36 / 43
第三章 熱き炎の華を廃墟に咲かせて
第33色 自由の檻から抜け出して
しおりを挟む
何が起こった…?
『白夜』などという規格外の『色』によって僕達どころかこのサーシュすら跡形もなく消し飛んだはず。
そしてふと辺りを見回す。
レブとワイドも同じようにまだ状況を飲み込めていないようだ。特にワイド。
まあ、仕方ないことだとは思う。
だが正直それにかまっている場合ではない。
その理由はただ一つ。
「レブ!ワイド!何が起こったかの確認は後だ!『白壁』が消えてる!今のうちに行くぞ!」
その言葉でレブとワイドがこっちに来る。
「外は、そんなにいいところじゃないよ?」
いつの間にか隣りにいた人が告げる。
背中に…棺桶?いや棺?を背負い、手には変な形のした筒を持っている。
「それでも、ここよりはマシです。」
即答する。〈外〉がどんなところか知らないが、少なくとも〈外〉に〈トウキョウ〉という街がある。なによりまずはそこに向かわなければ。
「…じゃあ私もついていくよ。」
この人は何を知っている?確実に僕達より〈外〉のことを知っている。
思考を止めずに〈外〉に向けて走り続ける。
ドロッ
「『黒』!?」
少し先の地面から『黒』い泥が溢れ出す。
レブの『触手』を思い出すような形と動き。
だがその大きすぎる違いは形。
レブのものよりも圧倒的に粘性が強い。触れると恐らく引きずり込まれる。
ならそれより先に…
「『白ざ』」
「『タイム・リバース・ハンドガン』」
ズダァン!
僕が『白斬』を使うよりも速く、〈棺〉がひとりでに動き出し、先程まで手に持っていた長い筒が〈棺〉に仕舞われる。それと同時に手には新たな何かが握られる。
それを泥に向けたかと思うとそこから何かが出る。目にも止まらぬ速さで飛んでいったそれが『泥』についたかと思うと『泥』が巻き戻されたように地面に吸い込まれた。
「これについての説明は移動し終わってからする。今はあれを退かす事に集中するぞ。」
一つ退けたとはいえそれ以外にもどんどん増えていく。
「レブ!」
「うん!『青洞』!」
その言葉で僕達の前に『青』が出現する。なんの迷いもなくそれを通り、『泥』の先に抜けた僕達は気がつくと『白壁』があった場所に来ていた。
このまま超えても問題は無いとは思う。だが万全を期す。
「『緑嵐』」
ワイドを中心に『嵐』が巻き起こる。わずか数秒で災害級の『嵐』が巻き起こる。
「あーなんか楽しくなってきた。『緑嵐・飛翔』!」
僕達四人を巻き込んで『嵐』の中心は上へ上へと上がっていく。
「このくらいだろ!『緑嵐・射出』!」
その言葉どおりに僕達は飛ばされる。ここまでは予想通り。
唯一誤算があったとすれば。
「あばばばばばば速い速い!」
「ハハッ!楽しいじゃねえの!」
「たぁのしい!」
「これは…すごいな…」
それが速すぎるくらいか。
まあ何はともあれ。
〈外〉に、出た。
次の行き先は、〈トウキョウ〉だ。
『白夜』などという規格外の『色』によって僕達どころかこのサーシュすら跡形もなく消し飛んだはず。
そしてふと辺りを見回す。
レブとワイドも同じようにまだ状況を飲み込めていないようだ。特にワイド。
まあ、仕方ないことだとは思う。
だが正直それにかまっている場合ではない。
その理由はただ一つ。
「レブ!ワイド!何が起こったかの確認は後だ!『白壁』が消えてる!今のうちに行くぞ!」
その言葉でレブとワイドがこっちに来る。
「外は、そんなにいいところじゃないよ?」
いつの間にか隣りにいた人が告げる。
背中に…棺桶?いや棺?を背負い、手には変な形のした筒を持っている。
「それでも、ここよりはマシです。」
即答する。〈外〉がどんなところか知らないが、少なくとも〈外〉に〈トウキョウ〉という街がある。なによりまずはそこに向かわなければ。
「…じゃあ私もついていくよ。」
この人は何を知っている?確実に僕達より〈外〉のことを知っている。
思考を止めずに〈外〉に向けて走り続ける。
ドロッ
「『黒』!?」
少し先の地面から『黒』い泥が溢れ出す。
レブの『触手』を思い出すような形と動き。
だがその大きすぎる違いは形。
レブのものよりも圧倒的に粘性が強い。触れると恐らく引きずり込まれる。
ならそれより先に…
「『白ざ』」
「『タイム・リバース・ハンドガン』」
ズダァン!
僕が『白斬』を使うよりも速く、〈棺〉がひとりでに動き出し、先程まで手に持っていた長い筒が〈棺〉に仕舞われる。それと同時に手には新たな何かが握られる。
それを泥に向けたかと思うとそこから何かが出る。目にも止まらぬ速さで飛んでいったそれが『泥』についたかと思うと『泥』が巻き戻されたように地面に吸い込まれた。
「これについての説明は移動し終わってからする。今はあれを退かす事に集中するぞ。」
一つ退けたとはいえそれ以外にもどんどん増えていく。
「レブ!」
「うん!『青洞』!」
その言葉で僕達の前に『青』が出現する。なんの迷いもなくそれを通り、『泥』の先に抜けた僕達は気がつくと『白壁』があった場所に来ていた。
このまま超えても問題は無いとは思う。だが万全を期す。
「『緑嵐』」
ワイドを中心に『嵐』が巻き起こる。わずか数秒で災害級の『嵐』が巻き起こる。
「あーなんか楽しくなってきた。『緑嵐・飛翔』!」
僕達四人を巻き込んで『嵐』の中心は上へ上へと上がっていく。
「このくらいだろ!『緑嵐・射出』!」
その言葉どおりに僕達は飛ばされる。ここまでは予想通り。
唯一誤算があったとすれば。
「あばばばばばば速い速い!」
「ハハッ!楽しいじゃねえの!」
「たぁのしい!」
「これは…すごいな…」
それが速すぎるくらいか。
まあ何はともあれ。
〈外〉に、出た。
次の行き先は、〈トウキョウ〉だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
12
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる