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01.女神の夢
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冒険者家業を続けて長いが、こんな日が来るとは想像したこともなかった。
「めがみ、さま……?」
「そう。わたくしはあなた方の世界を統べる神です」
「……っ!」
俺は慌てて片膝をつき頭を下げた。
いや、これは年長者に礼をするときの姿勢だ。貴族方への作法は……待てよ、たしか王族相手だと最敬礼があったはず……いや女神様なら王族への礼でもまだ足りないんじゃ……。
大混乱する脳内で色々考える俺をよそに、女神様の気配がふわりと綻んだ、気がした。
「かしこまらなくて良いのですよ、冒険者コーマ。楽にしてください」
「は、はいっ。ありがとうございます」
許しを得て、ゆっくりと顔を上げる。
そこにはこの世のものとは思えない美貌の────実際この世のものではないのだろう────女神様と、彼女が放つ神々しいオーラ、それ以外に何もない空間が広がっている。
そう、ここは俺の夢の中、のはずだ。
この世界は女神が創って統治している。それは知ってる。
王様や一部の神官だけが、一生の内に一度か二度、女神様と夢の中で会うことができるらしい。それも知ってる。
でもそんな貴重な体験が、王族でもなけりゃ神殿の教えの一文も思い出せない一介の冒険者に降りかかることがあるなんて、俺は知らない。
「冒険者コーマ。この度は、お願いがあってきたのです」
「え……お、俺にですか?」
「はい。話を聞いてくれますか?」
「も、もちろんです!」
女神様はにっこりと微笑んだ。
金を撚り束ねたようなゴージャスな金髪がふわふわと揺れる。
「この度わたくしは、あなた方の世界に新しい機能を実装……もとい、新たなる『恩寵』を与えたいと思っています。しかし新機能にバグはつきもの。冒険者コーマ、あなたは新機能を実際に試し、使用感を確かめてほしいのです」
「…………も、申し訳ありません女神様、俺、学がなくて、その、言ってることの意味が……」
「まぁ、わたくしとしたことが。許してくださいコーマ、あなたには分かりにくい言葉でしたね」
女神様に名を呼ばれるだけで体の奥底が歓喜するように感じるのは、きっと俺がこの美しい方の支配を受ける存在だからなんだろう。
ぽーっとして判断力の落ちた頭でもう一度女神様の説明を聞いた。
つまり俺は女神様に選ばれ、新たなる「女神の恩寵」とやらを世界で一番最初に与えられることになった人間である、と。
なんかもうその時点で気を失いそうなほど名誉なことだが、彼女の話は続いた。
「新たなる恩寵は、まだ調整が必要なのですが、どこをどの程度変えれば良いか行き詰まってしまったのです」
「女神様にもそんな苦労があるんですね……」
「もちろんです。エンジニアたるもの新機能実装に悩みはつきものですから」
「えんじ、に?」
「こほん。それでですね、まずは現地の人間にとりあえず恩寵を与えてみて、それから問題点を洗い出そうということに決まったのです。それには冒険者コーマ、あなたが最適でした」
「も、もったいないお言葉です。えぇと、でもどうして俺に? 王様や神官様ではいけないんですか?」
「えぇ。この恩寵は基本的に王族や神官には実装しない予定です。彼らがこの恩寵を得れば、彼らの人生は大きく違ってしまうでしょう。それは避けねばならない」
「そ、そんなすごい恩寵を、俺に……」
王族や神官の人生を狂わせてしまうほどの恩寵とは一体なんなのか。
恐ろしさに震え始めた俺の肩に、そっと触れるものがあった。
「コーマ、どうか恐れないで。この恩寵はあなたのような、正直で無垢な愛すべき民たちのために創り出したものなのです」
「女神様……!」
女神様の嫋やかな手が俺の肩に触れている。あぁ俺もう一生右肩洗えない。
「この恩寵はきっとあなたの人生をより豊かに導いてくれることでしょう。しかし先程も言った通り、恩寵は未完成です。しばらくは苦労をかけるかもしれません」
「いいえっ! 女神様の恩寵をいただいてする苦労なんてなんでもありません!」
「そう言ってくれますか、ありがとう冒険者コーマ。安心してください、わたくしはいつもあなた方を見守っています……」
女神様の姿や声が急速に遠ざかっていく。
夢から覚める直前、女神様の声で「『でばっぐ』よろしくお願いします……」と聞こえたが、学がない俺にはなんのことか分からなかった。
「はっ……!」
飛び起きた勢いでベッドから出る。
裸足で立った床は冷たい。大きな梁のある天井、くすんだ土壁、建付けの悪い窓。見慣れたいつもの安宿だ。
「女神様……」
俺は窓を大きく開け放ち、朝日に向かって祈りを捧げた。
もしかしたら正真正銘ただの夢だったかもしれない。
一介の、しがない、それほど優秀なわけでもない冒険者の俺が女神様の夢を見ることなんて普通はできない。
妙に現実味の強い内容だったが、すべて俺の脳が作り出した夢だったと言われても納得だ。
でも俺たちにとって女神様ってのは魂に刻まれた大切な存在で、たとえ想像の類でも目にできれば嬉しいものなんだ。
「はぁ、いい朝だな…………ん?」
組んでいた両手を解き、俺は違和感を覚えた。
指になにか絡まっている。右手の小指。手をかざすと、そこには赤い糸のようなものが結び付けられていた。
「んん?」
小さな結び目で俺の指にくくりつけられた赤い糸。
指で摘んでも引っ張っても、解けないし外れない。
小指の赤い糸といえば、童話かなにかで「運命の相手と繋がっている」という、少女趣味な物語があった気がするが……。
「……いやいや、まさかな」
女神様の夢、俺に恩寵を与えるという話、その直後に現れたコレ。
「……まさか、ですよね、女神様……?」
朝日に照らされながら呆然とする俺に、夢の中の女神様が微笑んだ、ような気がした。
とにかくこれをどうにかしないと。
床から立ち上がり、改めて小指を見下ろした。
糸は赤く、色は濃くも薄くもない。赤、と言われて一番に思い浮かべる色だ。
触れば感触があり、固い。太さは刺繍糸よりある。漁師が漁で使う網の糸よりは細い。
そして、外れない。
さらに、これが恐らく一番厄介だが……この糸は、部屋の外へ伸びている。
「とりあえず手繰ってみるか……」
床に落ちている糸を右手首に巻き付けながら辿っていくことにした。
糸を巻きながら部屋を出る。当然のように階段へ続いている。その下へも。
ゆっくりと階段を降り、宿屋の外へ続いている糸を見て長期戦を覚悟した。
まだ時間が早いからか宿の中は静かだ。店主もまだいない。
俺は試しに糸を引っ張ってみることにした。
「ん……重いな」
近くで途切れて落ちていれば容易に手元に引き寄せられると思ったのだが、難しそうだ。何かに繋がっているのか、あるいは全長が思ったよりあるのか、糸は床から持ち上がっただけで引き寄せられそうにない。
「はぁ……」
仕方なくカウンターにメモを残した。少し出てくるので朝食を取っておいてほしいと宿の主宛に書き付け、糸手繰りを再開する。
予想通り糸は宿を出た先にも繋がっていた。
そこそこの太さがあり、妙に頑丈な糸を通行人や馬車に引っ掛けないよう慎重に引き寄せて右腕に巻く。
俺はやや屈んだ姿勢のまま歩き続けた。
宿屋の前の馬車道を過ぎ、飯屋街、閑散とした娼館街、粗末なボロ屋の並ぶ住宅地をも超えて、町の反対側にまで来てしまった。
「まさか町を出るなんてことないよな?」
そこまで行くのであれば、宿に置いてきた装備が必要だ。街道はモンスターや野盗が出る。
しかし町外れまでやってきた糸は、急に角度を変えて再び町の中へ向かっていった。
この辺は俺が泊まっているところよりいくらかグレードの高い宿場町だ。
もっと奥には貴族が投宿するような高級宿があり、そっちは別の意味で入れない。一瞬通り抜けるだけならともかく、地面を這う怪しい糸を怪しく手繰りながら入り込んだら警備兵に取り押さえられる。
「そっちまでは行けないからな、糸……あれ」
さっきより糸が軽い気がする。
もしや、この先で糸は切れているのだろうか。逸る気持ちが歩行速度に現れる。
ここに来て、糸は少し浮いた。地面についていない。
そして、あの建物の先へ消えている。……これは、糸が切れているんじゃなく。
「なにかに繋がってるのか……?」
走って飛び込んだ建物の角。閑静な町並みをまばらに行き交う人々の向こうに糸は繋がっていた。
ボロくなく傾いてもいない大きな宿の前、木箱に腰掛けた男。
俺の小指の糸はそいつに向かって伸びていて、そいつも糸を持っていた。赤い、俺の指に繋がった糸だ。
それをもう片方の手が────ハサミを持った手が、切ろうとしている。
「うぉおお!?」
「うわっ、なんだ」
「待て切るな、切るな!」
俺は木箱の男に飛びついてハサミをもぎ取った。
男はいきなり襲いかかられたと思ったのだろう、俊敏な動きで距離を取り腰の獲物を構え……そして気づいた。
「あれ、コーマか?」
「え? ……あ、カタン?」
鋼の剣を構えてぽかんとしている男は、俺と同じ冒険者のカタンだった。
ハサミを奪った姿勢のままの俺と、とりあえず剣を下ろしたカタンはしばし見つめ合い、同時に視線を落とした。
俺の小指に結ばれた赤い糸。繋がる先は、カタンの小指。
「なんで男なんだよ!」
俺の叫び声が静かな道に響き渡った。
「めがみ、さま……?」
「そう。わたくしはあなた方の世界を統べる神です」
「……っ!」
俺は慌てて片膝をつき頭を下げた。
いや、これは年長者に礼をするときの姿勢だ。貴族方への作法は……待てよ、たしか王族相手だと最敬礼があったはず……いや女神様なら王族への礼でもまだ足りないんじゃ……。
大混乱する脳内で色々考える俺をよそに、女神様の気配がふわりと綻んだ、気がした。
「かしこまらなくて良いのですよ、冒険者コーマ。楽にしてください」
「は、はいっ。ありがとうございます」
許しを得て、ゆっくりと顔を上げる。
そこにはこの世のものとは思えない美貌の────実際この世のものではないのだろう────女神様と、彼女が放つ神々しいオーラ、それ以外に何もない空間が広がっている。
そう、ここは俺の夢の中、のはずだ。
この世界は女神が創って統治している。それは知ってる。
王様や一部の神官だけが、一生の内に一度か二度、女神様と夢の中で会うことができるらしい。それも知ってる。
でもそんな貴重な体験が、王族でもなけりゃ神殿の教えの一文も思い出せない一介の冒険者に降りかかることがあるなんて、俺は知らない。
「冒険者コーマ。この度は、お願いがあってきたのです」
「え……お、俺にですか?」
「はい。話を聞いてくれますか?」
「も、もちろんです!」
女神様はにっこりと微笑んだ。
金を撚り束ねたようなゴージャスな金髪がふわふわと揺れる。
「この度わたくしは、あなた方の世界に新しい機能を実装……もとい、新たなる『恩寵』を与えたいと思っています。しかし新機能にバグはつきもの。冒険者コーマ、あなたは新機能を実際に試し、使用感を確かめてほしいのです」
「…………も、申し訳ありません女神様、俺、学がなくて、その、言ってることの意味が……」
「まぁ、わたくしとしたことが。許してくださいコーマ、あなたには分かりにくい言葉でしたね」
女神様に名を呼ばれるだけで体の奥底が歓喜するように感じるのは、きっと俺がこの美しい方の支配を受ける存在だからなんだろう。
ぽーっとして判断力の落ちた頭でもう一度女神様の説明を聞いた。
つまり俺は女神様に選ばれ、新たなる「女神の恩寵」とやらを世界で一番最初に与えられることになった人間である、と。
なんかもうその時点で気を失いそうなほど名誉なことだが、彼女の話は続いた。
「新たなる恩寵は、まだ調整が必要なのですが、どこをどの程度変えれば良いか行き詰まってしまったのです」
「女神様にもそんな苦労があるんですね……」
「もちろんです。エンジニアたるもの新機能実装に悩みはつきものですから」
「えんじ、に?」
「こほん。それでですね、まずは現地の人間にとりあえず恩寵を与えてみて、それから問題点を洗い出そうということに決まったのです。それには冒険者コーマ、あなたが最適でした」
「も、もったいないお言葉です。えぇと、でもどうして俺に? 王様や神官様ではいけないんですか?」
「えぇ。この恩寵は基本的に王族や神官には実装しない予定です。彼らがこの恩寵を得れば、彼らの人生は大きく違ってしまうでしょう。それは避けねばならない」
「そ、そんなすごい恩寵を、俺に……」
王族や神官の人生を狂わせてしまうほどの恩寵とは一体なんなのか。
恐ろしさに震え始めた俺の肩に、そっと触れるものがあった。
「コーマ、どうか恐れないで。この恩寵はあなたのような、正直で無垢な愛すべき民たちのために創り出したものなのです」
「女神様……!」
女神様の嫋やかな手が俺の肩に触れている。あぁ俺もう一生右肩洗えない。
「この恩寵はきっとあなたの人生をより豊かに導いてくれることでしょう。しかし先程も言った通り、恩寵は未完成です。しばらくは苦労をかけるかもしれません」
「いいえっ! 女神様の恩寵をいただいてする苦労なんてなんでもありません!」
「そう言ってくれますか、ありがとう冒険者コーマ。安心してください、わたくしはいつもあなた方を見守っています……」
女神様の姿や声が急速に遠ざかっていく。
夢から覚める直前、女神様の声で「『でばっぐ』よろしくお願いします……」と聞こえたが、学がない俺にはなんのことか分からなかった。
「はっ……!」
飛び起きた勢いでベッドから出る。
裸足で立った床は冷たい。大きな梁のある天井、くすんだ土壁、建付けの悪い窓。見慣れたいつもの安宿だ。
「女神様……」
俺は窓を大きく開け放ち、朝日に向かって祈りを捧げた。
もしかしたら正真正銘ただの夢だったかもしれない。
一介の、しがない、それほど優秀なわけでもない冒険者の俺が女神様の夢を見ることなんて普通はできない。
妙に現実味の強い内容だったが、すべて俺の脳が作り出した夢だったと言われても納得だ。
でも俺たちにとって女神様ってのは魂に刻まれた大切な存在で、たとえ想像の類でも目にできれば嬉しいものなんだ。
「はぁ、いい朝だな…………ん?」
組んでいた両手を解き、俺は違和感を覚えた。
指になにか絡まっている。右手の小指。手をかざすと、そこには赤い糸のようなものが結び付けられていた。
「んん?」
小さな結び目で俺の指にくくりつけられた赤い糸。
指で摘んでも引っ張っても、解けないし外れない。
小指の赤い糸といえば、童話かなにかで「運命の相手と繋がっている」という、少女趣味な物語があった気がするが……。
「……いやいや、まさかな」
女神様の夢、俺に恩寵を与えるという話、その直後に現れたコレ。
「……まさか、ですよね、女神様……?」
朝日に照らされながら呆然とする俺に、夢の中の女神様が微笑んだ、ような気がした。
とにかくこれをどうにかしないと。
床から立ち上がり、改めて小指を見下ろした。
糸は赤く、色は濃くも薄くもない。赤、と言われて一番に思い浮かべる色だ。
触れば感触があり、固い。太さは刺繍糸よりある。漁師が漁で使う網の糸よりは細い。
そして、外れない。
さらに、これが恐らく一番厄介だが……この糸は、部屋の外へ伸びている。
「とりあえず手繰ってみるか……」
床に落ちている糸を右手首に巻き付けながら辿っていくことにした。
糸を巻きながら部屋を出る。当然のように階段へ続いている。その下へも。
ゆっくりと階段を降り、宿屋の外へ続いている糸を見て長期戦を覚悟した。
まだ時間が早いからか宿の中は静かだ。店主もまだいない。
俺は試しに糸を引っ張ってみることにした。
「ん……重いな」
近くで途切れて落ちていれば容易に手元に引き寄せられると思ったのだが、難しそうだ。何かに繋がっているのか、あるいは全長が思ったよりあるのか、糸は床から持ち上がっただけで引き寄せられそうにない。
「はぁ……」
仕方なくカウンターにメモを残した。少し出てくるので朝食を取っておいてほしいと宿の主宛に書き付け、糸手繰りを再開する。
予想通り糸は宿を出た先にも繋がっていた。
そこそこの太さがあり、妙に頑丈な糸を通行人や馬車に引っ掛けないよう慎重に引き寄せて右腕に巻く。
俺はやや屈んだ姿勢のまま歩き続けた。
宿屋の前の馬車道を過ぎ、飯屋街、閑散とした娼館街、粗末なボロ屋の並ぶ住宅地をも超えて、町の反対側にまで来てしまった。
「まさか町を出るなんてことないよな?」
そこまで行くのであれば、宿に置いてきた装備が必要だ。街道はモンスターや野盗が出る。
しかし町外れまでやってきた糸は、急に角度を変えて再び町の中へ向かっていった。
この辺は俺が泊まっているところよりいくらかグレードの高い宿場町だ。
もっと奥には貴族が投宿するような高級宿があり、そっちは別の意味で入れない。一瞬通り抜けるだけならともかく、地面を這う怪しい糸を怪しく手繰りながら入り込んだら警備兵に取り押さえられる。
「そっちまでは行けないからな、糸……あれ」
さっきより糸が軽い気がする。
もしや、この先で糸は切れているのだろうか。逸る気持ちが歩行速度に現れる。
ここに来て、糸は少し浮いた。地面についていない。
そして、あの建物の先へ消えている。……これは、糸が切れているんじゃなく。
「なにかに繋がってるのか……?」
走って飛び込んだ建物の角。閑静な町並みをまばらに行き交う人々の向こうに糸は繋がっていた。
ボロくなく傾いてもいない大きな宿の前、木箱に腰掛けた男。
俺の小指の糸はそいつに向かって伸びていて、そいつも糸を持っていた。赤い、俺の指に繋がった糸だ。
それをもう片方の手が────ハサミを持った手が、切ろうとしている。
「うぉおお!?」
「うわっ、なんだ」
「待て切るな、切るな!」
俺は木箱の男に飛びついてハサミをもぎ取った。
男はいきなり襲いかかられたと思ったのだろう、俊敏な動きで距離を取り腰の獲物を構え……そして気づいた。
「あれ、コーマか?」
「え? ……あ、カタン?」
鋼の剣を構えてぽかんとしている男は、俺と同じ冒険者のカタンだった。
ハサミを奪った姿勢のままの俺と、とりあえず剣を下ろしたカタンはしばし見つめ合い、同時に視線を落とした。
俺の小指に結ばれた赤い糸。繋がる先は、カタンの小指。
「なんで男なんだよ!」
俺の叫び声が静かな道に響き渡った。
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