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Intermezzo-間章-
間章-天丼とコーヒー-
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首都『バレアタット』の下宿先のキッチンに立つ…キシルとブルボンの眼前には、牛海老、鱒の白身、しし唐辛子、椎茸、蓮根が薄い衣を纏い食材として並んでいる。
キッチンにある二口のコンロの内…一つでは黄金色の油で満たされた鍋が熱しられており…もう片方では、土鍋で赤子が泣いている。
「ブルボンさん、どの食材から揚げてみる?」
衣を数滴ほど落とし、油の温度を確認したキシルが問い掛ける。
「そうね…この牛海老からかしらね。」
僅かに考える素振りを見せたブルボンは、食材を手に取り…恐る恐る鍋の中へと投入する。
「ひぃ!びっくりした…」
食材に含まれていた水気が跳ねた事に対して、ブルボンが驚く。
「ぷっ…そこまで驚かなくても…」
隣で微かに跳び跳ねたブルボンに対して、キシルは思わず笑ってしまう。
「曇天?天丼?って言われる料理が、こんな危険な食べ物なんてぇ…キシルさん、何処でこの調理法を知ったのよぉ…」
ブルボンの足腰が、生まれたての小鹿の様に震える…
「(本当に…天丼を知らない?)」
霧島は、元いた世界の同級生である少女【金手】に似たブルボンへの疑念を改めて感じつつ返事をする。
「えっと、この前、国立図書館『エテメン』に行った時のついでに…東の果ての大国『シン都』よりも、更に東ある島国『和都』に関する記述の中にあってね、興味が湧いて作ってみようかなって。」
キシルはそれっぽい理由を述べる。
「全く本の虫…いいえ、知識の悪魔なんだから。」
そう返したブルボンは、食材の投入を再び試みる。
「(どうやら…ブルボンさんから見て、私は本の虫から知識の悪魔へと進化したみたいです。)」
キシルが笑っていると、その隣で再びブルボンが食材の水気と共に跳び跳ねる。
「ぷっ…これも天丼…」
「こ…これも天丼?」
そう溢した霧島の隣で、ブルボンは震えながら首を傾げる。
ーーー
「なんか…楽しそう…」
キッチンから聞こえるキシルとブルボンのやりとりが、別室にいるファイネストの耳にも届く。
「そうですね…ファイネストさん、お夕飯の前に、こちらも今後の課題を再認識しましょう。」
シナモンが話題を本題へと戻す。
「うん…南方の大国『モカシダモ』へ向かう為には、船と船員…そして、資金をどう調達するか…」
そう答えたファイネストとシナモンが席に着く、テーブルには『ウリ・バルデン』の周辺国の地図が広げられている。
「はい…船と船員はファイネストさんから政府への申請によって手配可能で…資金面は、私のサイフォン家が出資致します。」
シナモンが述べる。
「そうだね…でも、問題は…モカシダモ迄の航路、そして現地の土地勘にも詳しい『船長』をどうやって見つけるか…」
ファイネストが無意識に口元に左手を持ってくる。
「まぁ、コーヒーハウス『フランツ・メランジュ』に訪れる商人や船乗りに、地道に声を掛けるのが一番手堅いよね。」
調理を終えたキシルが、ファイネストとシナモンがいる部屋へと入ってくる。
「そうね…飛行船は、まだまだ実験段階だし…それが無難ね。」
出来上がった天丼を載せたトレイを持ったブルボンも現れる。
「はい、その通りですね…一先ず休憩としましょう。」
賛同したシナモンが頷く。
「うん…地道にやるしかないか…」
ファイネストは、地図を丸める。
キシル、ブルボン、シナモン、ファイネストの目の前に夕食の天丼が並ぶ…
「それじゃあ…やっぱり、海老から頂きます。」
キシルは、綺麗な黄金色に揚がった牛海老を最初に箸で取り味わう。
「…っぅう(この味…米がウマイ…)」
蓮根の天ぷらと共に、元いた世界の主食を久しぶりに噛み締める華名城は、感極まり箸が進む。
「天丼は、フォークやスプーンではなく…『シン都』や『和都』の食器である箸で食べるのがマナーなの?」
ブルボンは戸惑いながらも、箸で鱒の天ぷらを掴み食べる。
「皆さん、器用ですね…私も…ってあれ?…意外と難しいですね。」
シナモンも箸で食べようとするが、上手く扱えず…しぶしぶ、ナイフとフォークでしし唐辛子の天ぷらを食べる。
「初めて白米を食べましたが美味しいですね…しかし、『シント・ロード』を介して『ウリ・バルデン』に輸入された白米と土鍋って高級品の筈ですが…おいくらでしょうか?」
シナモンが財布を取り出すが…
「あぁ、モンちゃん…いいよ…今朝、この共用スペースで、酔っぱ…じゃなくて片付けもせずに寝落ちしていたファイネストさんの財布から支払ったから…ねぇ?(こっちの世界では、中等部の生徒であること忘れてない?)」
キシルの鋭い視線が、ファイネストに刺さる。
「がぁっ!…その節は、お手数をお掛け致しました…(嫌な事が続くと、つい飲んじゃうんだよねぇ…自分の部屋で飲んでた筈なのに…)」
華名城は、冷や汗を滝のように流しながら謝る。
「そうなの?…遅くまで学校の勉強をしていたのかしら?そうだとしても、散らかしたままは頂けないわね、皆で共同生活しているのだから。」
ブルボンが注意する。
「がぁ!?…そ、そう…つい勉強に熱中し過ぎて…あはは、ごめんなさい~今後は、気を付けるから。」
ファイネストは、何とか取り繕う。
「勉強なら、ファイネストさんの自室でされれば良かったのでは?」
シナモンが無意識に痛いところを突く。
「がぁっ!…ええと、それは…」
ファイネストの思考が空回りするばかりで、返答が出てこない。
「まぁ、そんなことよりも…天丼のおかわりする人いる?」
十分に罰を受けたファイネストに対して、キシルが助け船を出す。
それに対して、ファイネストは深々と、何度も頭を下げる。
キッチンにある二口のコンロの内…一つでは黄金色の油で満たされた鍋が熱しられており…もう片方では、土鍋で赤子が泣いている。
「ブルボンさん、どの食材から揚げてみる?」
衣を数滴ほど落とし、油の温度を確認したキシルが問い掛ける。
「そうね…この牛海老からかしらね。」
僅かに考える素振りを見せたブルボンは、食材を手に取り…恐る恐る鍋の中へと投入する。
「ひぃ!びっくりした…」
食材に含まれていた水気が跳ねた事に対して、ブルボンが驚く。
「ぷっ…そこまで驚かなくても…」
隣で微かに跳び跳ねたブルボンに対して、キシルは思わず笑ってしまう。
「曇天?天丼?って言われる料理が、こんな危険な食べ物なんてぇ…キシルさん、何処でこの調理法を知ったのよぉ…」
ブルボンの足腰が、生まれたての小鹿の様に震える…
「(本当に…天丼を知らない?)」
霧島は、元いた世界の同級生である少女【金手】に似たブルボンへの疑念を改めて感じつつ返事をする。
「えっと、この前、国立図書館『エテメン』に行った時のついでに…東の果ての大国『シン都』よりも、更に東ある島国『和都』に関する記述の中にあってね、興味が湧いて作ってみようかなって。」
キシルはそれっぽい理由を述べる。
「全く本の虫…いいえ、知識の悪魔なんだから。」
そう返したブルボンは、食材の投入を再び試みる。
「(どうやら…ブルボンさんから見て、私は本の虫から知識の悪魔へと進化したみたいです。)」
キシルが笑っていると、その隣で再びブルボンが食材の水気と共に跳び跳ねる。
「ぷっ…これも天丼…」
「こ…これも天丼?」
そう溢した霧島の隣で、ブルボンは震えながら首を傾げる。
ーーー
「なんか…楽しそう…」
キッチンから聞こえるキシルとブルボンのやりとりが、別室にいるファイネストの耳にも届く。
「そうですね…ファイネストさん、お夕飯の前に、こちらも今後の課題を再認識しましょう。」
シナモンが話題を本題へと戻す。
「うん…南方の大国『モカシダモ』へ向かう為には、船と船員…そして、資金をどう調達するか…」
そう答えたファイネストとシナモンが席に着く、テーブルには『ウリ・バルデン』の周辺国の地図が広げられている。
「はい…船と船員はファイネストさんから政府への申請によって手配可能で…資金面は、私のサイフォン家が出資致します。」
シナモンが述べる。
「そうだね…でも、問題は…モカシダモ迄の航路、そして現地の土地勘にも詳しい『船長』をどうやって見つけるか…」
ファイネストが無意識に口元に左手を持ってくる。
「まぁ、コーヒーハウス『フランツ・メランジュ』に訪れる商人や船乗りに、地道に声を掛けるのが一番手堅いよね。」
調理を終えたキシルが、ファイネストとシナモンがいる部屋へと入ってくる。
「そうね…飛行船は、まだまだ実験段階だし…それが無難ね。」
出来上がった天丼を載せたトレイを持ったブルボンも現れる。
「はい、その通りですね…一先ず休憩としましょう。」
賛同したシナモンが頷く。
「うん…地道にやるしかないか…」
ファイネストは、地図を丸める。
キシル、ブルボン、シナモン、ファイネストの目の前に夕食の天丼が並ぶ…
「それじゃあ…やっぱり、海老から頂きます。」
キシルは、綺麗な黄金色に揚がった牛海老を最初に箸で取り味わう。
「…っぅう(この味…米がウマイ…)」
蓮根の天ぷらと共に、元いた世界の主食を久しぶりに噛み締める華名城は、感極まり箸が進む。
「天丼は、フォークやスプーンではなく…『シン都』や『和都』の食器である箸で食べるのがマナーなの?」
ブルボンは戸惑いながらも、箸で鱒の天ぷらを掴み食べる。
「皆さん、器用ですね…私も…ってあれ?…意外と難しいですね。」
シナモンも箸で食べようとするが、上手く扱えず…しぶしぶ、ナイフとフォークでしし唐辛子の天ぷらを食べる。
「初めて白米を食べましたが美味しいですね…しかし、『シント・ロード』を介して『ウリ・バルデン』に輸入された白米と土鍋って高級品の筈ですが…おいくらでしょうか?」
シナモンが財布を取り出すが…
「あぁ、モンちゃん…いいよ…今朝、この共用スペースで、酔っぱ…じゃなくて片付けもせずに寝落ちしていたファイネストさんの財布から支払ったから…ねぇ?(こっちの世界では、中等部の生徒であること忘れてない?)」
キシルの鋭い視線が、ファイネストに刺さる。
「がぁっ!…その節は、お手数をお掛け致しました…(嫌な事が続くと、つい飲んじゃうんだよねぇ…自分の部屋で飲んでた筈なのに…)」
華名城は、冷や汗を滝のように流しながら謝る。
「そうなの?…遅くまで学校の勉強をしていたのかしら?そうだとしても、散らかしたままは頂けないわね、皆で共同生活しているのだから。」
ブルボンが注意する。
「がぁ!?…そ、そう…つい勉強に熱中し過ぎて…あはは、ごめんなさい~今後は、気を付けるから。」
ファイネストは、何とか取り繕う。
「勉強なら、ファイネストさんの自室でされれば良かったのでは?」
シナモンが無意識に痛いところを突く。
「がぁっ!…ええと、それは…」
ファイネストの思考が空回りするばかりで、返答が出てこない。
「まぁ、そんなことよりも…天丼のおかわりする人いる?」
十分に罰を受けたファイネストに対して、キシルが助け船を出す。
それに対して、ファイネストは深々と、何度も頭を下げる。
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