬の矛先は全てセルヴィー伯爵令嬢が受け止めているのです」
「…あら?その腕輪、もしかしてジオ家の?」
「は、はい」
「妹が渡したの?」
「…違います」
「言い辛そうね。エルザ、教えて?」
「ジオ公爵令息が無理矢理 彼女の手首にはめて、鍵を外に投げてしまったのです」
「ヒューゴがか!?」
「まあ、あの子が!?」
国王夫妻は驚きの表情で確認をなさった。
「はい。公爵令息は彼女にだけ名前呼びどころか愛称呼びを強請るほどです」
国王夫妻は互いの顔を見合わせた。
「んん゛
エンブレーズ大公女。そなたには留学を続ける条件として、この3名に近寄ることも話しかけることも禁ずる」
「え!?」
「明らかに非は大公女にある。
受け入れるときに、大公女に明確な非があって問題が起きたときは 私の判断で留学資格を取り消し強制的に帰国させると提示し、大公は承諾した。
大公女も学園の規則に従うと署名したであろう。
留学期間も短い。上級生の教室のあるフロアにも行ってはならない。よいか?」
「っ! かしこまりました」
「大公女は部屋に戻りなさい」
「失礼いたします」
立ち上がった大公女の顔を見た。ハンカチで目元をおさえてはいたが、嘘泣きだったことが見てとれた。
彼女は悔しそうに退室した。
「学園での出来事です。大公女とはいえ一生徒なのです。自身の我儘が通らない苛立ちから上級生にあたるセルヴィー伯爵令嬢に水を掛けました。学園生として許されるべきではありませんし、あれは暴行です。
エンブレーズ大公領内ならばその我儘も傍若無人も許されたのでしょう。ですが陛下が治めておられるこの国で世話になるのなら法も規則もマナーも留学先に従うべきです。
大公女は何を学びにいらしたのでしょう。
大公女はセルヴィー伯爵令嬢に王宮主催のパーティを仮病を使って欠席しろと強要なさいました。
セルヴィー伯爵令嬢は、国王陛下に忠誠を誓う臣下です。王族を欺くことはできないと明確に拒否しました。
私は第二王子殿下の婚約者です。王族を欺けと大公女の身分を使って強要する愚か者を放置してはならないと思いました。
それに水を掛けられる経験が無いから淑女から外れた行いをするのです。せっかくですので身をもって学んでいただこうと水を掛けました」
「なるほど。
セルヴィー嬢。そなたの証言を聞きたい」
緊張して制服のスカートを握りしめた。
「申し上げます」
事実を証言した。エルザと同じだった。
「セルヴィー嬢。水を掛けられたことに関してはどう思う」
「個人的にはたまにある事で、予備の制服を用意しておりますので困りません。水ですから乾けば済む程度にしか思っておりません」
「たまにある?」
王妃様が反応した。
「王妃様、私がご説明申し上げてもよろしいでしょうか」
「いいわ、エルザ」
「ありがとうございます。
今回、大公女に水を掛けられたように、セルヴィー伯爵令嬢はヘインズ伯爵令息と婚約して以降、彼のファンから嫌がらせを受けておりました。
最初の頃は水などではなく、お茶やジュース。掃除で使ったバケツの水ということもありました。
わざとぶつかられたり足を掛けられたり、物が壊されたり紛失したりしていました。
私とゼオロエン侯爵令嬢が友人となってからはほぼおさまりましたが、心ない言葉はかけられ続けますし、たまに水を掛けたりぶつかったりする令嬢も未だにおります。あり得ない噂も流されます。
ヘインズ伯爵令息は おモテになりますから、嫉妬の矛先は全てセルヴィー伯爵令嬢が受け止めているのです」
「…あら?その腕輪、もしかしてジオ家の?」
「は、はい」
「妹が渡したの?」
「…違います」
「言い辛そうね。エルザ、教えて?」
「ジオ公爵令息が無理矢理 彼女の手首にはめて、鍵を外に投げてしまったのです」
「ヒューゴがか!?」
「まあ、あの子が!?」
国王夫妻は驚きの表情で確認をなさった。
「はい。公爵令息は彼女にだけ名前呼びどころか愛称呼びを強請るほどです」
国王夫妻は互いの顔を見合わせた。
「んん゛
エンブレーズ大公女。そなたには留学を続ける条件として、この3名に近寄ることも話しかけることも禁ずる」
「え!?」
「明らかに非は大公女にある。
受け入れるときに、大公女に明確な非があって問題が起きたときは 私の判断で留学資格を取り消し強制的に帰国させると提示し、大公は承諾した。
大公女も学園の規則に従うと署名したであろう。
留学期間も短い。上級生の教室のあるフロアにも行ってはならない。よいか?」
「っ! かしこまりました」
「大公女は部屋に戻りなさい」
「失礼いたします」
立ち上がった大公女の顔を見た。ハンカチで目元をおさえてはいたが、嘘泣きだったことが見てとれた。
彼女は悔しそうに退室した。
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