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第1編 夢と幸福の追求路 序章 ここから歩き出そう
第2話 俺が在る場所
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歩き始めてからはや5日。もう神奈川にはいるんじゃないか? 相変わらず山の中のせいでどこにいるのかさっぱりだけどさ。
「疲れた~っ! アンタ歩くの早えよ!」
「そう? ていうか、お前って案外体力ないんだ」
「べ、別にそんなわけないだろ! こんな長い距離を毎日歩いてんだ、当たり前だ!」
いくら山登りつっても、こんなに体力があるやつそうそういねぇよ。
何でこの人は余裕で歩けるんだよ?
「あぁ、ごめんごめん。浮遊しながら動いてたからか、アッハハ」
「いやアンタいくつ能力持ってんだ⁉︎」
「え? 法と創造と天空の3つだけど?」
「いや多すぎだろ…」
こりゃ敵わねぇわ。この前の剣術勝負も負けたし。
「よいしょ。ごめんごめん、すっかり能力切るの忘れてたや」
「えぇ~、普通忘れるかよ」
「へへ、忘れっぽいんだよ。で、問題が起きちゃってさ。食料が尽きちゃったからかいにいきたいんだけど…」
「? 行きゃあ良いじゃんか」
それとも、俺が逃げないように見張る必要があるとか? 逃げねぇよ、後が怖えし。
「でもなぁ…そうだ。これ着てって」
「ん? こんな時期にセーター着るのかよ?」
小春日和にセーターはちょっと暑苦しいが…拒否したらどうなるか分からんし着るしかないか。
「あれ、暑くない?」
「お前がかなり有名人だから、僕の大学教授だった人の研究品を貸すの。それは『とうめいセーター』ってやつで、着た人は他人から認識されなくなる」
「え、じゃあ今アンタには俺が見えてないのか?」
「見えてなくても、声は漏れるからね。会話はできるよ」
「……」
「あれ、おーい?」
「……」
「ヤバ! 間違いだったかも!」
見えないことを利用し、ドンボはフラットから逃げた。それをすぐに理解し、フラットは彼を追いかけた。
にしし、これで俺を邪魔するやつはいなくなった。やっと自由になれたわけだし、次は何をしようかな~?
「ゲーセン行こうぜ?」
「さんせ~い! 今度こそあのカードゲットしてやる!」
ゲーセン……か。行ったことねぇし、行ってみるか。
ゲームセンター
色々あるんだな。これがいわゆるクレーンゲームで、こっちがUFOキャッチャーと。何からやろうか…あ。
そこでようやくドンボは気づいた。もし今遊んだら、他人視点では機械が1人でに動いているようにしか見えないことを。
そっか。俺、透明になっても自由じゃ……。そうだよな、俺に居場所なんかねぇ。
帰ったところでペット扱い、だから逃げ出した。でも金がなければ働きどころもねぇ。どうすりゃ良いんだよ…。
「まったく。ちょっと冗談言っただけで逃げ出すとかなしだよ?」
「えっ?」
な、なんで目の前にコイツが? いや、でも電話中…。ただの偶然か?
「僕のところで自由にしてるから問題はないと思うけど」
いや違う。電話してるふりだ! でも何でだ? 俺、喋ってねぇのにここにいるって何で分かるんだ?
「僕の神力は、本当のことを見抜ける。それが、魂の奥底にあるものでもね」
……最初から、俺のこと分かってたのか? 言われてみれば、この人と一緒にいるときは、認めたくねぇけど自由そのものだった。
俺のことを考えてくれて、できる範囲で遊ばせてくれる。
「あのセーターさ、本当は使用者への注目度が下がるってだけなんだよね」
「はぁ⁉︎ じゃあ別に透明じゃねえのかよ⁉︎」
「そうそう。アッハハ! 引っかかってやんの!」
「…ったく。じゃあ、この前俺に言った罪名も嘘ってことだよな?」
俺のことを知ってるなら、もちろん…分かってくれるはずだ。
「もちろん。お前の力は神力の吸収。だから、あの血は、神力の結晶みたいなもの。被害者はほぼ無傷で、人力だけを失う」
「…あぁ、そうだ。おかげで今の俺はたっくさんの力があるぜ!」
「うん。よかったね。それより、遊びたいんでしょ?」
「あぁ! 思いっきり!」
やっぱ、逃げられねぇや。逃げる意味もねぇし。今まで知れなかったこと、片っ端からできる限りで教えようとしてくれる。この人なら、俺を分かってくれる。
そんな、気がする。
「疲れた~っ! アンタ歩くの早えよ!」
「そう? ていうか、お前って案外体力ないんだ」
「べ、別にそんなわけないだろ! こんな長い距離を毎日歩いてんだ、当たり前だ!」
いくら山登りつっても、こんなに体力があるやつそうそういねぇよ。
何でこの人は余裕で歩けるんだよ?
「あぁ、ごめんごめん。浮遊しながら動いてたからか、アッハハ」
「いやアンタいくつ能力持ってんだ⁉︎」
「え? 法と創造と天空の3つだけど?」
「いや多すぎだろ…」
こりゃ敵わねぇわ。この前の剣術勝負も負けたし。
「よいしょ。ごめんごめん、すっかり能力切るの忘れてたや」
「えぇ~、普通忘れるかよ」
「へへ、忘れっぽいんだよ。で、問題が起きちゃってさ。食料が尽きちゃったからかいにいきたいんだけど…」
「? 行きゃあ良いじゃんか」
それとも、俺が逃げないように見張る必要があるとか? 逃げねぇよ、後が怖えし。
「でもなぁ…そうだ。これ着てって」
「ん? こんな時期にセーター着るのかよ?」
小春日和にセーターはちょっと暑苦しいが…拒否したらどうなるか分からんし着るしかないか。
「あれ、暑くない?」
「お前がかなり有名人だから、僕の大学教授だった人の研究品を貸すの。それは『とうめいセーター』ってやつで、着た人は他人から認識されなくなる」
「え、じゃあ今アンタには俺が見えてないのか?」
「見えてなくても、声は漏れるからね。会話はできるよ」
「……」
「あれ、おーい?」
「……」
「ヤバ! 間違いだったかも!」
見えないことを利用し、ドンボはフラットから逃げた。それをすぐに理解し、フラットは彼を追いかけた。
にしし、これで俺を邪魔するやつはいなくなった。やっと自由になれたわけだし、次は何をしようかな~?
「ゲーセン行こうぜ?」
「さんせ~い! 今度こそあのカードゲットしてやる!」
ゲーセン……か。行ったことねぇし、行ってみるか。
ゲームセンター
色々あるんだな。これがいわゆるクレーンゲームで、こっちがUFOキャッチャーと。何からやろうか…あ。
そこでようやくドンボは気づいた。もし今遊んだら、他人視点では機械が1人でに動いているようにしか見えないことを。
そっか。俺、透明になっても自由じゃ……。そうだよな、俺に居場所なんかねぇ。
帰ったところでペット扱い、だから逃げ出した。でも金がなければ働きどころもねぇ。どうすりゃ良いんだよ…。
「まったく。ちょっと冗談言っただけで逃げ出すとかなしだよ?」
「えっ?」
な、なんで目の前にコイツが? いや、でも電話中…。ただの偶然か?
「僕のところで自由にしてるから問題はないと思うけど」
いや違う。電話してるふりだ! でも何でだ? 俺、喋ってねぇのにここにいるって何で分かるんだ?
「僕の神力は、本当のことを見抜ける。それが、魂の奥底にあるものでもね」
……最初から、俺のこと分かってたのか? 言われてみれば、この人と一緒にいるときは、認めたくねぇけど自由そのものだった。
俺のことを考えてくれて、できる範囲で遊ばせてくれる。
「あのセーターさ、本当は使用者への注目度が下がるってだけなんだよね」
「はぁ⁉︎ じゃあ別に透明じゃねえのかよ⁉︎」
「そうそう。アッハハ! 引っかかってやんの!」
「…ったく。じゃあ、この前俺に言った罪名も嘘ってことだよな?」
俺のことを知ってるなら、もちろん…分かってくれるはずだ。
「もちろん。お前の力は神力の吸収。だから、あの血は、神力の結晶みたいなもの。被害者はほぼ無傷で、人力だけを失う」
「…あぁ、そうだ。おかげで今の俺はたっくさんの力があるぜ!」
「うん。よかったね。それより、遊びたいんでしょ?」
「あぁ! 思いっきり!」
やっぱ、逃げられねぇや。逃げる意味もねぇし。今まで知れなかったこと、片っ端からできる限りで教えようとしてくれる。この人なら、俺を分かってくれる。
そんな、気がする。
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