お嬢様たちは、過激に世界を回していく。

ラディ

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終・女神さまは、ただ誰かに愛されたいだけ。【全7話】

07おしまい。

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 人々の輪に受け入れてもらうのではなく、一人、ただ一人だけでも私を受け入れてくれる人がいれば良いのではないかと。

 過激に回る世界を見続けて、そう思うようになっていったのです。

 私は世界の外から一人、ずっと楽しそうな世界を覗いて待ち続け。  

 そしてようやく。
 私は見つけたのです。

 たった一人。
 永劫えいごうの時の中で、唯一ゆいいつの人。

 私をも受け入れてくれて、きっと愛してくれるであろう人間を見つけ出したのでした。

 文明や教養きょうようや知性など、全てを超越した愛嬌あいきょうと優しさ。

 存在するだけで周りを楽しくさせ、当たり前のように幸せを振りまく。

 どんな窮地きゅうちも、どんな困難こんなんも、自身には届かずに笑顔がえない。

 神というただの現象でしかない私ですら、見ているだけで心がおどる。

 そんな奇跡を、私は見つけてしまったのです。

 私が一人の人間に思いをせ始めたところで私の誰にも届かない独り言と、世界が過激に回っている話ははおおよそおしまいです。

 この後のことをいて語るとすれば、私は愛らしくて愛しいその人間の行動に目をうばわれ続けました。

 誰からも愛され、私の思いと想いの重さによって幸運を手にして、それに甘えずなまけずに健気けなげに前に進む可愛らしさにとりこになりました。

 会いたい。
 私を受け入れてもらいたい。

 共感したい、話を聞きたい、遊びたい、笑い合いたい、笑いかけたい、笑ってもらいたい。

 この思いと想いはきっと、私が見てきたあらゆるお嬢様たちからかんがみるに、恋や愛に近いのでしょう。

 繁殖はんしょくを必要としない完全に完結した存在であるこの私が、誰かを恋しく思い愛して求めるなんて、面白い。

 必ず会いに行きます。
 もう世界がどうなろうとも、私も過激に、あなたに愛されたいだけなのです。

 今まで私が行ってきたあれこれは全てここにつながるためのものだったのだと、曲がりなりにも神とあがめられているこの私が、そんな法則がないにも関わらずになんてものを感じでしまっています。

 ああ、手を伸ばして、あなたに触れてみたい。

 まあ実際に私が世界の壁を抜けて、この星の、あの国へと降り立つのはまた別のお話ですが。

 私はあなたを見つめながら、その時を待っています。

 あなたに会えることを楽しみに待ち続けましょう。

 世界の外から、頬杖ほおづえをついて、世界を……いえ、あなたを見つめる。

 愛らしくて愛おしい。

 私の可愛い可愛い。

「……――――」



 おしまい。
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