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52 指輪の主
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重力に逆らえず海へと真っ逆さまに落ちて行く。その視界に、ベリーとアールの姿を捉えた。
「ベリー! アール!」
「オーロラたすけて~~~~~~!!!!!」
「オーロラしゃん助けてくださいですぅ~~!!!!」
「捕まってっ……!」
落下による空気抵抗に耐えながら、何とか二人に手を伸ばす。そして、私の手を握った二人の手を握り返し、何とか力づくで引き寄せて抱え込んだ。
そのときだった。
突然、後ろから抱き抱えられる感覚とともに、身体が浮く感覚がした。それと同時に、急速的に近付いていた海が、一定の距離を保った。
――何が起きたの!?
この温かみあるモノは何かと、驚きながら私は自身のお腹に目を向けた。
人間の腕らしきモノがお腹に回されている。
慌てて、その腕の主を視線で辿る。すると、ワインレッド色の燃え盛る炎のような長髪を一括りにした、目を見張るほどに神々しい超絶美形な男と目が合った。
――ヴァルド様すら比にならないっ……。
こんなに美しい人がこの世に存在するだなんて。
「その二人を落とすんじゃないぞ? あ、もう一羽もな」
目が合った男性が、突然声をかけてきた。声までも深く色気がある。
……じゃなくて、私は慌てて男性の言葉に反応した。
「もう一羽も?」
「ああ」
男性は私の問いかけに頷くと、空いた片手で私の胸元を指差した。
すると、弱り切ったか細い声が耳に届いた。
「オーロラ、ごめんなさいっ……」
「ルニーさん!? どうしたんですか?」
弱り切った様子で、幼体になったルニーさんが私の胸ポケットの中に居た。いつの間にか、この世界に居た時の服に変わっている。
「ルニーさん、大丈夫?」
「天界を離れていたせいだと思うのだけれど、しばらくこのままよ。ごめんなさいね」
「どうか無理しないでください。落ちないように、ポケットに入っていてくださいね」
ルニーさんに頼み、万が一を考えポケットのもっと奥深くに入ってもらった。
私は私で謎の男性の一本の腕を命綱に、空を飛べないベリーとアールを必死に抱えながら飛び続けた。
それからしばらくすると、私たちは知らない建物の中で降ろされた。
男性を改めてみると、190㎝はあろうというほど背が高く、ご自慢の美麗筋肉を見せつけるかのように、布面積を少ない黒い服を着ていることが分かった。
――なんて恰好なの……。
まあ、それは一旦置いてお礼を言おう。
「あ、ありがとうございます……」
助けてくれた男性に向かって、私は頭を下げながらお礼を告げた。
すると、私の横でちょこんと佇んでいたベリーが、その拍子に声をかけてきた。
「この人が指輪の主なんじゃない?」
――あっ……!
そうだったと思い出したと同時に、私は焦った。
指輪を握って念じて以降、指輪をどうしたか覚えていないのだ。
男性に降ろされた時点で、私は指輪を握っていなかった。もしかしたら、転送された時点で、驚き過ぎて海に落としてしまったのだろうか?
――どうしようっ……。
そう焦っていると、ルニーさんがぴょこっとポケットの中から飛び出した。そのくちばしに、指輪を加えて。
「ルニーさん! ありがとうっ……」
「いいのよ。それより、この指輪がこの男のモノだったなんてっ……。オーロラの引き運は、良いんだか悪いんだか……」
ルニーさんがどこか陰険とした声を出す。どうやら、彼女はこの男性の正体を知っているみたいだ。
しかし、本人を目の前にしてこの人は誰ですか? なんて聞ける訳が無い。そのため、私は正体を先に知ることは諦め、男性に指輪を返すことにした。
「あの、この指輪――」
「今この鳥、オーロラって言ったか?」
男性はそう言うと、目を爛々と輝かせながら笑顔で詰め寄ってきた。
「はい。っあの、顔が……」
――近い!
そう叫びそうになるのを必死に堪える。
一方、彼はそんな事情は知ったことかとばかりに、べらべらと続けた。
「えっ!? 本当に!? やっば~、めっちゃラッキーじゃん! 俺、ずっとオーロラに会いたかったんだよ!」
男性は一方的に告げると、近くにあったロングソファーにドカッと音を立て乱暴に座った。そして、突然パチンと指を鳴らした
すると、いつの間にか私の身体は男性が座るソファーの上に移動していた。
つま先が男性の方を向き、両足がソファーの座面に乗った状態になるようドサッと落ちたため、痛いというわけではないが本能的に腰を撫でさする。
その拍子に、私に対面するように胡坐をかいて座った男性が、90度に曲げた私の膝を抱え込むように自身の腕を回して、膝上に顎を載せてきた。
「俺はロキオだ」
「ロキオ?」
「ああ、って俺の名前はどうでもいいんだよ! それより、あんたがヴァルドの愛し子か!?」
意味が分からないほど距離感が近い彼に、突然ヴァルド様の話を出されて混乱する。とりあえず、私の心に湧く思いは一つだった。
――何言ってるのこの人……頭、おかしいんじゃない?
呆然としすぎて、もはや声が出てこない。
すると、ロキオと名乗った男性は体勢は変えずに、続けてベリーとアールに声をかけた。
「戦車も見たぜ! アレめちゃくちゃ面白いじゃねーか! お前ら見た目に反して、めっちゃかっこいいじゃん!」
そこから止まらなくなったのか、ロキオは次々に話を展開していった。そして、もう耐えられない! そう思った瞬間、新たな男性の声が聞こえた。
「ロキオ様、いったい何をお喋りに……って、あなたはっ……!」
どこから現れたのか、全身モフモフのまるで空想上のフェンリルのような見目の純白に碧眼の狼がのっそりとやってきた。かと思えば、私を見るなり興奮した様子で近付いて来た。
「あなたは私の恩人ですね!」
「はい? いやいや、知りませんがっ……!」
話す鳥を知っているため、いまさら犬が喋っても驚かない。しかし、身に覚えのない話をされ戸惑っていると、目の前の犬が突如として子犬へと姿を変えた。
その瞬間、遠い記憶が私の中で呼び起こされた。
「あなた、もしかしてあのときの――」
「はい。溺れていたところを助けていただきました! あのときは怪我の手当てまでしていただきありがとうございます!」
「何の話だ、フェンリー」
さっぱり分からないと言った様子で、ロキオがフェンリー? という狼に呼びかける。
いや、フェンリーと言うことは、もしかしたら本当にフェンリルなのかもしれない。
そう思っているところ、新たな女性の声が聞こえた。
「ロキオ様、私がご説明をします」
「ヨル、知っているのか?」
彼が目を向けた先には、白と金の配色のヘビがいた。そのヘビは舌をチロチロと出しながら、見目に反する可憐な声で話し始めた。
「はい。実はフェンリーが人間界に取り残されたとき、この女性が溺れるこの子を助けてくれださったのです」
「なんで俺は知らねーの?」
ぶすくれたように、ロキオが頬を膨らませる。すると、ヨルという名前らしきヘビは困ったような声で告げた。
「ロキオ様はいつもお話をお聞きになりませんから」
意外とはっきりとモノを言うのだと、内心驚く。すると、ヨルは上手に地面を這って進み、慣れた様子でロキオの首に絡まった。
「ロキオ様、どうやらこの女性はロキオ様が無くされた指輪まで持ってきてくださったようですよ」
そう言うと、ヘビが目を合わせてきたため、私はハッと跳ねるようにロキオに指輪を差し出した。
「これをあなたに渡したかったんです」
渡したいというよりも、どう始末したら分からないだけだけど。
なんて気持ちは隠しながらロキオに渡すと、彼は指輪を凝視してパァーっと顔を輝かせた。
「これ、主神にもらったやつじゃねーか!」
「ということは、崇高性や人望を高める効能があるという、あの伝説のセイントリングですか? 初めて見ました!」
フェンリーはそう言ってロキオの手元を覗き込むと、興奮したようにしっぽをぶんぶんと振った。
――そんなにすごいものだったなんて……。
それをレイス陛下がどうして持っていたのかは謎だ。だが、思いがけず指輪の効能を知った私の心には、人知れず戦慄が走った。
あの傍若無人の暴君がこの指輪を持っていた。
そのことを知り、不可解だった出来事がすべて数珠つなぎのように解けるような気がしたのだ。
――もしかして、今までみんな……。
「オーロラさん」
思考を巡らせる私に、ヘビのヨルが声をかけてきた。かと思えば、彼女は主人の代わりにとばかりに、ある提案をしてきた。
「あなたはフェンリーを助けてくれただけでなく、主神にいただいた指輪も見つけてくれた。どうか、ロキオ様からお礼をさせてちょうだい」
そうは言うけれど、本人は良いのだろうか。自ずと彼に視線を向ける。
すると、彼は私の視線に気付くなり、わざとらしく妖艶に目を細めた。
「この悪戯の神であるロキオ様が、何でも一つオーロラのために願いを叶えてやるよ」
彼はそう言うと、さきほどまでの雰囲気を打ち消すように、機嫌よくニカッと笑って見せた。
「ベリー! アール!」
「オーロラたすけて~~~~~~!!!!!」
「オーロラしゃん助けてくださいですぅ~~!!!!」
「捕まってっ……!」
落下による空気抵抗に耐えながら、何とか二人に手を伸ばす。そして、私の手を握った二人の手を握り返し、何とか力づくで引き寄せて抱え込んだ。
そのときだった。
突然、後ろから抱き抱えられる感覚とともに、身体が浮く感覚がした。それと同時に、急速的に近付いていた海が、一定の距離を保った。
――何が起きたの!?
この温かみあるモノは何かと、驚きながら私は自身のお腹に目を向けた。
人間の腕らしきモノがお腹に回されている。
慌てて、その腕の主を視線で辿る。すると、ワインレッド色の燃え盛る炎のような長髪を一括りにした、目を見張るほどに神々しい超絶美形な男と目が合った。
――ヴァルド様すら比にならないっ……。
こんなに美しい人がこの世に存在するだなんて。
「その二人を落とすんじゃないぞ? あ、もう一羽もな」
目が合った男性が、突然声をかけてきた。声までも深く色気がある。
……じゃなくて、私は慌てて男性の言葉に反応した。
「もう一羽も?」
「ああ」
男性は私の問いかけに頷くと、空いた片手で私の胸元を指差した。
すると、弱り切ったか細い声が耳に届いた。
「オーロラ、ごめんなさいっ……」
「ルニーさん!? どうしたんですか?」
弱り切った様子で、幼体になったルニーさんが私の胸ポケットの中に居た。いつの間にか、この世界に居た時の服に変わっている。
「ルニーさん、大丈夫?」
「天界を離れていたせいだと思うのだけれど、しばらくこのままよ。ごめんなさいね」
「どうか無理しないでください。落ちないように、ポケットに入っていてくださいね」
ルニーさんに頼み、万が一を考えポケットのもっと奥深くに入ってもらった。
私は私で謎の男性の一本の腕を命綱に、空を飛べないベリーとアールを必死に抱えながら飛び続けた。
それからしばらくすると、私たちは知らない建物の中で降ろされた。
男性を改めてみると、190㎝はあろうというほど背が高く、ご自慢の美麗筋肉を見せつけるかのように、布面積を少ない黒い服を着ていることが分かった。
――なんて恰好なの……。
まあ、それは一旦置いてお礼を言おう。
「あ、ありがとうございます……」
助けてくれた男性に向かって、私は頭を下げながらお礼を告げた。
すると、私の横でちょこんと佇んでいたベリーが、その拍子に声をかけてきた。
「この人が指輪の主なんじゃない?」
――あっ……!
そうだったと思い出したと同時に、私は焦った。
指輪を握って念じて以降、指輪をどうしたか覚えていないのだ。
男性に降ろされた時点で、私は指輪を握っていなかった。もしかしたら、転送された時点で、驚き過ぎて海に落としてしまったのだろうか?
――どうしようっ……。
そう焦っていると、ルニーさんがぴょこっとポケットの中から飛び出した。そのくちばしに、指輪を加えて。
「ルニーさん! ありがとうっ……」
「いいのよ。それより、この指輪がこの男のモノだったなんてっ……。オーロラの引き運は、良いんだか悪いんだか……」
ルニーさんがどこか陰険とした声を出す。どうやら、彼女はこの男性の正体を知っているみたいだ。
しかし、本人を目の前にしてこの人は誰ですか? なんて聞ける訳が無い。そのため、私は正体を先に知ることは諦め、男性に指輪を返すことにした。
「あの、この指輪――」
「今この鳥、オーロラって言ったか?」
男性はそう言うと、目を爛々と輝かせながら笑顔で詰め寄ってきた。
「はい。っあの、顔が……」
――近い!
そう叫びそうになるのを必死に堪える。
一方、彼はそんな事情は知ったことかとばかりに、べらべらと続けた。
「えっ!? 本当に!? やっば~、めっちゃラッキーじゃん! 俺、ずっとオーロラに会いたかったんだよ!」
男性は一方的に告げると、近くにあったロングソファーにドカッと音を立て乱暴に座った。そして、突然パチンと指を鳴らした
すると、いつの間にか私の身体は男性が座るソファーの上に移動していた。
つま先が男性の方を向き、両足がソファーの座面に乗った状態になるようドサッと落ちたため、痛いというわけではないが本能的に腰を撫でさする。
その拍子に、私に対面するように胡坐をかいて座った男性が、90度に曲げた私の膝を抱え込むように自身の腕を回して、膝上に顎を載せてきた。
「俺はロキオだ」
「ロキオ?」
「ああ、って俺の名前はどうでもいいんだよ! それより、あんたがヴァルドの愛し子か!?」
意味が分からないほど距離感が近い彼に、突然ヴァルド様の話を出されて混乱する。とりあえず、私の心に湧く思いは一つだった。
――何言ってるのこの人……頭、おかしいんじゃない?
呆然としすぎて、もはや声が出てこない。
すると、ロキオと名乗った男性は体勢は変えずに、続けてベリーとアールに声をかけた。
「戦車も見たぜ! アレめちゃくちゃ面白いじゃねーか! お前ら見た目に反して、めっちゃかっこいいじゃん!」
そこから止まらなくなったのか、ロキオは次々に話を展開していった。そして、もう耐えられない! そう思った瞬間、新たな男性の声が聞こえた。
「ロキオ様、いったい何をお喋りに……って、あなたはっ……!」
どこから現れたのか、全身モフモフのまるで空想上のフェンリルのような見目の純白に碧眼の狼がのっそりとやってきた。かと思えば、私を見るなり興奮した様子で近付いて来た。
「あなたは私の恩人ですね!」
「はい? いやいや、知りませんがっ……!」
話す鳥を知っているため、いまさら犬が喋っても驚かない。しかし、身に覚えのない話をされ戸惑っていると、目の前の犬が突如として子犬へと姿を変えた。
その瞬間、遠い記憶が私の中で呼び起こされた。
「あなた、もしかしてあのときの――」
「はい。溺れていたところを助けていただきました! あのときは怪我の手当てまでしていただきありがとうございます!」
「何の話だ、フェンリー」
さっぱり分からないと言った様子で、ロキオがフェンリー? という狼に呼びかける。
いや、フェンリーと言うことは、もしかしたら本当にフェンリルなのかもしれない。
そう思っているところ、新たな女性の声が聞こえた。
「ロキオ様、私がご説明をします」
「ヨル、知っているのか?」
彼が目を向けた先には、白と金の配色のヘビがいた。そのヘビは舌をチロチロと出しながら、見目に反する可憐な声で話し始めた。
「はい。実はフェンリーが人間界に取り残されたとき、この女性が溺れるこの子を助けてくれださったのです」
「なんで俺は知らねーの?」
ぶすくれたように、ロキオが頬を膨らませる。すると、ヨルという名前らしきヘビは困ったような声で告げた。
「ロキオ様はいつもお話をお聞きになりませんから」
意外とはっきりとモノを言うのだと、内心驚く。すると、ヨルは上手に地面を這って進み、慣れた様子でロキオの首に絡まった。
「ロキオ様、どうやらこの女性はロキオ様が無くされた指輪まで持ってきてくださったようですよ」
そう言うと、ヘビが目を合わせてきたため、私はハッと跳ねるようにロキオに指輪を差し出した。
「これをあなたに渡したかったんです」
渡したいというよりも、どう始末したら分からないだけだけど。
なんて気持ちは隠しながらロキオに渡すと、彼は指輪を凝視してパァーっと顔を輝かせた。
「これ、主神にもらったやつじゃねーか!」
「ということは、崇高性や人望を高める効能があるという、あの伝説のセイントリングですか? 初めて見ました!」
フェンリーはそう言ってロキオの手元を覗き込むと、興奮したようにしっぽをぶんぶんと振った。
――そんなにすごいものだったなんて……。
それをレイス陛下がどうして持っていたのかは謎だ。だが、思いがけず指輪の効能を知った私の心には、人知れず戦慄が走った。
あの傍若無人の暴君がこの指輪を持っていた。
そのことを知り、不可解だった出来事がすべて数珠つなぎのように解けるような気がしたのだ。
――もしかして、今までみんな……。
「オーロラさん」
思考を巡らせる私に、ヘビのヨルが声をかけてきた。かと思えば、彼女は主人の代わりにとばかりに、ある提案をしてきた。
「あなたはフェンリーを助けてくれただけでなく、主神にいただいた指輪も見つけてくれた。どうか、ロキオ様からお礼をさせてちょうだい」
そうは言うけれど、本人は良いのだろうか。自ずと彼に視線を向ける。
すると、彼は私の視線に気付くなり、わざとらしく妖艶に目を細めた。
「この悪戯の神であるロキオ様が、何でも一つオーロラのために願いを叶えてやるよ」
彼はそう言うと、さきほどまでの雰囲気を打ち消すように、機嫌よくニカッと笑って見せた。
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