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本編
26.想いを告げられる
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ラグナと歩いて二日かかった道を数時間で戻り、夜明け前に山のふもとにたどりついた。
オオカミさんはさすがに疲れはてて、ぼくたちを背から転がり落として地面に横たわってしまった。
舌を出して全身で息をしている。
「ごめんね、ありがとうオオカミさん」
たてがみをなでて、力を込めようとしたら、オオカミさんが大きく頭を振った。
「いい、アメトリン、おまえの力が必要になるかもしれない。とっておけ」
「でも」
「少し疲れただけだ。おまえだけならまだしも、後ろに重荷がいたからな。少し休んで、すぐ行く」
「わかった。ナマズさんのところに行ってる」
オオカミさんはしっぽをふって返事してくれた。
もう振り返らずに山道へ入る。
「さっき、何をしようとしてフェンリルに止められたんだ?」
ラグナがふしぎそうに聞いてくるのにも振り返らずに答える。
「ぼくがぎゅってすると、元気になるんだ。たぶん、魔力をわけてあげられるんだと思う」
「魔力を……そうか」
けもの道をかき分けながら進み、泉にたどり着いた。
ナマズさんにカラスさん、ほかにも顔見知りのみんながいる。
「アメトリン! よく戻ってくれた」
「なにがあったの?」
「おまえの不在を狙って、ふもとの人間たちがやってきたのだ……」
ナマズさんが苦々しく言うには、人間たちはたくさんでやってきた。
わざと音を立てて、逃げるいきものたちと反対に、人間を追い払おうとやってきた魔物をねらって捕まえたのだという。
カラスさんの仲間の鳥さんが捕まってしまい、手出しできなくなったみんなの様子を見て、ぼくがいないとわかってしまったらしい。
木々に火をつけようとしたところで、捕まっていた鳥さんが抵抗して逃げ出すことができた。
そこをカラスさんたちが追い払い、人間たちは逃げていったという。
生木に火をつけるのはむずかしいと知らない人間でよかった。
「わかった。とにかくまずは、ぼくが戻ってきたことを知らせよう」
目を閉じて、大地を感じる。
足の裏で触れている地面にはいくつもの流れがあって、水や魔力が流れている。
そのうちのいくつかに魔力を流して、目指す場所で魔力が地表へ出るようにした。
「山の入口は結晶でふさいだよ。入ってこないようにはできないけど、たくさんで来ることはできないと思う」
「……今、なにをしたんだ? アメトリン」
見ると、ラグナはむずかしい顔をしていた。
ナマズさんやカラスさんも、ぽかんとしている。
言われてみれば、ぼくはいったいなにをしたんだろう。
「えーと、山の魔力の流れ、みたいなものにぼくの魔力のかたまりを流して運んで、山道のところに魔力が来たら、ぱっと地面から出るようにした……みたいな……?」
うまく言えなくてまごまごしてしまったが、ナマズさんはわかってくれた。
「ついに魔力流をつかんだのだな、アメトリン。空にも大地にも流れがある。空は風、大地は水。しかしどちらにも共通して流れるものがある……それが魔力流だ。魔力流を掌握すれば、遠くまで魔力を届かせることができるし、魔力流を感知できる限りどこでも魔法を発動できるのだ」
「へぇ、べんりだねぇ」
「アメトリン、おまえは以前から無意識に山の魔力流を感じていたはずなのだ。この山が周囲に比べ格段に富むのは、魔力流におまえの魔力を流しているからなのだから」
「えっ、そうなの?」
前からできるはずだったことが、きちんとできるようになったということか。
できることが増えるのはうれしい。
ラグナはむずかしい顔のままだったけれど、みんなは喜んでくれた。
しばらくは人間たちがやってくることはないだろう。
朝になったら人間たちが悪さをしていないか山を見て回ることにして、ぼくらは寝床に帰ることになった。
数日ぶりに戻った寝床には落ち葉が吹き溜まっていて、おまけにもふもふの葉が枯れていた。
あわててみずみずしい毛の生えた葉を何枚か取ってきて床にしく。
それでも、横になると硬くて寝心地が悪かった。
「ラグナ、ごめんね。硬くて寝にくいよね」
「いや、俺は野宿も慣れているから平気だが……あぁ、ベッドが恋しいのか、アメトリン」
「えっ、えと、ぼく……うん……」
ラグナの心配をしたようでいて、あのやわらかくてふかふかのベッドがほしいのは、ぼくのほうだった。
洞窟の入口から夜空を見上げる。
ここはとても自由で、楽しく暮らせるけれど、不便なことも多い。
とくに人間にはいろいろなものが足りなくて、暮らしにくい。
あのおうちはよかった。ラグナのおうちだ。
雨も風もしのげて、ふかふかのベッドがあって。
ベッドはひとつしかなかったけど、ラグナとオオカミさんとくっついて眠れば、あったかくて気持ちよかった。
ぼくは、人間じゃない。
人間じゃないはずだけど、人間の暮らしを知って、うらやましく思ってしまった。
ぼくは、どうなりたいんだろう……。
「おやすみ、アメトリン」
ラグナが毛をなでてくれる心地よさを感じながら、いつの間にか眠ってしまっていた。
次の日、朝日とともに起き出して、山を見て回った。
さいわい、ふもとの村の人間たちが仕掛けをしているということはなかった。
けれど、ぼくがいない間に何度も山に入っては、みんなに気づかれないように山を調べていたらしいとわかった。
「専門家を呼んで、この山に資源があるかどうか調べていたようだ」
細くて深い穴を掘られた現場には、人間の出入りを怖がって住処をうつさなければならなくなったシカさん親子が立ち会ってくれた。
言葉は通じないけれど、怖がっていることや、ぼくに望んでいることがあるのを感じ取れる。
「ありがとう。もう戻って」
かわいらしい子ジカさんに笑ってみせて、親ジカさんにうなずいてみせると、彼らは軽い足取りで斜面をのぼり去っていった。
「この山を調べて、それから火をつけようとしたってことは……」
「資源が乏しい、もしくは掘れないようなもので、資源を得るより魔物の排除を優先するという結論が出たのだろう。厄介だな……」
ふもとの村が呼び寄せた専門家は、地面のことを調べただけだったけれど、ぼくたちを追い払う専門家を呼ばれてしまったら。
ラグナがこの山の依頼を受けているから、ギルドからラグナ以外の────ラグナのすることをじゃまする立場の人間が送られてくることはないという。
でも、力自慢の人間を呼び寄せる方法はギルドだけじゃないという。
「ギルドを経由せず人を雇うなら、そいつはゴロツキや犯罪者だ。山に火を付けるなんて造作もないし、俺のことも排除しようとするだろう」
「……ぼく、ラグナにメイワクをかけてる」
「それは違う、アメトリン」
ラグナが腰を折って、しっかりと目が合った。
「俺は昔から魔物が好きで、小さい頃はワイバーンになりたかったんだ。おかしいだろ?」
「ラグナがワイバーンに? でもあの子たちって、生まれつき翼がないとなれないんじゃない?」
「いや、まぁ、ワイバーンに生まれつかないとワイバーンになるのは難しかっただろうな。つまりそれくらい魔物が好きだったんだ。だがそういう人間は少数で……」
ぼくの髪をさらさらとなでるラグナは、きっと人間の中で、いやな思いを何度もしたんだろう。
「これまではただ魔物が好きなだけだった。好きでも、人間に害のある魔物は倒さなきゃならない。それ以外に道はないと思っていた……アメトリンに出会うまでは」
「ぼく?」
「アメトリンがクリスタルゴーレムの核になった出来事は、決して歓迎されるべきものじゃない。だが俺はそれを喜んでしまうんだ。おまえという奇跡のような存在に出会えたことを、喜んでしまう」
「ぼくもうれしいよ? 小鳥さんの言ってた過去がほんとだったとして、ゴーレムがぼくを助けなかったら、ぼくはそのとき死んでいたと思う。こうして生きて、みんなと、ラグナと出会えて、毎日楽しいんだ」
「……そうか……」
ほっぺたにラグナの大きな手がくっつくのは、気持ちよくて好きだ。
目の近くを指でぬぐうようになでられると、くすぐったくてたまらない。
ふふっと笑うと、ラグナもこぼれるように笑ってくれた。
「好きだ」
風が強い朝だった。
けれど、小さな声で告げられた言葉は、ぼくの耳にしっかりと届いた。
ぼくもだよ、と口を開く前に、指先でふさがれる。
「アメトリンも俺を好いてくれているのはわかってる。だが俺の気持ちはもっと強くて、醜い。山の魔物たちに慕われているアメトリンは輝いていて、美しいと思う。だがそれ以上に、俺だけのものにしたくてたまらない……」
そっと肩を引き寄せられて、ぎゅっと抱きしめられたけれど、すぐにはなれた。
ラグナの口元は笑っている形なのに、苦しそうだ。
「鉱山村と山のものたちが共存できる道を探る、それは変わらない。俺の名誉にかけて、途中で放り出したりしない。だが、気持ちを伝えずにはいられなかった。これは俺のエゴだ……忘れてくれ」
水龍に会いに行こう、と言いおいて背を向けるラグナがあんまり痛そうで、ぼくはなんにも言えなかった。
その場しのぎの言葉を口にするべきじゃないと思った。
じゃあ、ぼくはどうしたいんだろう。
答えはすぐには出そうになかった。
オオカミさんはさすがに疲れはてて、ぼくたちを背から転がり落として地面に横たわってしまった。
舌を出して全身で息をしている。
「ごめんね、ありがとうオオカミさん」
たてがみをなでて、力を込めようとしたら、オオカミさんが大きく頭を振った。
「いい、アメトリン、おまえの力が必要になるかもしれない。とっておけ」
「でも」
「少し疲れただけだ。おまえだけならまだしも、後ろに重荷がいたからな。少し休んで、すぐ行く」
「わかった。ナマズさんのところに行ってる」
オオカミさんはしっぽをふって返事してくれた。
もう振り返らずに山道へ入る。
「さっき、何をしようとしてフェンリルに止められたんだ?」
ラグナがふしぎそうに聞いてくるのにも振り返らずに答える。
「ぼくがぎゅってすると、元気になるんだ。たぶん、魔力をわけてあげられるんだと思う」
「魔力を……そうか」
けもの道をかき分けながら進み、泉にたどり着いた。
ナマズさんにカラスさん、ほかにも顔見知りのみんながいる。
「アメトリン! よく戻ってくれた」
「なにがあったの?」
「おまえの不在を狙って、ふもとの人間たちがやってきたのだ……」
ナマズさんが苦々しく言うには、人間たちはたくさんでやってきた。
わざと音を立てて、逃げるいきものたちと反対に、人間を追い払おうとやってきた魔物をねらって捕まえたのだという。
カラスさんの仲間の鳥さんが捕まってしまい、手出しできなくなったみんなの様子を見て、ぼくがいないとわかってしまったらしい。
木々に火をつけようとしたところで、捕まっていた鳥さんが抵抗して逃げ出すことができた。
そこをカラスさんたちが追い払い、人間たちは逃げていったという。
生木に火をつけるのはむずかしいと知らない人間でよかった。
「わかった。とにかくまずは、ぼくが戻ってきたことを知らせよう」
目を閉じて、大地を感じる。
足の裏で触れている地面にはいくつもの流れがあって、水や魔力が流れている。
そのうちのいくつかに魔力を流して、目指す場所で魔力が地表へ出るようにした。
「山の入口は結晶でふさいだよ。入ってこないようにはできないけど、たくさんで来ることはできないと思う」
「……今、なにをしたんだ? アメトリン」
見ると、ラグナはむずかしい顔をしていた。
ナマズさんやカラスさんも、ぽかんとしている。
言われてみれば、ぼくはいったいなにをしたんだろう。
「えーと、山の魔力の流れ、みたいなものにぼくの魔力のかたまりを流して運んで、山道のところに魔力が来たら、ぱっと地面から出るようにした……みたいな……?」
うまく言えなくてまごまごしてしまったが、ナマズさんはわかってくれた。
「ついに魔力流をつかんだのだな、アメトリン。空にも大地にも流れがある。空は風、大地は水。しかしどちらにも共通して流れるものがある……それが魔力流だ。魔力流を掌握すれば、遠くまで魔力を届かせることができるし、魔力流を感知できる限りどこでも魔法を発動できるのだ」
「へぇ、べんりだねぇ」
「アメトリン、おまえは以前から無意識に山の魔力流を感じていたはずなのだ。この山が周囲に比べ格段に富むのは、魔力流におまえの魔力を流しているからなのだから」
「えっ、そうなの?」
前からできるはずだったことが、きちんとできるようになったということか。
できることが増えるのはうれしい。
ラグナはむずかしい顔のままだったけれど、みんなは喜んでくれた。
しばらくは人間たちがやってくることはないだろう。
朝になったら人間たちが悪さをしていないか山を見て回ることにして、ぼくらは寝床に帰ることになった。
数日ぶりに戻った寝床には落ち葉が吹き溜まっていて、おまけにもふもふの葉が枯れていた。
あわててみずみずしい毛の生えた葉を何枚か取ってきて床にしく。
それでも、横になると硬くて寝心地が悪かった。
「ラグナ、ごめんね。硬くて寝にくいよね」
「いや、俺は野宿も慣れているから平気だが……あぁ、ベッドが恋しいのか、アメトリン」
「えっ、えと、ぼく……うん……」
ラグナの心配をしたようでいて、あのやわらかくてふかふかのベッドがほしいのは、ぼくのほうだった。
洞窟の入口から夜空を見上げる。
ここはとても自由で、楽しく暮らせるけれど、不便なことも多い。
とくに人間にはいろいろなものが足りなくて、暮らしにくい。
あのおうちはよかった。ラグナのおうちだ。
雨も風もしのげて、ふかふかのベッドがあって。
ベッドはひとつしかなかったけど、ラグナとオオカミさんとくっついて眠れば、あったかくて気持ちよかった。
ぼくは、人間じゃない。
人間じゃないはずだけど、人間の暮らしを知って、うらやましく思ってしまった。
ぼくは、どうなりたいんだろう……。
「おやすみ、アメトリン」
ラグナが毛をなでてくれる心地よさを感じながら、いつの間にか眠ってしまっていた。
次の日、朝日とともに起き出して、山を見て回った。
さいわい、ふもとの村の人間たちが仕掛けをしているということはなかった。
けれど、ぼくがいない間に何度も山に入っては、みんなに気づかれないように山を調べていたらしいとわかった。
「専門家を呼んで、この山に資源があるかどうか調べていたようだ」
細くて深い穴を掘られた現場には、人間の出入りを怖がって住処をうつさなければならなくなったシカさん親子が立ち会ってくれた。
言葉は通じないけれど、怖がっていることや、ぼくに望んでいることがあるのを感じ取れる。
「ありがとう。もう戻って」
かわいらしい子ジカさんに笑ってみせて、親ジカさんにうなずいてみせると、彼らは軽い足取りで斜面をのぼり去っていった。
「この山を調べて、それから火をつけようとしたってことは……」
「資源が乏しい、もしくは掘れないようなもので、資源を得るより魔物の排除を優先するという結論が出たのだろう。厄介だな……」
ふもとの村が呼び寄せた専門家は、地面のことを調べただけだったけれど、ぼくたちを追い払う専門家を呼ばれてしまったら。
ラグナがこの山の依頼を受けているから、ギルドからラグナ以外の────ラグナのすることをじゃまする立場の人間が送られてくることはないという。
でも、力自慢の人間を呼び寄せる方法はギルドだけじゃないという。
「ギルドを経由せず人を雇うなら、そいつはゴロツキや犯罪者だ。山に火を付けるなんて造作もないし、俺のことも排除しようとするだろう」
「……ぼく、ラグナにメイワクをかけてる」
「それは違う、アメトリン」
ラグナが腰を折って、しっかりと目が合った。
「俺は昔から魔物が好きで、小さい頃はワイバーンになりたかったんだ。おかしいだろ?」
「ラグナがワイバーンに? でもあの子たちって、生まれつき翼がないとなれないんじゃない?」
「いや、まぁ、ワイバーンに生まれつかないとワイバーンになるのは難しかっただろうな。つまりそれくらい魔物が好きだったんだ。だがそういう人間は少数で……」
ぼくの髪をさらさらとなでるラグナは、きっと人間の中で、いやな思いを何度もしたんだろう。
「これまではただ魔物が好きなだけだった。好きでも、人間に害のある魔物は倒さなきゃならない。それ以外に道はないと思っていた……アメトリンに出会うまでは」
「ぼく?」
「アメトリンがクリスタルゴーレムの核になった出来事は、決して歓迎されるべきものじゃない。だが俺はそれを喜んでしまうんだ。おまえという奇跡のような存在に出会えたことを、喜んでしまう」
「ぼくもうれしいよ? 小鳥さんの言ってた過去がほんとだったとして、ゴーレムがぼくを助けなかったら、ぼくはそのとき死んでいたと思う。こうして生きて、みんなと、ラグナと出会えて、毎日楽しいんだ」
「……そうか……」
ほっぺたにラグナの大きな手がくっつくのは、気持ちよくて好きだ。
目の近くを指でぬぐうようになでられると、くすぐったくてたまらない。
ふふっと笑うと、ラグナもこぼれるように笑ってくれた。
「好きだ」
風が強い朝だった。
けれど、小さな声で告げられた言葉は、ぼくの耳にしっかりと届いた。
ぼくもだよ、と口を開く前に、指先でふさがれる。
「アメトリンも俺を好いてくれているのはわかってる。だが俺の気持ちはもっと強くて、醜い。山の魔物たちに慕われているアメトリンは輝いていて、美しいと思う。だがそれ以上に、俺だけのものにしたくてたまらない……」
そっと肩を引き寄せられて、ぎゅっと抱きしめられたけれど、すぐにはなれた。
ラグナの口元は笑っている形なのに、苦しそうだ。
「鉱山村と山のものたちが共存できる道を探る、それは変わらない。俺の名誉にかけて、途中で放り出したりしない。だが、気持ちを伝えずにはいられなかった。これは俺のエゴだ……忘れてくれ」
水龍に会いに行こう、と言いおいて背を向けるラグナがあんまり痛そうで、ぼくはなんにも言えなかった。
その場しのぎの言葉を口にするべきじゃないと思った。
じゃあ、ぼくはどうしたいんだろう。
答えはすぐには出そうになかった。
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