白の双剣士

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第一章 その体に白を宿して

第9色 灰の重撃

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 「そろそろ依頼も受けてみるか。」



 入学から一週間が経った。その間はカイルやワイドと特訓したり、『色』の訓練をしていた。だが『白洗』だけは使えていない。あれを使ったときの何かが消える感覚。あれが凄く嫌な予感がしたからだ。その分『白斬』や『白磑』はスムーズに出せるようになってきた。依頼が貼ってある場所に向かいながらそんなことを考えていると、いつの間にか近くに来ていた。



 「Eのところはっと」



 人が多い。まぁ速くランクを上げたい気持ちは凄くわかる。その人の間を進み、掲示板を見ていると、



 「あの、ジューク君ですよね?」

 「はい、そうですけど…!?」



 こいつは確か試験のときの二試合目に戦った『灰』の…名前は確か



 「どうも、ビクシス・シールです。試験のときはあんなことをして申し訳なかったです。」

 「いやいいよ。あれはまぁ…もう過ぎたことだし。」

 「そう言ってもらえるとありがたいです…」



 というか、試合の時は気づかなかったけどビクシスさんって女だったのか…



 「あの、できればでいいんですけど一緒に依頼を受けてもらえたりできますか?」

 「いいですよ。僕も人が多いほうがいいですし。」



 何より、ビクシスさんの『色』は僕の足りないところを補ってくれる。これは受けないという選択肢は無い。ちなみにランクで依頼の内容が分けられているが、より詳しくするとEが害獣駆除や掃除など Dはこの都市を囲う壁を抜けてきた魔物の中でも弱い魔物の討伐 Cは魔物の駆除の魔物が少し強くなる Bになると壁の外の魔物の駆除も入る Aはそれに加えて犯罪者の捕獲なども加えられる。今回は下水道の中に潜むドブネズミの駆除だそうだ。下水道かぁ…『白洗』でキレイに出来たりしないかなぁ…と一瞬思ったが流石に『白洗』は不確定要素が多いのでやめておく。



 「じゃあ行きましょうか。」

 「はい!行きましょう!」



 そう言って僕たちは入学してから初めて敷地の外に出た。

 そして門をくぐった時、チリっと何かが僕の中を駆け巡る感じがしたが、ビクシスさんがあまり気にしてないようだったので、先を急ぐことにした。











































 「ジュークさん、大人しくついてきてもらっていいですか?」

 

 『灰』の重さと合わせて体を固められていて身動きが取れない。そもそも、どうしてこういう事になったのか、それは少し前に遡る…
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