60 / 62
R※愛してる
しおりを挟む
「っ、アゼ、アゼ!!アゼッッ!!」
聞こえたその声は、張り裂けるような悲鳴だった。
記憶を取り戻したルインが見せた顔は、喜びではなく、恐怖と絶望に染まった顔だった。蒼白な頬、歪んだ眉。喉からは、掠れた空気を吐き出している。
取り乱したまま、何の前触れもなく強く抱きしめられる。息が詰まりそうなほどに、強い力で。
「くっ、くるしっ・・・。」
腕に込められたその力は、まるで、今にも俺が消えてしまうのを恐れて、全身で繋ぎ止めようとしているようだった。
「ダメです、ダメだ!!」
必死に叫ぶその声が、痛いほど嬉しい。
───やっと、やっと、俺を見てくれた。
「やだ、いやだッ・・・死のうとしないで!ボクは生きているから、だからっ!」
ルインの瞳から、涙が零れる。止まることなく、ぽろぽろと、熱をもって頬から落ちる。
「おねがい、だから・・・。」
懇願するような声とともに、首元に頬を擦り寄せてくる。肩が濡れていくのを感じながら、俺は口を開いた。
「ルイン・・・。」
───あの時。俺が死のうとしたあの瞬間のことを、思い出しているのだろうか。
「アゼ、お願い、今までのこと、全部謝るから。アゼの望むこと全て、全部叶えるからっ・・・お願いだから・・・お願い・・・。」
壊れたように繰り返される言葉。その声が、ひどく幼く聞こえて、胸が締めつけられる。今にも砕けてしまいそうな、祈るような声。
「失いたくない・・・大切な人を、失いたくない!」
抱きしめる腕に、さらに力が込められた。心臓がぶつかり合って、互いの鼓動が交差する。俺はただ、泣いているルインを、そっと抱き返すことしかできない。
「ボクから、奪わないで・・・。」
掠れる声でそう告げた後、ルインの腕の力が、ふっと抜けた。
「───ぷはっ・・・だ、大丈夫・・・か?」
ようやくしっかりと呼吸ができた俺は、喉を鳴らして空気を吸い込んだ。けれど、震えるルインの手はまだ、俺の背中から離れない。
「どうして・・・ボクなんかの後を追おうとしたんですか・・・。」
「だ、だって・・・。」
どんな形になっても、会いたかったから。何より、生きている自分に価値があると思えなかった。それに、ルインがいない世界に、意味を見出せなかったから・・・。
「アゼには、笑っていて欲しい。息を吸って、この世界にいて欲しい。」
ルインは言葉を重ねながら、そっと俺を包み込んだ。まるで宝物を扱うように、丁寧に。
「でも、ボクのいない世界で、笑って欲しくない・・・。」
子供のような拗ねた声に、思わずふっと笑ってしまう。
「ふ、ふふ。どっちなんだ、それ。」
「アゼ・・・。」
ルインが俺を見つめる。あの頃と同じ、真っ直ぐな瞳。けれど、今はもう昔とは違う。深くて、抗いようのない感情が、互いの瞳に宿っていた。
「ボクは、どうしようもなくアゼが好きで、愛しているんです。」
その言葉と共に、唇が重ねられる。
柔らかく、湿った感触が伝わってくる。何度も触れたはずの唇は、今はまるで初めて触れた日のように、熱く、甘い。
「なっ、何だよ・・・急に・・・んっ。」
言葉を挟む隙すら与えられず、舌が絡まる。
頬が熱くなる。出しかけた言葉も、全て口の中で溶かされていく。
ふと、視界の隅でルインの指が、ゆっくりと自身の上着を外すのが見えた。
肌が露わになり、先程までの疼きが身体に蘇ってくる。
「言葉じゃ、伝えきれない。」
そのまま、手が俺の腰へと伸び、温かい指が、柔らかい敏感な場所に触れる。
「あっ、ば・・・ばかっ!!」
声が裏返る。触れただけで、痺れるような快感が走り、思わず身体を仰け反らせる。
「ゆっくり、優しくしますから・・・。」
ルインの声は低く、吐息混じりだった。蕾の周囲をゆるやかになぞり、愛撫してくる。まるで、壊れ物を愛おしむように、丁寧に。
「また、しよ・・・?」
「も、もう、ダメだ・・・っ壊れる・・・!」
口に出たのは、否定の言葉。何度も何度も愛されてしまった身体。気持ちよさに身体がふわふわと浮いて、頭の芯まで快楽が染みていく。
いつか頭が壊れてしまうのではないかと、不安になる。
「いいですよ。壊れても、ずっと愛しますから。」
「ば、バカ・・・それじゃ、意味がない・・・。」
俺の言葉の意味に気付いたのか、ルインの表情がほころぶ。
「だって、俺も・・・ルインを、あ、愛したいから・・・。」
そう呟いた途端、身体を擦り寄せられ、熱が押し当てられた。
「ひぁっ!?や、だから・・・やめろっ!・・・この、駄犬がッ!!」
「くッ・・・!」
罵ったはずなのに、ルインは顔を紅潮させていた。
「な、なにを喜んでいるんだ!!」
恥ずかしくなり、ルインの身体から離れようとする。けれど、逃がすまいと彼は囁く。
「分かりました。我慢します・・・。」
そう言って唇を噛んだ彼の頬へ、手を伸ばす。
「・・・ん、いい子。」
「やっぱり無理です。あと、もう一回・・・。」
返事も待たず、勃ち上がったモノをぐいと押しつけられる。
───ズプッ。
熱が・・・奥に沈んでいく。
「え・・・はぁ、んぁっ・・・いっかいだけ、だからっ・・・!」
きっと、一回だけでは終わらない。受け入れてしまえば、何度だって堕ちてしまうのだから。
「休憩しながらなら、壊れない?」
「・・・んっ。」
返事の代わりに、唇を重ねる。何度も心の中で名前を呼びながら、キスを、何度も。
「ほんとに、可愛い・・・積極的過ぎます。」
「可愛いって・・・言うなぁっ。」
恥ずかしさに頬を染めながら睨みつけると、ルインはうっとりとした声で囁いた。
「ダメです。だって、こんなに嬉しそうな、とろけた顔してくれるから。」
「・・・え?」
「癖になります。その顔・・・ボクだけの、アゼ。」
その囁きに、俺の全身はもう、逆らうことを忘れていた。重ねられる肌。溶け合うような熱。
───その甘くて淫らな熱から、しばらく解放されることはなかった。
聞こえたその声は、張り裂けるような悲鳴だった。
記憶を取り戻したルインが見せた顔は、喜びではなく、恐怖と絶望に染まった顔だった。蒼白な頬、歪んだ眉。喉からは、掠れた空気を吐き出している。
取り乱したまま、何の前触れもなく強く抱きしめられる。息が詰まりそうなほどに、強い力で。
「くっ、くるしっ・・・。」
腕に込められたその力は、まるで、今にも俺が消えてしまうのを恐れて、全身で繋ぎ止めようとしているようだった。
「ダメです、ダメだ!!」
必死に叫ぶその声が、痛いほど嬉しい。
───やっと、やっと、俺を見てくれた。
「やだ、いやだッ・・・死のうとしないで!ボクは生きているから、だからっ!」
ルインの瞳から、涙が零れる。止まることなく、ぽろぽろと、熱をもって頬から落ちる。
「おねがい、だから・・・。」
懇願するような声とともに、首元に頬を擦り寄せてくる。肩が濡れていくのを感じながら、俺は口を開いた。
「ルイン・・・。」
───あの時。俺が死のうとしたあの瞬間のことを、思い出しているのだろうか。
「アゼ、お願い、今までのこと、全部謝るから。アゼの望むこと全て、全部叶えるからっ・・・お願いだから・・・お願い・・・。」
壊れたように繰り返される言葉。その声が、ひどく幼く聞こえて、胸が締めつけられる。今にも砕けてしまいそうな、祈るような声。
「失いたくない・・・大切な人を、失いたくない!」
抱きしめる腕に、さらに力が込められた。心臓がぶつかり合って、互いの鼓動が交差する。俺はただ、泣いているルインを、そっと抱き返すことしかできない。
「ボクから、奪わないで・・・。」
掠れる声でそう告げた後、ルインの腕の力が、ふっと抜けた。
「───ぷはっ・・・だ、大丈夫・・・か?」
ようやくしっかりと呼吸ができた俺は、喉を鳴らして空気を吸い込んだ。けれど、震えるルインの手はまだ、俺の背中から離れない。
「どうして・・・ボクなんかの後を追おうとしたんですか・・・。」
「だ、だって・・・。」
どんな形になっても、会いたかったから。何より、生きている自分に価値があると思えなかった。それに、ルインがいない世界に、意味を見出せなかったから・・・。
「アゼには、笑っていて欲しい。息を吸って、この世界にいて欲しい。」
ルインは言葉を重ねながら、そっと俺を包み込んだ。まるで宝物を扱うように、丁寧に。
「でも、ボクのいない世界で、笑って欲しくない・・・。」
子供のような拗ねた声に、思わずふっと笑ってしまう。
「ふ、ふふ。どっちなんだ、それ。」
「アゼ・・・。」
ルインが俺を見つめる。あの頃と同じ、真っ直ぐな瞳。けれど、今はもう昔とは違う。深くて、抗いようのない感情が、互いの瞳に宿っていた。
「ボクは、どうしようもなくアゼが好きで、愛しているんです。」
その言葉と共に、唇が重ねられる。
柔らかく、湿った感触が伝わってくる。何度も触れたはずの唇は、今はまるで初めて触れた日のように、熱く、甘い。
「なっ、何だよ・・・急に・・・んっ。」
言葉を挟む隙すら与えられず、舌が絡まる。
頬が熱くなる。出しかけた言葉も、全て口の中で溶かされていく。
ふと、視界の隅でルインの指が、ゆっくりと自身の上着を外すのが見えた。
肌が露わになり、先程までの疼きが身体に蘇ってくる。
「言葉じゃ、伝えきれない。」
そのまま、手が俺の腰へと伸び、温かい指が、柔らかい敏感な場所に触れる。
「あっ、ば・・・ばかっ!!」
声が裏返る。触れただけで、痺れるような快感が走り、思わず身体を仰け反らせる。
「ゆっくり、優しくしますから・・・。」
ルインの声は低く、吐息混じりだった。蕾の周囲をゆるやかになぞり、愛撫してくる。まるで、壊れ物を愛おしむように、丁寧に。
「また、しよ・・・?」
「も、もう、ダメだ・・・っ壊れる・・・!」
口に出たのは、否定の言葉。何度も何度も愛されてしまった身体。気持ちよさに身体がふわふわと浮いて、頭の芯まで快楽が染みていく。
いつか頭が壊れてしまうのではないかと、不安になる。
「いいですよ。壊れても、ずっと愛しますから。」
「ば、バカ・・・それじゃ、意味がない・・・。」
俺の言葉の意味に気付いたのか、ルインの表情がほころぶ。
「だって、俺も・・・ルインを、あ、愛したいから・・・。」
そう呟いた途端、身体を擦り寄せられ、熱が押し当てられた。
「ひぁっ!?や、だから・・・やめろっ!・・・この、駄犬がッ!!」
「くッ・・・!」
罵ったはずなのに、ルインは顔を紅潮させていた。
「な、なにを喜んでいるんだ!!」
恥ずかしくなり、ルインの身体から離れようとする。けれど、逃がすまいと彼は囁く。
「分かりました。我慢します・・・。」
そう言って唇を噛んだ彼の頬へ、手を伸ばす。
「・・・ん、いい子。」
「やっぱり無理です。あと、もう一回・・・。」
返事も待たず、勃ち上がったモノをぐいと押しつけられる。
───ズプッ。
熱が・・・奥に沈んでいく。
「え・・・はぁ、んぁっ・・・いっかいだけ、だからっ・・・!」
きっと、一回だけでは終わらない。受け入れてしまえば、何度だって堕ちてしまうのだから。
「休憩しながらなら、壊れない?」
「・・・んっ。」
返事の代わりに、唇を重ねる。何度も心の中で名前を呼びながら、キスを、何度も。
「ほんとに、可愛い・・・積極的過ぎます。」
「可愛いって・・・言うなぁっ。」
恥ずかしさに頬を染めながら睨みつけると、ルインはうっとりとした声で囁いた。
「ダメです。だって、こんなに嬉しそうな、とろけた顔してくれるから。」
「・・・え?」
「癖になります。その顔・・・ボクだけの、アゼ。」
その囁きに、俺の全身はもう、逆らうことを忘れていた。重ねられる肌。溶け合うような熱。
───その甘くて淫らな熱から、しばらく解放されることはなかった。
78
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
距離を取ったら、氷のエースに捕獲された件
米山のら
BL
無口でクール、誰も寄せつけないバレー部の“氷のエース”隼。
そんな完璧な隼が追いかけてくる相手が――
よりによって、才能ゼロで平凡な幼馴染の俺(直央)。
バレー部を辞めようとした日から、
距離を置こうとするほど逃げ道を塞がれ、気づけば抱え上げられてて……いや、何で!?
氷の瞳の奥に潜んでいたのは、静かな狂気と、俺だけへの独占欲。
逃げたいのに逃げられない。
“氷のエース”に愛され続ける、青春ど真ん中(?)の恋物語。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
記憶喪失になったら、帝国一のイケメンが彼氏になってしました
夜刀神さつき
BL
ルカ・デルネーリが目を覚ますと、帝国一のイケメンであるアルカイドが近くにいた。彼は、自分のことをルカの彼氏だと言ってきた。ルカは、半年間の記憶がなくアルカイドの言葉を信じるが、なぜ帝国の死神と呼ばれている彼と自分が付き合っているのか理解できなかった。平穏な生活のため何とか別れようとするが、上手くいかず……。コメディです。
メインキャラ達の様子がおかしい件について
白鳩 唯斗
BL
前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。
サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。
どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。
ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。
世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。
どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!
主人公が老若男女問わず好かれる話です。
登場キャラは全員闇を抱えています。
精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。
BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。
恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。
【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました
ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。
タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる