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第三章
55.距離の測りかた
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「邪魔してごめんねェ」と去っていくナターシャとロスに手を振って、タビトはしばし黙考する。
幼い頃はくっついているのが当然だった。
だが今は違う。
レグルスには立場がある。いずれツガイとなるのはレグルスとブルーシアであって、タビトは恋人どころか、近い将来離れることになる異種族だ。
それなのにタビトがレグルスとどうこう、なんて噂にでもなったら。
「だからレグルスから距離を置こうと思うんだ。まずは寮の部屋を分けようと提案してみるつもり」
「やめとけ」
「やめとけ」
「えっ」
レグルスが教師に呼ばれ、席を外している放課後の教室。
開け放たれた窓のそばに自然と集まり、傾きつつある日差しにしっぽをあててささやかな日光浴を楽しむ。
一晩考えたことを打ち明けたタビトは、友人たちにすぐさま否定された。
いつもは微笑んでいることが多いリゲルが真剣な表情をしている。
いつも鹿爪らしいプロキオンはいっそ厳しい顔になってしまっている。
「あの執着ヤバそうなライオンくんにそれは悪手でしょ~」
「そうだな。それは俺様にもはっきりわかる」
「で、でも僕といっつもくっついてるって、みんなに誤解されて、後々困るのはレグルスだし、」
うろたえるタビトにリゲルは一本指を立て、びしっと鼻先に突きつけた。
「そもそも本当にレグルスとタビトはなにもないんだよな? ただの幼なじみ?」
「そうだよ。ただの幼なじみだ」
「質問を変える。あの性悪メスライオンにこのままレグルスをくれてやってもいいのか?」
「……」
思わず黙り込んだタビトの反応は、答えてしまったようなものだった。
「でも、でもブルーシアはレグルスの許嫁で、ずっと前から決まってて」
「そんなのどうでもいいだろ」
「どうでもよくないよ! レグルスはいつか女の子とツガイになって、プライドを作って子どもを育てて……そうなるんだ」
「じゃあタビトはどうするんだ。あいつと離れてメストラでも探すのか?」
「僕は、そんなこと、」
「他のやつなんか関係ない。タビトの気持ちはどうだって聞いてんだよ!」
「いっしょにいたいに決まってるだろ!」
はっとして口を押さえたが、出てしまった言葉は取り消せない。
リゲルはなぜか勝ち誇ったように胸を反らせた。
「ほらな。それが本音だ」
「でも、だけど」
「でももだけどもない。いっしょにいたいなら離れるな! いつか離されるとしても抗え、文句言うやつは力でねじ伏せろ。俺たちってそういうもんだろ!」
リゲルの言葉に、ふと養父の顔が浮かんだ。
あなどられるな、誰の下にも見られるな。殴ってでもナメられるなと、何度も言い聞かせられた。
だがこればかりは力だけじゃ解決できそうにない。
レグルスもブルーシアも殴ったりできない、したくない。なのにリゲルの言うことはもっともだとも思う。
困り果てて俯いたタビトを見て、プロキオンが無言でリゲルをどついた。
やりすぎ、という意味だ。
しかしリゲルは後悔していなかった。
普段はお人好しと評されるほど心優しいトラが、妙に頑なになるのはあのライオン関連だけだ。しかも一人であらぬ方向へ突っ走ろうとしてしまう。
ぽっと出のオスライオンなどはどうでもいいが、一番の親友を自負するリゲルにとってタビトは、心身ともに大事にしたい存在だ。
彼が傷つきそうな結末を見過ごすことはできない。
お互いに黙ってしまった二人を見て、プロキオンは深く嘆息した。
「俺様もリゲルの言う通りだと思うが、離れないようにってのはちょっと難しいかもな」
「え?」
「好き嫌いとか関係なく、離れることになるだろう。『学外実習』だ」
「……あ」
オウルネビュラ騎士学校の兵学科所属生のうち、騎兵専攻生を除いた大多数の生徒は三年次の二ヶ月間「学外実習」へ赴く。
その名の通り学校を飛び出して実習を行うもので、副都の守備隊へ配属され兵士の職務を体験する。
実際に兵士となったらどんな生活をするか体感し、訓練場で現役の兵士に訓練をつけてもらい、あとは詰め所で市民の道案内をつとめたり雑務を引き受けたり……いわゆる職場体験だ。
二ヶ月しかないため経験者は「あっという間だった」と口をそろえるが、二ヶ月という限られた時間を無駄にしないため住居が副都の守備隊員寮へ移るから、留学生であり兵学科の生徒ではないレグルスとは離れてしまう。
「あ~たしかに……離れるね、二ヶ月……え、タビト一回目だったっけ?」
生徒の学外実習は、現場の負担とならないよう生徒を三グループに分け時期をずらして派遣される。
タビトは一回目のグループで、リゲルとプロキオンも同じだ。
「ついでに言えば一回目の学外実習は来週から始まる。明日あたり準備を始めるよう教師から伝えられるはずだ」
「へぇ。プー詳しいね」
「おまえたちが疎すぎるだけだ」
タビトが気を揉まずともレグルスとは距離ができることになり、リゲルはさっきの白熱っぷりを忘れたかのように「実習楽しみだな~」と足をぶらぶらさせている。
窓の外は空色が変わりつつある。
離れている間に熱が冷め、友人同士の適切な距離を取れるようになるかもしれない。
そうなればタビトはレグルスを諦められる。
力に任せることも、みっともなく縋ることもなく、別々のベッドで眠るのが自然な関係になりたい。
どうして自分がそこまで悩むのか、タビトには未だに自らの心を測りかねていた。
戻ってきたレグルスと一緒に寮への道を辿りながら実習の話をすると、彼は案の定驚き、嫌がった。
「二ヶ月も学校に戻ってこないのか?」
「うん。レグルスにはその間、メイサの世話をお願い」
「それはいいけど……せっかくまたいっしょにいられるのに、二ヶ月もいないのか……」
「ごめんね、頼んだよ」
あえてなんとも思ってないかのように軽く返すと、レグルスは渋々と頷いた。
それからは無理に距離を置こうとはせず、いつも通り学業をこなし、また実習のための準備に奔走した。
レグルスはずっと何か言いたげにしていたが、タビトだけでなく実習へ出発する級友がみな慌ただしく走り回っているためか何も言わなかった。
微妙に気まずいまま日々は過ぎ、実習日当日。
タビトはのそのそと起き上がった。
お互い言葉を飲み込んでばかりの数日だったが、同じ寮室へ帰ることと、ひとつのベッドで身を寄せ合って眠ることだけは変わらなかった。
獣型のまましばし前足で顔を洗い、ゆっくりと人型へ変じて着替える。
同室者を起こす気はなかった。通常授業の生徒にとってはまだ早い時間だ。
しかしレグルスは傍らのぬくもりがなくなったことを察してか、むくりと身を起こした。
「レグルス、おはよ。まだ寝てていいよ」
「……タビト」
金の瞳は落ちかけのまぶたに半分隠れている。
立派なたてがみはぼさぼさで、しっぽの先がぱたぱたと意味もなく揺れている。
こんなに気の抜けたレグルスの顔を見られるのは、身内以外ではタビトくらいだろう。今はそれだけで十分な気がした。
「じゃあ、いってきます」
シャツの襟までボタンを留め、ジャケットを羽織って荷物を背負う。
寝ぼけ眼に返事は期待していなかった。が、肩を掴まれくるりと反転させられる。
いつの間にか人型になっていたレグルスが、眠気の消えた真剣なまなざしでタビトを射抜いた。
「タビト、大事な話があるんだ。帰ってきたら聞いてほしい」
「今じゃだめなこと?」
「うん。全部片付けてから話したい。それからオレの気持ちとかも、聞いてもらいたい」
「……わかった」
頷くと、そっと引き寄せられた。肩を抱くだけの触れ合いに抱擁を返す。
タビトの気持ちは変わらず、どんな形でもレグルスのそばにいたいと思えた。それが難しいこともわかっている。
その上で、レグルスがくれるどんな応えでも受け入れようと思った。
幼い頃はくっついているのが当然だった。
だが今は違う。
レグルスには立場がある。いずれツガイとなるのはレグルスとブルーシアであって、タビトは恋人どころか、近い将来離れることになる異種族だ。
それなのにタビトがレグルスとどうこう、なんて噂にでもなったら。
「だからレグルスから距離を置こうと思うんだ。まずは寮の部屋を分けようと提案してみるつもり」
「やめとけ」
「やめとけ」
「えっ」
レグルスが教師に呼ばれ、席を外している放課後の教室。
開け放たれた窓のそばに自然と集まり、傾きつつある日差しにしっぽをあててささやかな日光浴を楽しむ。
一晩考えたことを打ち明けたタビトは、友人たちにすぐさま否定された。
いつもは微笑んでいることが多いリゲルが真剣な表情をしている。
いつも鹿爪らしいプロキオンはいっそ厳しい顔になってしまっている。
「あの執着ヤバそうなライオンくんにそれは悪手でしょ~」
「そうだな。それは俺様にもはっきりわかる」
「で、でも僕といっつもくっついてるって、みんなに誤解されて、後々困るのはレグルスだし、」
うろたえるタビトにリゲルは一本指を立て、びしっと鼻先に突きつけた。
「そもそも本当にレグルスとタビトはなにもないんだよな? ただの幼なじみ?」
「そうだよ。ただの幼なじみだ」
「質問を変える。あの性悪メスライオンにこのままレグルスをくれてやってもいいのか?」
「……」
思わず黙り込んだタビトの反応は、答えてしまったようなものだった。
「でも、でもブルーシアはレグルスの許嫁で、ずっと前から決まってて」
「そんなのどうでもいいだろ」
「どうでもよくないよ! レグルスはいつか女の子とツガイになって、プライドを作って子どもを育てて……そうなるんだ」
「じゃあタビトはどうするんだ。あいつと離れてメストラでも探すのか?」
「僕は、そんなこと、」
「他のやつなんか関係ない。タビトの気持ちはどうだって聞いてんだよ!」
「いっしょにいたいに決まってるだろ!」
はっとして口を押さえたが、出てしまった言葉は取り消せない。
リゲルはなぜか勝ち誇ったように胸を反らせた。
「ほらな。それが本音だ」
「でも、だけど」
「でももだけどもない。いっしょにいたいなら離れるな! いつか離されるとしても抗え、文句言うやつは力でねじ伏せろ。俺たちってそういうもんだろ!」
リゲルの言葉に、ふと養父の顔が浮かんだ。
あなどられるな、誰の下にも見られるな。殴ってでもナメられるなと、何度も言い聞かせられた。
だがこればかりは力だけじゃ解決できそうにない。
レグルスもブルーシアも殴ったりできない、したくない。なのにリゲルの言うことはもっともだとも思う。
困り果てて俯いたタビトを見て、プロキオンが無言でリゲルをどついた。
やりすぎ、という意味だ。
しかしリゲルは後悔していなかった。
普段はお人好しと評されるほど心優しいトラが、妙に頑なになるのはあのライオン関連だけだ。しかも一人であらぬ方向へ突っ走ろうとしてしまう。
ぽっと出のオスライオンなどはどうでもいいが、一番の親友を自負するリゲルにとってタビトは、心身ともに大事にしたい存在だ。
彼が傷つきそうな結末を見過ごすことはできない。
お互いに黙ってしまった二人を見て、プロキオンは深く嘆息した。
「俺様もリゲルの言う通りだと思うが、離れないようにってのはちょっと難しいかもな」
「え?」
「好き嫌いとか関係なく、離れることになるだろう。『学外実習』だ」
「……あ」
オウルネビュラ騎士学校の兵学科所属生のうち、騎兵専攻生を除いた大多数の生徒は三年次の二ヶ月間「学外実習」へ赴く。
その名の通り学校を飛び出して実習を行うもので、副都の守備隊へ配属され兵士の職務を体験する。
実際に兵士となったらどんな生活をするか体感し、訓練場で現役の兵士に訓練をつけてもらい、あとは詰め所で市民の道案内をつとめたり雑務を引き受けたり……いわゆる職場体験だ。
二ヶ月しかないため経験者は「あっという間だった」と口をそろえるが、二ヶ月という限られた時間を無駄にしないため住居が副都の守備隊員寮へ移るから、留学生であり兵学科の生徒ではないレグルスとは離れてしまう。
「あ~たしかに……離れるね、二ヶ月……え、タビト一回目だったっけ?」
生徒の学外実習は、現場の負担とならないよう生徒を三グループに分け時期をずらして派遣される。
タビトは一回目のグループで、リゲルとプロキオンも同じだ。
「ついでに言えば一回目の学外実習は来週から始まる。明日あたり準備を始めるよう教師から伝えられるはずだ」
「へぇ。プー詳しいね」
「おまえたちが疎すぎるだけだ」
タビトが気を揉まずともレグルスとは距離ができることになり、リゲルはさっきの白熱っぷりを忘れたかのように「実習楽しみだな~」と足をぶらぶらさせている。
窓の外は空色が変わりつつある。
離れている間に熱が冷め、友人同士の適切な距離を取れるようになるかもしれない。
そうなればタビトはレグルスを諦められる。
力に任せることも、みっともなく縋ることもなく、別々のベッドで眠るのが自然な関係になりたい。
どうして自分がそこまで悩むのか、タビトには未だに自らの心を測りかねていた。
戻ってきたレグルスと一緒に寮への道を辿りながら実習の話をすると、彼は案の定驚き、嫌がった。
「二ヶ月も学校に戻ってこないのか?」
「うん。レグルスにはその間、メイサの世話をお願い」
「それはいいけど……せっかくまたいっしょにいられるのに、二ヶ月もいないのか……」
「ごめんね、頼んだよ」
あえてなんとも思ってないかのように軽く返すと、レグルスは渋々と頷いた。
それからは無理に距離を置こうとはせず、いつも通り学業をこなし、また実習のための準備に奔走した。
レグルスはずっと何か言いたげにしていたが、タビトだけでなく実習へ出発する級友がみな慌ただしく走り回っているためか何も言わなかった。
微妙に気まずいまま日々は過ぎ、実習日当日。
タビトはのそのそと起き上がった。
お互い言葉を飲み込んでばかりの数日だったが、同じ寮室へ帰ることと、ひとつのベッドで身を寄せ合って眠ることだけは変わらなかった。
獣型のまましばし前足で顔を洗い、ゆっくりと人型へ変じて着替える。
同室者を起こす気はなかった。通常授業の生徒にとってはまだ早い時間だ。
しかしレグルスは傍らのぬくもりがなくなったことを察してか、むくりと身を起こした。
「レグルス、おはよ。まだ寝てていいよ」
「……タビト」
金の瞳は落ちかけのまぶたに半分隠れている。
立派なたてがみはぼさぼさで、しっぽの先がぱたぱたと意味もなく揺れている。
こんなに気の抜けたレグルスの顔を見られるのは、身内以外ではタビトくらいだろう。今はそれだけで十分な気がした。
「じゃあ、いってきます」
シャツの襟までボタンを留め、ジャケットを羽織って荷物を背負う。
寝ぼけ眼に返事は期待していなかった。が、肩を掴まれくるりと反転させられる。
いつの間にか人型になっていたレグルスが、眠気の消えた真剣なまなざしでタビトを射抜いた。
「タビト、大事な話があるんだ。帰ってきたら聞いてほしい」
「今じゃだめなこと?」
「うん。全部片付けてから話したい。それからオレの気持ちとかも、聞いてもらいたい」
「……わかった」
頷くと、そっと引き寄せられた。肩を抱くだけの触れ合いに抱擁を返す。
タビトの気持ちは変わらず、どんな形でもレグルスのそばにいたいと思えた。それが難しいこともわかっている。
その上で、レグルスがくれるどんな応えでも受け入れようと思った。
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