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7を書くもとになった形式
しおりを挟むこの詩はイギリスのバラッドという昔からの形式の変型を意識して書きました。本来は4連で8行、6行、8行、6行の28行。これは3連で8行、8行、4行の20行。そして脚韻(押韻)。
歌のタイトルなどでよく出てくるバラードとはどちらも違います。あ、『ジョンとヨーコのバラッド』はどうかな。あれは6行、6行、4行ですね。音楽と合わせるとそのような構成になるのかもしれません。それに近い感じでしょうか。
ジョン・レノンはイギリス生まれでしたが、私はイギリスの伝統的なバラッド詩は結構読みました。形はともかく、どれもこれも明るくないんです。悲劇だったり残酷だったり。イギリスの気候風土によるのでしょうか。有名な『マザーグース』だって決して明るいわけではないです。あれを見ると、ジョン・レノンは全然明るいですね。
シェイクスピアもバラッド詩の影響があるのかな。そのセンで納得するのは、オスカー・ワイルドやルイス・キャロル、エミリー・ブロンテなど英文学に欠かせない作家の皆さまですね。
不思議なことに詩人の方にはその陰影があまり出ていないように思います。ワーズワーズ、ミルトン、ブラウニングではあまり感じませんでした。ただ、ミルトンの『失楽園』は全部読んでいません。長いです。ウィリアム・ブレイクだけは、明るい暗いを超越しているようにも思いますけれど。
閑話休題。
この詩の内容はまるっきりアメリカです。ミシシッピ川の岸辺にあるボートハウスに住んでいる男女というイメージで書きました。
なので形はバラッドですが、ブルースなのです。
「木に吊るされた男の~」はビリー・ホリディの『奇妙な果実』のイメージです。ブルースの楽曲に合わせる歌詞ではありませんが、英訳したら何とかブルースにならないかな……とも思っていました。メンフィス・ミニーさん、どうでしょう。
この詩だけ、ギターを弾きながら朗読したことがありますが、弾きながら朗読は難しかった。『中庭』主宰の飯島耕一さんだけではなく、ディラン・トマスの翻訳をされていた松田幸雄さん(英文学者)も見ていらっしゃいました。気分はパティ・スミスで行こうと張り切りましたが、タイトル通り、ひどくずぶずぶと沈みました(笑)。
歌にすればよかったわ。
まず練習しいや。
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