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最終学年
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ジオ公爵領で楽しい2週間を過ごして王都に戻ってきた。
戻るとすぐにモルゾン公爵家のお茶会に招かれ、自分だけジオ公爵領に行けずに拗ねたエステル公女様に付きっきりになった。
次はモルゾン公爵領に来てと言われたけれど、さすがに首を縦に振れなかった。
「はぁ~今年は空気がいいわぁ~」
たぶんジネットは、シャルル様とシャルル様を慕うご令嬢達が卒業したからそう言っているのだと思う。
「卒業まで楽しい思い出を作りましょう。卒業したらこうやって毎日のようには顔を合わせられなくなってしまうもの」
卒業したらエルザは王宮に部屋を与えられ、本格的な王子妃教育が始まる。
ジネットはしばらくモルゾン公爵領に行き、花嫁修行が始まる。
私もヘインズ家に通うようになるのかしら。
「そうね」
「はい、これ」
エルザが渡しできたのは年間予定表と書いてある紙だった。
「うちと、ジネットの家と、モルゾン公爵家と、私と殿下が招待する予定の催しよ。書いてあるものは全部ティナは招待リストに載っているから来てね。
同じものをジオ公子にも送ったから」
「え!?」
「公子の緩んだ顔が浮かぶわ」
「もうドレスの手配をしているわね」
「だ、ダメよ!迷惑よ!」
「迷惑どころかご褒美よ」
「あっ、これ…私が出席できないガーデンパーティじゃない」
「大丈夫よ。ヒューゴ・ジオの恋人だもの」
毎年 王太子夫妻がガーデンパーティを開くのだけど、侯爵家以上で王太子夫妻の同年代もしくは王太子夫妻の友人に限られていた。
「変に目をつけられたくないわ」
「ジオ公爵夫人は王妃様と姉妹よ?
ティナが伯爵令嬢でも、甥っ子の恋人ならみんな納得するわ」
「私達もいるし」
「でも招待状が届いていない以上、ヒューゴ様とも出席できないわ」
「うん、分かったわ」
エルザはニッコリ微笑んだ。
その日の夜に王太子夫妻から招待状が届いた。
エルザ…
【 シャルルの視点 】
やっと卒業パーティも終わって学園長の呪縛から解放された。
父上はクリスティーナがジオ公爵領に行ったことを知ると僕に激怒した。
「おまえが恋人でも愛人でも作っていいなんて言うからだ!本当に他の男の子を産んだらどうするつもりだ!」
「どうもこうも、結婚の約束をしているのはうちじゃないですか」
「相手次第ではどうなるかわからない。セルヴィー家は婚約破棄なんて痛くも痒くもないんだぞ」
「破棄したいならさせればいいじゃないですか」
「うちが結べるセルヴィーほど有益な家門はないんだ!」
どうして父上はそんなにセルヴィーに拘るのか。もっと爵位の高い家門もいたし、金持ちだってセルヴィー家ほどでなくともいるだろう。
「父上、落ち着いてください」
「あの子と婚約をした後、私はおまえに自由をやる代わりに何と言ったか忘れたのか?」
「覚えています」
「真逆のことをしているじゃないか!」
「……」
「女遊びは隠れてやるものだろう!」
「それでもクリスティーナは受け入れました」
「いいや。未消化だからジオ公爵領に滞在することになったんだ。
シャルル、婚約が無くなればまともな縁談はないぞ。サリモア公女の件もあるから、良家の令嬢は無理だろう。
残されたタイムリミットは1年だ。
例え結婚できても直ぐに離縁されるかもしれない」
「大丈夫ですよ。クリスティーナが好きなのは僕の顔ですから」
夜、友人宅の夜会に出席した。
寄ってくる女は本命がいる女ばかりだった。
友人とシガールームで情報交換をしていると、嫌な話題になった。
「ジオ家のパーティはすごかったらしいぞ。有力な上位貴族はほぼ集結したんじゃないか」
「何で知ってるんだよ」
「従兄の勤め先の令息がジオ公爵領に行ったからだよ。誰が来るのか知っていて、張り切って行ったんだとさ」
「うちも姉貴から聞いたよ。出席者の中に姉貴の旦那の友人がいてさ、顔ぶれが凄かったって言っていたよ。しかも堅物と言われたジオ公子がセルヴィー嬢にデレデレだったって、」
「おい」
「何だよ。シャルルは大丈夫だよ。お互いに婚約者以外と交際しても寝てもいいって契約なんだろう?シャルルは散々女を喰ってるのに何も言われないのはそのせいだろう?セルヴィー嬢が公子と寝たって文句なんてないだろう。
俺、セルヴィー嬢と友人になっておけば良かったよ。いつも侯爵令嬢の2人がガードしてるしシャルルに遠慮もあって声をかけられなかったけど、彼女可愛いし人脈すごいしセルヴィー家自体の成長が止まらないしな。
シャルルとの婚約は強引だったのかもしれないけど、女達が騒いでいただけで傲慢だとかそんな風には見えなかったし」
「確かにな。性格悪かったらいくらセルヴィー家の令嬢でもゼオロエン嬢達が一緒にいるわけがない。特にウィロウ嬢は第二王子の婚約者だから交友関係は厳しいはずだ。それなのにずっと友人でいられるのなら王家からも公認ということだろう?」
「確かに」
「なあ、次はセルヴィー嬢を連れて来いよ」
「ジオ公爵領に行けるくらいだから怪我も良くなったんだろう?」
「聞いてみるよ」
次といったら再来週じゃないか
戻るとすぐにモルゾン公爵家のお茶会に招かれ、自分だけジオ公爵領に行けずに拗ねたエステル公女様に付きっきりになった。
次はモルゾン公爵領に来てと言われたけれど、さすがに首を縦に振れなかった。
「はぁ~今年は空気がいいわぁ~」
たぶんジネットは、シャルル様とシャルル様を慕うご令嬢達が卒業したからそう言っているのだと思う。
「卒業まで楽しい思い出を作りましょう。卒業したらこうやって毎日のようには顔を合わせられなくなってしまうもの」
卒業したらエルザは王宮に部屋を与えられ、本格的な王子妃教育が始まる。
ジネットはしばらくモルゾン公爵領に行き、花嫁修行が始まる。
私もヘインズ家に通うようになるのかしら。
「そうね」
「はい、これ」
エルザが渡しできたのは年間予定表と書いてある紙だった。
「うちと、ジネットの家と、モルゾン公爵家と、私と殿下が招待する予定の催しよ。書いてあるものは全部ティナは招待リストに載っているから来てね。
同じものをジオ公子にも送ったから」
「え!?」
「公子の緩んだ顔が浮かぶわ」
「もうドレスの手配をしているわね」
「だ、ダメよ!迷惑よ!」
「迷惑どころかご褒美よ」
「あっ、これ…私が出席できないガーデンパーティじゃない」
「大丈夫よ。ヒューゴ・ジオの恋人だもの」
毎年 王太子夫妻がガーデンパーティを開くのだけど、侯爵家以上で王太子夫妻の同年代もしくは王太子夫妻の友人に限られていた。
「変に目をつけられたくないわ」
「ジオ公爵夫人は王妃様と姉妹よ?
ティナが伯爵令嬢でも、甥っ子の恋人ならみんな納得するわ」
「私達もいるし」
「でも招待状が届いていない以上、ヒューゴ様とも出席できないわ」
「うん、分かったわ」
エルザはニッコリ微笑んだ。
その日の夜に王太子夫妻から招待状が届いた。
エルザ…
【 シャルルの視点 】
やっと卒業パーティも終わって学園長の呪縛から解放された。
父上はクリスティーナがジオ公爵領に行ったことを知ると僕に激怒した。
「おまえが恋人でも愛人でも作っていいなんて言うからだ!本当に他の男の子を産んだらどうするつもりだ!」
「どうもこうも、結婚の約束をしているのはうちじゃないですか」
「相手次第ではどうなるかわからない。セルヴィー家は婚約破棄なんて痛くも痒くもないんだぞ」
「破棄したいならさせればいいじゃないですか」
「うちが結べるセルヴィーほど有益な家門はないんだ!」
どうして父上はそんなにセルヴィーに拘るのか。もっと爵位の高い家門もいたし、金持ちだってセルヴィー家ほどでなくともいるだろう。
「父上、落ち着いてください」
「あの子と婚約をした後、私はおまえに自由をやる代わりに何と言ったか忘れたのか?」
「覚えています」
「真逆のことをしているじゃないか!」
「……」
「女遊びは隠れてやるものだろう!」
「それでもクリスティーナは受け入れました」
「いいや。未消化だからジオ公爵領に滞在することになったんだ。
シャルル、婚約が無くなればまともな縁談はないぞ。サリモア公女の件もあるから、良家の令嬢は無理だろう。
残されたタイムリミットは1年だ。
例え結婚できても直ぐに離縁されるかもしれない」
「大丈夫ですよ。クリスティーナが好きなのは僕の顔ですから」
夜、友人宅の夜会に出席した。
寄ってくる女は本命がいる女ばかりだった。
友人とシガールームで情報交換をしていると、嫌な話題になった。
「ジオ家のパーティはすごかったらしいぞ。有力な上位貴族はほぼ集結したんじゃないか」
「何で知ってるんだよ」
「従兄の勤め先の令息がジオ公爵領に行ったからだよ。誰が来るのか知っていて、張り切って行ったんだとさ」
「うちも姉貴から聞いたよ。出席者の中に姉貴の旦那の友人がいてさ、顔ぶれが凄かったって言っていたよ。しかも堅物と言われたジオ公子がセルヴィー嬢にデレデレだったって、」
「おい」
「何だよ。シャルルは大丈夫だよ。お互いに婚約者以外と交際しても寝てもいいって契約なんだろう?シャルルは散々女を喰ってるのに何も言われないのはそのせいだろう?セルヴィー嬢が公子と寝たって文句なんてないだろう。
俺、セルヴィー嬢と友人になっておけば良かったよ。いつも侯爵令嬢の2人がガードしてるしシャルルに遠慮もあって声をかけられなかったけど、彼女可愛いし人脈すごいしセルヴィー家自体の成長が止まらないしな。
シャルルとの婚約は強引だったのかもしれないけど、女達が騒いでいただけで傲慢だとかそんな風には見えなかったし」
「確かにな。性格悪かったらいくらセルヴィー家の令嬢でもゼオロエン嬢達が一緒にいるわけがない。特にウィロウ嬢は第二王子の婚約者だから交友関係は厳しいはずだ。それなのにずっと友人でいられるのなら王家からも公認ということだろう?」
「確かに」
「なあ、次はセルヴィー嬢を連れて来いよ」
「ジオ公爵領に行けるくらいだから怪我も良くなったんだろう?」
「聞いてみるよ」
次といったら再来週じゃないか
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