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目立つの嫌いなのに高級車には乗る男

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あ、甘い………
さっきからずっと甘い…。
うぇ……台湾カステラはきめ細かくて美味しいけど、ホイップクリームと、ドリンクの上にドカ盛られている謎のトッピングで頭痛がしてきた。
あぁ…多少メロンソーダでスッキリできるけど、これはこれで甘い………
でもいちごミルクだったら終わってた…
「月代さん、さっきから減ってないですけど…大丈夫ですか?甘いもの苦手だったとか…」
「ううん、台湾カステラふわふわしてて美味しいね」
「でしょ~っ♡わたしコレだーいすきっ♡」
よかったね……俺はもう無理かも、、
だって量が多いんだもの!俺普段甘いものなんてコアラのマーチ半箱食べれば充分なのに、急にこんな甘いもの供給されても追いつけない…!
「…ごめん、フォトンちゃん…俺食べきれないかも……」
「えぇっ!ご、ごめんなさい…」
「ううん、謝らないで…。
俺甘いものに慣れてなかった…今度は特訓しておくね」
「ふふっ♡いいですよぉ食べきれない分は私が食べますから♡」
え?
彼女は俺の皿を引き寄せ、当然のように食べかけを食べ始めた
「えっ!?フォトンちゃん、他人の食べかけとか大丈夫な人なの…!?」
「だってお金払ってもらったのにもったいないし…それに他人じゃなくて彼氏でしょ?
…あ!月代さんこそ引かないんですか?」
ひ、引かないけど…
「すごいねフォトンちゃん……小さいのにたくさん食べれるんだね」
「えへへっ♡甘いものは無限に食べられるんです♡月代さんこそ、大人の男性だからたくさん食べれると思ってました」
うーん…ラーメンなら替え玉2つまでいけるんだけど、、
やっとお店を出る
「あー美味しかった♡」
…フォトンちゃんが幸せそうでよかった。
「次はピアノが聴きたいです♡」
「うん、それじゃ行こっか」
電車に乗ってレッスンスタジオまで向かった
電車の中は普通に座れたけど。こんな近くで座った事ないからきんちょーする…!
普段電車で女子高生の隣に座ることはあるけど、フォトンちゃんの隣は緊張する……
「フォトンちゃん、昨日は楽しかった?」
「うんっ♡みんなで映画見たんです♡陽門さん、優しいから大好きっ」
へぇ…良いマネージャーなんだな。マネージャー冥利に尽きるだろうな…
アークくんは俺をどう思っているだろう?
想像してみよ…
『月代、優しいから大好きっ♡』
………。まぁ、そこまで思ってくれなくてもいいや。

レッスンスタジオに来た
ギターを背負った若者に続いて入る
扉を開くと、フローリングにグランドピアノだけが置かれた10畳くらいの部屋が広がった
「わぁ~!ミニ音楽室!」
「フォトンちゃん、寒かったら言ってね」
ガコガコ椅子を取り出しながら彼女に言うと、、あれ?フォトンちゃんモジモジしてる…?

あれ…?この部屋もしかして、2人っきりじゃない…?
って!ここはピアノのレッスンスタジオ!ヨコシマなことしに来たんじゃないのっ!
「あ!寒くはないです」
と、彼が出してくれた椅子に座る
わぁ……ピアノの前で上着を脱ぐところがかっこいい…。
「あっ!上着かけますよ」
「いいの?」
わっ、月代さんの上着大きいなぁ…
とりあえずハンガーにかけて、壁にかけ……
んっ……届かない…!?
「ここちょっと高いよね」
と後ろから彼が来て、かけてくれた…
はわわわッ!?
「ご、ごめんなさいっ…結局届きませんでした」
「ふふ、これからも届かなかったら俺に言ってね」
むぅ~…女子校生活でこのところ男子耐性がついてなかったから危なかった……
席に戻り、彼はその細い指で鍵盤に触れた
わ…優しい触り方…優しい音色……
きっと私にも、こうやって優しく触ってくれるのかな……
って何考えてるの…っ
………っ!
途端、重たい低音が部屋に響く
そして重なる音、激しい音。
心を揺さぶられる演奏…
そして何より、その演奏をしている彼自身にとても惹かれた……
鍵盤を打ち込む度に前髪が揺れてドキッとする
すごい…!人ってこんなにすごい演奏ができるんだ………
終わったみたいなので、拍手をした
「すごい…!かっこいいです……!!」
「ふふ、ありがとう
俺フォトンちゃんにしか聞かせるつもりないから」
………それ、前も言ってたけど…
「月代さん…それってどういう意味ですか…?
もしかして、嫌なことがあったとか……」
失礼なことを聞いているのは分かってる…
「あぁ、特に深い意味はないよ
俺昔はプロとか勧められたこともあったけど…目立つの好きじゃないしめんどくさいからあまり人に披露しないんだ」
あ…そ、そうなんだ。目立つのが好きじゃないなんて、お兄ちゃんと反対だなぁ。
「わたし……前は月代さんの演奏、みんなに聞いてもらえばいいのにと思ってたけど…
でも、かっこよくてみんな月代さんのこと好きになっちゃうかもしれないから、私にだけ聞かせてくださいっ」
「!ふふふっ…わかった」
うぅ…笑った顔もすき……
それから何曲か聞いて、疲れたらピアノイントロクイズとかやってたらすっかり窓から見える外は暗くなってしまった
「そろそろ帰ろっか、電気つけるよ」
と彼は席を立って、部屋の壁に近づいて…!
だ、だめ……!
思わず後ろから抱きついた
「っ……!ふ、フォトンちゃん…?」
「やだ……!もっとイチャイチャしたい…」
「えぇ……!?したじゃん…」
違うっ!
「だって…だって月代さん、デート中1回も手繋いでくれなかった…っ」
こんなのフツーの友達と変わらないじゃん!
付き合ってるならもっと手繋いだり、腕からめたり、ハグしたりするじゃんっ!
「えっ…だって俺、君が卒業するまで指1本触れないつもりだったし………」
え……
「えぇ~!?手出さないってそこまで含むんですか!?」
「そ、そうだよ!だってそうしないとロリコン罪で逮捕……」
「されませんっ!そしたら月代さん、満員電車で女子高生に触るだけで捕まっちゃいますよ!」
「そ、そうだけど………」
「それに触るだけで捕まるんだったら、今頃お兄ちゃんはショタコン罪で死刑になってますよ!」
「……ふふっ、そうだね」
「決まりっ!じゃあこれから月代さんからも手繋いだりぎゅーしたりしてくださいね!」
「え……えぇ?そ、その…いきなりハグしたりは……」
「もー!いつまで子供扱いしてるんですかぁ
ハグくらいじゃ手出したうちに入らないですっ」
「……だ、だって……触るだけのつもりでも、なんかの拍子で捕まるかもしれないし…」
………。
なんかの拍子でエッチしちゃう事なんてないでしょ!?
……もう、、
「じゃあいいです」
「………え、フォトンちゃん?」
「月代さんが触ってくれなかったら、こっちから触りますから!」
ともっと抱きついて密着した
彼の背中におっぱいが押し付けられて、苦しい…
「!!……っ、……っっ」
……ビクビク震えてる…。可愛い…♡
そのまま顔を埋めて、首筋の匂いをかいだ
「ひゃぁっ…!?だ、だめ…♡フォトンちゃん、においかいじゃだめ、だよ……♡」
………。。。
…なんかおかしい…
私に触れないのって、ホントにロリコン罪で捕まりたくないから、だけなの?
「…月代さんって、童貞ですか?」
「……!?!?な、なにいって……」
「私は男の人としたことないですけどっ!……月代さん……もしかしてって思ったけど…童貞ですか?」
「っ………っ………
………そうだよ」
!!!
ま、まさかそうだったなんて…!
…かっこいいから、モテそうなのに……
どうしよ……嬉しい…♡
思わず抱きつく腕の力を弱めると、彼はこっちを向いた
わ……!
すっかり暗くなった街の光に照らされた彼は、泣きそうな顔をしていた
そのまま彼はずるずるとフローリングに座り込み、私の服を掴んだ
「ごめん、フォトンちゃん…
俺最低なんだよ…こないだも君の夢を見たんだけど、俺はそこでフォトンちゃんに酷いことを…」
…!そ、そんなに気にしてたんだ…
「…あの、月代さん…
私、月代さんになら何されても好きです」
「!……フォトンちゃん、そんな事言っちゃダメ…。君のことは大事にしたいから……
俺つまんない童貞だけど、できればこれからも一緒にいてほしい……」
うぅ…♡か、可愛い……♡
そのまま彼の頭を抱きしめた
「っ…!あ……っ(む、むね……!!)」
「もちろんっ♡こっちこそつまんない処女だけど、よろしくおねがいしまーす!」
「ふ、フォトンちゃん……ごめんだけど苦しいから離れて…」
!!
「ご、ごめんなさい……
………帰りましょうか」
「…そうだね
…ちょっと、トイレ行ってきたいから待っててくれる…?」
……??いいですけど…
電気をつけようとしたら
「わわっ!まって!つけないでっ」
「え?暗い中待つのは怖いですよ…っ」
「!そ、そうだよね……えっと、じゃあつけていいよ」
え…どっち?
つけた
わ…部屋あかるっ、まぶしー!
と思ってたら月代さんはダッシュで部屋から出ていってしまった
…あ、もしかしてしこりに行った…!?
あぁ~、貴重な精液がぁ……
…ま、いっか♡また夢の中出ればいいし♡
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