戦国タイムトンネル

サクラ近衛将監

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第二章 与えられし能力

2ー2 スキル その一

 俺も、未だに、与えられた特典の技能(スキル)については全部の詳細を確認していないし、その効果も不明だから、これからいろいろと検証して行かねばならないんや。
 それにしても、数えで10歳か・・・。

 満年齢で言えば精々9歳、令和で言えば小学校の三年生ぐらいになるんやろうな。
 その年齢になってしまった俺に一体何ができるかやなぁ。

 そうして、何となくこの与一郎は発育不全のような気がするんで、これも何とかせにゃならん。
 戦国時代は、謀略と暴力が大手を振ってまかり通る世界だから、その中で生き残るには智謀と健全で頑健な肉体が要る。

 俺が貰った技能スキルで、それが補えればよいのやが・・・。
 いずれにしろ、できるだけ早く俺に付与された技能スキルを精査・確認することにしよう。

 取り敢えず、俺の脳内で、与えられた技能スキルを拡げてみた。
 目の前にホログラムのような平板が浮かび、文字列が現れる。

 これって、もしかして他人ヒトにも見られてしまうのか?
 俺の技能スキルを他人に知られるのはまずいから、カカ様が居るときにちょっと試してみよう。

 もしカカ様が気づかなければ目の前のホログラムを人前で出しても差し支えないわけや。
 後にカカ様の目の前で文字列のホログラムを開いてみて、カカ様がその存在に気づかないことを確認したよ。

 月に一つ与えられる小技能スキルには、剣術、体術、槍術、棒術、弓術、馬術、鑑定、書道、華道、茶道、料理、大工、左官、陶芸、表具師、絵師、織部おりべ、農師、漁師、きこり師がある。
 全部で二十項目だが、実は小技能スキル一つを選択すると、個別のレベルが0.01になるみたいやな。

 これを重複して取るとレベル値が倍になるんだが、同様に更に重複して取得することでレベルは0.01ずつ上昇することになるようや。
 俺がブラックアウトした所為せいで、誰の仕業か勝手に小技能スキルが選択され、重複して取得したことで、20項目全部が基本値の318倍になっているんや。

 つまりは上記取得の小技能スキルのレベルが、全て3.18になっているというわけや。
 で、小技能スキルがここに挙げられたもので全てかと言うと、そうでもなさそうなんよ。

 何となればホログラム内でハイライトになっている項目が20項目だけで、実は他にもハイライトになっていないのが多数(多分百以上)あるんやで。
 必要かどうかは別として、例えば相撲道、舞踊、転写、書写、髪結かみゆい剪定せんていなんてのもある。

 年に一つ与えられる中技能スキルでは、鍛冶師、治癒師、採掘師、錬金術師、薬師が取得されており、これも基本レベル値が0.02で、重複取得すると0.02ずつ加算されるようや。
 中技能スキルはトータルで530個取得できていて、この五つに106ずつ重複加算されたもんやから、レベルは2.12になっている。

 また、十年に一つ与えられるという大技能スキルは、『仙術(土性、水性、火性、樹性、風性)』、『陰陽術(日性、月性、幻性、冥性、回復・再生)』、『仙気力増幅』、『体力増幅』、『寿命増福』の5項目であり、基本レベル値が0.5で、重複取得すると0.5ずつ加算されるようや。
 大技能スキルは、トータルで53個取得できて、仙術の各属性に4重複加算で各レベルが2.0、陰陽術の各属性に同じく4重複加算で各レベルが2.0,仙気力増幅に5重複加算でレベルが2.5、体力増幅と寿命増幅に各4重複加算で、レベルが各2.0となっている。

 百年に一つ与えられる特別技能ユニークスキルは、『時空間仙術』、『闇仙術』、『光仙術』、『異世界商店』、『創造仙術』の五つが取得されており、重複は無く、レベルは全てが1.00になっている。
 補足説明(ヘルプ?)によれば、各スキルは経験を踏むことによりレベル値が上がるらしい。

 これも、どの程度上がるのかについては実践で試してゆくしか無かろうな。
 この戦国の世で一番役立ちそうなのは武術系統なんやろうけれど、概ね揃っているのは嬉しいことやな。

 そうしてよく分からない部分ではあるんや、仙術と言うのは、和製版若しくは中華版の魔術(魔法?)じゃないかと思うんや。
 時空、闇、光の仙術というのは、ゲームでよく出てくる魔法の仙術版やろうと思うから割合と簡単にイメージできるし、創造仙術も何となくイメージが湧く。

 そうして最も気になるんは、特別技能の中にある『異世界商店』と言う文字やな。
 だが、そもそも異世界商店の『異世界』とはいったい何処のことを言うてるんや?

 俺の住んでいた令和の時代を異世界ととらえているのか、それともラノベで言う魔物なんかが跋扈ばっこする所謂地球とは別の異世界を意味するのかが分からない。
 どちらにしろ、なにがしかの代償を支払えば有用資源なり、有用な品物なりを手に入れられるということなのじゃないかとは推測しているんだが・・・・。

 特に、俺の身体である与一郎の場合、栄養が足りない恐れがあるから、その補給のためにこの異世界商店を何とか利用したいと思うんや。
 で、そう思っていると、いきなりメニューが脳内に浮かんだぞ。

 ん?何だか令和の通販のサイトみたいやな。
 但し、これまで見たことも聞いたこともない通販サイトだ。

 『萬屋よろずや🉐通販』てのは、俺の知らない奴のようだぜ。
 ネットでヨロズヤ本舗なる怪しげなサイトがあったのは知っているんやけど、間違いなくそれとは違うと思うんよね。

 パソコンの画面のように目の前に広がるホログラムなんやが、・・・・・。
 このサイト上では、俺の意思で目次の大項目から中項目、小項目まで自由に選択できるし、関連するヘルプも展開できる。

 で、ざっと見て行くと、ものすごい種類の品物があるようやで。
 食料や雑貨などは当然にあるんやが、令和の時代の武器や薬品まで扱っているみたいや。
 
 俺の知らない薬品やら化粧品までもが揃っているぜ。
 但し、ヘルプで見る限り、これらの品物を購入する際には、現物の「純金」でしか支払いができないようやな。

 このメニューの片隅に、「対価投入口」ってのがあり、そのヘルプを開いてみたところ、俺の時空間仙術でその中に砂金や金貨、金塊(いずれも24金に限る)を入れてやれば口座が開設できるみたいや。
 そうして口座に残高ぽいんと=pが無ければ、何も購入できない仕組みになっているようやな。

 金の代わりに俺の霊力とか魔力とかが使えるんだったら(俺の中にはどうも仙気力なるモノがあると後でわかったよ。)良かったのにとは思ってもしょうがねえか。
 この通販、有ると無いのとでは、全然便利さが違ってくるけれど、これって絶対陰陽師の「宅麻たくま」の仕業じゃないよね。

 平安時代若しくは戦国時代の走りに生きていた宅麻が、五百年以上も未来の流通を知っているわけがないんや。
 だからきっと、時空をまたいで存在している国津神くにつかみの連中がやったことじゃないやろか?

 今のところ俺の口座はゼロ表示やで。
 因みにホログラム内の片隅に表示されている「取説ヘルプ」によれば、俺の時空間仙術と異世界商店は連動しているみたいで、異世界商店で購入した品物は、時空間仙術の臨時保管庫(ヘルプで確認する限り、まぁ、機能的にはインベントリやな。)若しくは亜空間倉庫に送付されるらしい。

 臨時保管庫インベントリには生き物は収容できないが、別の亜空間倉庫には生き物も収容できるようや。
 因みに酵母などは生き物扱いされるので、酵母が生きている食品などは亜空間倉庫に送られるようなんやが、どうもその辺の裁量は商店側の配送システムで自動的に判断するようだ。

 何というか、ある意味では自宅の宅配専用ボックスで受け取るようなことになるため、令和の通販の宅配便よりも便利ではあるかな。
 但し、先ほども言ったかもしれないが、現時点で俺の手元にきんは一切無い。

 きんどころか、ビタ銭一枚すらも無いがな。
 この時代は、宋銭や永楽銭(明銭)が通貨のメインのはずやから、金貨や銀貨はあっても極一部でしか流通していないはずや。

 信長さんもその辺のことは気にしていて、永禄12年(1569年)には畿内に通貨法令を出している。
 何しろ世の中には、通貨となる銅銭が不足しているもんやから、至る所で物々交換をやっているんやで。

 だから歴代の統治者も、米を通貨代わりにしちゃいかんとか、金銀の価値を決めて交換レートを定めたりしたはずなんや。
 実のところ、この時代の銅貨は、日ノ本では余り作られていないんや。

 一時期、和同開珎(8世紀初め)なんかを造った時期もあったんやが、ほぼ畿内だけでしか通用しなかったし、すぐに銅の生産量が追い付かなくなって廃止になった。
 その後の話になるが、中国大陸の宋との貿易が盛んになり、宋銭が大量に輸入されたんだ。

 生憎と私鋳銭しちゅうせんが出回ったり、鐚銭びたせんが出回ったり等経済的な混乱を引き起こしたりもしたので、時の朝廷や幕府の為政者は何度か銭を廃棄する命令を出したこともあるくらいだ。
 だが、一旦商売人が通貨の便利さを知ったらもう元には戻れない。

 その上、大陸では元が台頭して、南宗が滅びた際には、元が紙幣の使用を強要したために、南宋領域から大量の銅銭が日本に流れ込んできたんだ。
 しこうして、この日ノ本でも外国通貨が大手を振って出回っているという訳だ。

 この外国製通貨が和製通貨に置き換わるのは、史実通りならば、秀吉が関白になって通貨を定め、更に江戸幕府が大量の鋳造を始めるまで待たねばならんやろな。
 異世界商店を活用するには、どうしても純金が必要と言うことで余計な話になってしまったが、その日は、カカ様の言いつけに従って、俺はずっと横になっていたよ。
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