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突然智紀さんからの刺激に白く濁ったものが少しこぼれた。
「っ、ぁ」
一気にせり上がってくる絶頂感に思わず身体の動きを止めようとしたら「ほら、腰動かして」と撫でられる。
だからそのまま身体を揺すっていたのに下から激しく突きあげ始めた。
「い……っ、んっ」
騎乗位だから体重がかかって大きく上下させられるたびに深く突き刺さる衝撃が強くて目眩がする。
容赦なく追い上げてくる動きに智紀さんの腹部に手を置き身体を支えながらも無意識に必死で腰を振っていた。
目の前がチカチカしてくる。
この数カ月で覚えてしまった絶頂がすぐそこまで来てるのを感じた。
頭の中が空っぽになってきてただひたすら昇り詰めることだけに占領される。
「ッ……く……っは」
グラグラする。
圧倒的な快感の波に全身が粟立って、自分じゃ制御できない震えに襲われた。
「ン……ッ、ぁ」
自分で扱いていた半身から白濁が吐き出され智紀さんの身体に落ちていく。
前と後同時に達して痺れるような刺激と余韻に全身を小さく震わせ崩れるように智紀さんの上に倒れ込む。
「千裕だけイってズルイなぁ」
笑いを含んだ声が耳元で響き、そのまま舌が耳を這い、耳孔をなぞり動いた。
些細な刺激が余韻につつまれてる身体を疼かせる。
当然智紀さんのもはまだ硬くてそれを確かめるように少しだけ腰を動かした。
「まだ足りない?」
顔をあげれば愉しそうな智紀さんが俺を見つめている。
「……智紀さんが」
まだイってないし、と掠れた声で返せば、
「俺じゃなくってちーくんはもうイッて満足?」
とまた問われる。
「……」
確かにいまイったばかりで心地よい倦怠感に包まれてる。
でも俺の中にはまだ智紀さんのものが挿っていて、その熱が俺を侵食するように疼きを抑えさせてはくれない。
なんて返事すればいいのか。
意地悪なこの人が満足しそうな答え、って。
考えようとして、やめた。
いまの余韻を霧散させたくなくて、俺は返事の変わりに―――キスをした。
ぴちゃぴちゃと唾液がまざる音がする。
舐めて絡めて吸い上げて。
今夜最初にキスしたときよりももっと余裕なく、ただ熱をのがさないように舌を動かした。
智紀さんの咥内から俺の咥内へ。
交りあいながら舌が移動して、そして体勢も変わる。
抱きつき抱きしめられた状態で俺はまた下に戻った。
「ちーくん、ほんとエロくなったよね」
誰のせいだよ。
思っても、言う気力はなくて微かに眉を寄せて智紀さんを見つめる。
「ここもまた勃ってるし。俺の締めつけたままだし。かわいいなぁ、本当に」
ゴムつけてなかったら孕むくらい中出ししてあげるのに―――。
爽やかな笑顔で笑える冗談なのかなんなのかわからないことを囁いてくる。
「そんなに、好きになった?」
半身を起こしゆっくりと腰を動かし始めながら智紀さんが俺の半身に手をかける。
濡れまくった半身を扱かれてまだ大きな熱がとどまったままの身体は否応なしに震えてしまう。
熱い吐息をこぼしながら、やっぱり俺は眉を寄せる。
主語のない言葉。
俺の本心を見透かすように俺を捉える眼差し。
なにがだよ、と内心ため息つきながら、
「……好きですよ」
そんなに間をおかずに言えば、ふっと笑って智紀さんは律動のペースを上げてきた。
腰を打ちつける激しい音が響きだす。
「じゃあもう一回、今度は一緒にイこうか。ね、千裕」
さらりと乱れた智紀さんの髪が揺れ、そそがれる視線、その眼差しが怪しく光った。
「……っ……ぁ」
さっきイったばかりだっていうのに、智紀さんがイクためのペースに俺もまた巻き込まれる。
なにも考えられなくなって、揺さぶられるままに喘いで。
2度目の絶頂の波は一度目よりも大きくて俺は智紀さんにしがみつき、達せられた。
同時に智紀さんもイって、俺の中で脈動するそれを感じながら、それが抜けていってしまうのを寂しく思ってしまった。
――――
―――
――
そのあとシャワーを浴び、ベッドの上でまた智紀さんに捕まった。
明日も仕事忙しいだろうにまたシたくなった、とか言って結局―――。
でも本当に平日の二回って結構きついと思う。
智紀さんはしつこいし。
俺はというと何度もイかされて智紀さんの腕の中ってことも構わずに抗いがたい睡魔に襲われ半分目を閉じかけていた。
「本当今日はいい日だったなー」
智紀さんの手が俺の髪を撫でて梳いてってしている。
それがくすぐったいような心地いいような感覚でますます俺の瞼は落ちそうになった。
「……今日……ホワイトデー」
ですから、という最後のほうは言葉にならなかった。
人肌に包まれているせいもあるのか、いや単純にしつこくイかされて疲労しきっているから―――もう無理だ。
眠い、と無意識に智紀さんの肩に額を押し付けるようにしながら目を閉じた。
すう、と意識が遠のく。
「―――千裕」
智紀さんの声に僅かに引き戻されて、なんですか、と多分返した。
だけどもうほとんど俺は眠りの中に両脚を突っ込んでいて。
『ねぇ、俺と』
付き合おうよ。
続く言葉は上滑りして聴こえたけど認識するまでには至らなかった。
わからないままに、
「……いいですよ」
と言って、俺は完全に眠りについた。
***
「ちゃんとわかって返事したのかなぁ、ちーくん?」
くすくすと笑ってそう呟き、智紀さんが俺の耳にキスしたことなんて俺は知る由もなかった。
【Candy:END】
「っ、ぁ」
一気にせり上がってくる絶頂感に思わず身体の動きを止めようとしたら「ほら、腰動かして」と撫でられる。
だからそのまま身体を揺すっていたのに下から激しく突きあげ始めた。
「い……っ、んっ」
騎乗位だから体重がかかって大きく上下させられるたびに深く突き刺さる衝撃が強くて目眩がする。
容赦なく追い上げてくる動きに智紀さんの腹部に手を置き身体を支えながらも無意識に必死で腰を振っていた。
目の前がチカチカしてくる。
この数カ月で覚えてしまった絶頂がすぐそこまで来てるのを感じた。
頭の中が空っぽになってきてただひたすら昇り詰めることだけに占領される。
「ッ……く……っは」
グラグラする。
圧倒的な快感の波に全身が粟立って、自分じゃ制御できない震えに襲われた。
「ン……ッ、ぁ」
自分で扱いていた半身から白濁が吐き出され智紀さんの身体に落ちていく。
前と後同時に達して痺れるような刺激と余韻に全身を小さく震わせ崩れるように智紀さんの上に倒れ込む。
「千裕だけイってズルイなぁ」
笑いを含んだ声が耳元で響き、そのまま舌が耳を這い、耳孔をなぞり動いた。
些細な刺激が余韻につつまれてる身体を疼かせる。
当然智紀さんのもはまだ硬くてそれを確かめるように少しだけ腰を動かした。
「まだ足りない?」
顔をあげれば愉しそうな智紀さんが俺を見つめている。
「……智紀さんが」
まだイってないし、と掠れた声で返せば、
「俺じゃなくってちーくんはもうイッて満足?」
とまた問われる。
「……」
確かにいまイったばかりで心地よい倦怠感に包まれてる。
でも俺の中にはまだ智紀さんのものが挿っていて、その熱が俺を侵食するように疼きを抑えさせてはくれない。
なんて返事すればいいのか。
意地悪なこの人が満足しそうな答え、って。
考えようとして、やめた。
いまの余韻を霧散させたくなくて、俺は返事の変わりに―――キスをした。
ぴちゃぴちゃと唾液がまざる音がする。
舐めて絡めて吸い上げて。
今夜最初にキスしたときよりももっと余裕なく、ただ熱をのがさないように舌を動かした。
智紀さんの咥内から俺の咥内へ。
交りあいながら舌が移動して、そして体勢も変わる。
抱きつき抱きしめられた状態で俺はまた下に戻った。
「ちーくん、ほんとエロくなったよね」
誰のせいだよ。
思っても、言う気力はなくて微かに眉を寄せて智紀さんを見つめる。
「ここもまた勃ってるし。俺の締めつけたままだし。かわいいなぁ、本当に」
ゴムつけてなかったら孕むくらい中出ししてあげるのに―――。
爽やかな笑顔で笑える冗談なのかなんなのかわからないことを囁いてくる。
「そんなに、好きになった?」
半身を起こしゆっくりと腰を動かし始めながら智紀さんが俺の半身に手をかける。
濡れまくった半身を扱かれてまだ大きな熱がとどまったままの身体は否応なしに震えてしまう。
熱い吐息をこぼしながら、やっぱり俺は眉を寄せる。
主語のない言葉。
俺の本心を見透かすように俺を捉える眼差し。
なにがだよ、と内心ため息つきながら、
「……好きですよ」
そんなに間をおかずに言えば、ふっと笑って智紀さんは律動のペースを上げてきた。
腰を打ちつける激しい音が響きだす。
「じゃあもう一回、今度は一緒にイこうか。ね、千裕」
さらりと乱れた智紀さんの髪が揺れ、そそがれる視線、その眼差しが怪しく光った。
「……っ……ぁ」
さっきイったばかりだっていうのに、智紀さんがイクためのペースに俺もまた巻き込まれる。
なにも考えられなくなって、揺さぶられるままに喘いで。
2度目の絶頂の波は一度目よりも大きくて俺は智紀さんにしがみつき、達せられた。
同時に智紀さんもイって、俺の中で脈動するそれを感じながら、それが抜けていってしまうのを寂しく思ってしまった。
――――
―――
――
そのあとシャワーを浴び、ベッドの上でまた智紀さんに捕まった。
明日も仕事忙しいだろうにまたシたくなった、とか言って結局―――。
でも本当に平日の二回って結構きついと思う。
智紀さんはしつこいし。
俺はというと何度もイかされて智紀さんの腕の中ってことも構わずに抗いがたい睡魔に襲われ半分目を閉じかけていた。
「本当今日はいい日だったなー」
智紀さんの手が俺の髪を撫でて梳いてってしている。
それがくすぐったいような心地いいような感覚でますます俺の瞼は落ちそうになった。
「……今日……ホワイトデー」
ですから、という最後のほうは言葉にならなかった。
人肌に包まれているせいもあるのか、いや単純にしつこくイかされて疲労しきっているから―――もう無理だ。
眠い、と無意識に智紀さんの肩に額を押し付けるようにしながら目を閉じた。
すう、と意識が遠のく。
「―――千裕」
智紀さんの声に僅かに引き戻されて、なんですか、と多分返した。
だけどもうほとんど俺は眠りの中に両脚を突っ込んでいて。
『ねぇ、俺と』
付き合おうよ。
続く言葉は上滑りして聴こえたけど認識するまでには至らなかった。
わからないままに、
「……いいですよ」
と言って、俺は完全に眠りについた。
***
「ちゃんとわかって返事したのかなぁ、ちーくん?」
くすくすと笑ってそう呟き、智紀さんが俺の耳にキスしたことなんて俺は知る由もなかった。
【Candy:END】
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