二つのR ~ 守護霊にResistanceとReactionを与えられた

サクラ近衛将監

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第三章 大学生活

3ー7 打ち明け話 その一 

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 俺と梓ちゃんのデートだが、監視の目が有るので高速道路を使わずに一般道路を使っている。
 そうした方が時間もかかるから、込み入った話でも良いというわけだ。

 一般道ならば、最低でも40分以上はかかるはずなんだ。
 無論、盗聴防止のために種々の工夫はしているんだぜ。

 走り始めるとすぐにCDで比較的大きな音量で音楽をかけているし、俺と梓ちゃんはマスクをかけることにしているんだ。
 マスクは読唇術で会話を読み取れないようにするためなんだ。

 俺が風邪予防のためにと差し出したマスクだが、多少怪訝な顔をしたものの、梓ちゃんは受け取ってすぐに着装してくれたよ。
 車が走り出してからすぐに俺は梓ちゃんに話しかけた。

「今日のU*Jでのデートは、隠れ蓑なんだ。
 実は、梓ちゃんに俺の秘密を打ち明けようと思ってね。
 その話が少し長くなるかもしれないんだ。
 だから高速を使わずに一般道で行くからね。」

「栄一郎さんの秘密って?
 いったい何の話?」

「うーん、絶対の秘密なんで、くれぐれも他の人には話さないでほしいけれど・・・・。
 もう三年以上も前の話だけれど、海外でモンスターを退治している人物が居たって評判になったことが有るよね。」

「えぇ、確か私たちが高校二年生の晩秋だったかしら。
 サハリンに出現したモンスターを退治した人がいて、その映像がネットにあげられていたわね。」

「うん、まぁ、それも俺なんだけれど、・・・・。
 その後で、俺が家出をしている間に、東南アジアや中央アジアでモンスターが結構討伐されていたんだけれど、梓ちゃんは知らない?」

「うーん、報道では何か正体不明の人が討伐しているらしいと云うようなことも言っていたようだけれど、あれって不確実情報だったんじゃないの?」

「いや、俺が家出していた時に、大陸に渡って確かにモンスター討伐をやってたんだわ。」

「えーっ?
 嘘ばっかり、冗談でしょう?」

「いやいや、本当の話。
 そもそもは、2034年の春にD国内で行ったとある実験が原因で異界から魔物が溢れ出したんだ。
 その所為で、大陸中にモンスターが拡散したんだけれど、そのモンスターの群れを退治しようとC国が核ミサイルを撃ち込んだ所為で電磁波異常が起きたんだ。
 そのおかげで日本周辺でも航空機が墜落したり、航走中の船が停止したりと色々な異変が生じたんだ。
 そして、それから一月も経たないうちに、対馬にワイバーンがやって来たけれど、その時は、何とか自衛隊が頑張って討伐に成功した。
 でも、それから間もなく真っ黒なドラゴン、新聞では黒龍って載っていたな。
 そいつが対馬に飛来し、さらに九州の阿蘇山に棲みついたことが有ったよね。」

 梓ちゃんが、小さく頷いた。

「自衛隊が色々頑張ったけれど、黒龍には敵わなかったんだ。
 で、その黒龍が春休みの間に死んだことは、梓ちゃんも知っていると思うけれど、あの死因は今もって発表されていないよね。
 あれも実は俺がやったんだわ。」

「黒龍・・・って。
 あの時に九州へ行っていたの?
 それに家出の時に外国へ行っていただなんて、・・・・。
 そんなことしたら、記録に残るからすぐに行先が分かるでしょう?」

「いや、誰にも知られずに蜜出国して、終わってから蜜入国で帰って来たんだ。
 だから警察を含めて公的機関は俺の行方を突き止められなかったんだ。
 でね、何で俺が家出をしたのかっていうと、黒龍の後にも石垣に飛竜がやってきたことが有ってね。
 こいつも秘密裏に討伐しようと思って、出張ったんだけれど、その時にドジを踏んでね。
 俺の姿がカメラで撮られたみたいなんだ。
 但し、その時の俺の扮装って、黒づくめの衣装に目出し帽だからね。
 俺とは特定できないはずだったんだけれど、最近はAIでシルエットから似た人物を探し出すことができるらしい。
 で、俺もその討伐者の一人にされててね。
 政府機関に監視されてしまうことになったんだ。
 自衛隊やら内閣府の課長さんやらが俺の家までやって来たよ。」

「じゃぁ、栄一郎さんがやったってバレたの?」

「いや、明確な証拠なんか無いからね。
 単なる映像解析だけでは特定もできないはずなんだ。
 でも、俺に疑いの目を向けていたのは確かなんだ。
 実のところ政府が動いたのは、海外から日本が黒龍や飛竜を討伐できる技術を持っていながらそれを隠しているとかなり責められていたかららしい。
 当時は、ワイバーン程度ならともかく、ドラゴンクラスのモンスターには、どこの国の軍隊でも歯が立たなかったからね。
 政府としてはそうした攻撃能力若しくは武器を保有する人物を確保したかったんだろうと思う。」

「栄一郎さんはどうして名乗り出なかったの?
 別に黒龍などのモンスターを討伐したからって悪いことをしたわけじゃないし、むしろ人から褒められることをしたんじゃない?」

「まぁね、実績としてはそうかもしれないけれどね。
 梓ちゃん考えてもごらんよ。
 軍隊でも敵わないモンスターを討伐できる者って、最強の軍事力になるんだぜ。
 そんなのを国が放置しておけるわけが無いんだ。
 見つけられたら、即、拘束されてどこかに閉じ込められていただろうね。
 そうして、他所よその国の要請に応じてモンスター討伐に出かける公務員にするだろうね。
 何せ、他に代わりの利かない人間だから。」

「え、そんなことを政府が?」

「梓ちゃんも女性だから、いずれ子を産み、育むことになる。
 でも、その子がとんでもない力を秘めていて、その子が万が一にでも暴走しだして周囲に甚大な被害を及ぼすような場合、梓ちゃんはどうする。
 仮に梓ちゃんがめるように言っても、その子は云うことを聞かないかもしれないんだ。
 今回の場合、俺が大人の言うことを聞かない我儘な子供に当たるんだ。
 政府の手綱から外れているから、武器を携えた大勢の自衛官よりも危険な男だぜ。
 だから政府の倫理として、彼らは俺に手綱をつけたいのさ。
 俺が秘密の海外遠征で、一応、軍隊でも手に負えないようなモンスターはあらかた片づけたはずなんだけどね。
 それで、海外から、半終息宣言を出したんだけど・・・。
 俺が家出から戻ってきてからもうそろそろ二年半にもなるけれど、俺の周囲には何時も監視の目がついている。
 日本の政府機関では、自衛隊、警察、公安調査庁、内閣情報調査室当たりの人かな?
 外国の諜報機関もたくさん来ているんだよ。
 CIAやMI6、ロシアの諜報部門も来ているね。
 今日も、俺の車の前後に3台の車がついているし、どうも諜報機関同士が張り合っているみたいだよね。」

「外国のスパイ?
 なんで?」

「あぁ、政府がシルエットから容疑者を絞った際に、その名前が政治家に漏れたんだ。
 で、そのH県出身の政治家が俺の家までやってきて、お国のために役立ってくれと言ったんだよ。
 そんな政治家が知ることができるぐらいだから、当然に外国の諜報機関には漏れている筈だ。
 で、そんな諜報機関が俺の身柄確保に動き出しそうだったから、俺は姿を隠したんだ。
 場合によっては、俺の家族や梓ちゃんにも迷惑をかけることになりかねないからね。
 モンスター退治と言う懸案事項が片付いたから俺は家出から戻って来たんだけれど、奴さんらは諦めてくれないんだなぁ。
 まぁ、今のところは、明確な証拠もないから周囲を嗅ぎまわっているだけなんだけれどね。
 例えば、今前に割り込んできた車、あれはCIAのエージェントが乗っている車。
 高性能のドライブレコードダーで俺と梓ちゃんの会話を盗み見るために前に配置した。
 途中でコースを変えても別の車が配置されるだろうね。
 でも俺と梓ちゃんはマスクをしているから画像を残しても読唇術が使えないんだ。
 離れたところから会話を聞くような盗聴器もあるようだけれど、車内にかけているCDの音楽で邪魔されて彼らには聞こえない。」

「栄一郎さん、どうしてそんなスパイがいることを知っているの?」

「あぁ、僕の秘密の一つだね。
 僕は鑑定という能力を使えるから、視界の範囲内にある人物や物の鑑定ができるんだ。
 以前、梓ちゃんの家で開かずの蔵があったよね。
 あの中で見つけた小判の価値は、実は鑑定で既に分かっていたんだ。
 だから法外に安い値段を付けた骨董屋ではなく、別のヒトの目利きを勧めたんだよ。
 高校生にしか過ぎない僕の目利きじゃ信用してもらえないからね。」

「でも、鑑定の力じゃ、モンスターは倒せないんでしょう?」

「そうだね。
 他にも僕には変わった能力が有るんだ。
 この際だから梓ちゃんにだけは教えとく。
 ラノベで出て来るような特殊能力が色々あるんだ。
 生まれつきじゃなくって、俺の守護霊から与えられた能力で、ReactionとResistance、それに派生して重力の操作や空間の操作ができるようになったんだ。
 だから空も飛べるし、空間転移もできる。
 以前二人でS山に登った時に、クマと鉢合わせした時があったよね。
 あの時に熊がずっこけて、その後急に死んだじゃない。
 あれは、俺が熊の脚の片方の抵抗を奪ってずっこけさせたのと、熊の心臓に銅の塊を同化させたから熊が死んだんだ。
 ReactionとResistanceをうまく使うと超能力者のようなまねごとができるんだ。
 で、モンスター退治も、それでやった。
 俺が討伐した最初のモンスター三体は、いずれも心臓あたりに金属塊が残っているんだよ。
 家出してからの討伐では、金属を心臓に同化させるんじゃなくって、心臓とそのすぐ脇にあるコアを抜き取るような方法で討伐をやったからね。
 討伐したモンスターに金属塊は入っていないんだ。」

「じゃぁ、一体どのぐらいのモンスターを討伐したの?」

「さぁて、正確には数えてはいないんだけれど一万体以上の数字じゃないかと思うよ。
 最初は慣れても居なかったから討伐数も少なかったけれど、終わり近くでは、手際が良くなって一日に50体以上は討伐していたからね。」


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 新作を始めました。
 「戦国タイムトンネル」
 https://www.alphapolis.co.jp/novel/792488792/120012757

 チート能力を持って逆行転生をするお話です。
 宜しくどうぞ。

  By サクラ近衛将監

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