sickズ ~異能力者は余命僅か~

念平夢

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Chapter2 消滅(メクラ)

Act04 白血台風!! 少女の血は穏やかには流れない!!

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 球印圭の性器の先が光り出す!興奮し、雄叫びをあげる。
 白尻も彼の力に期待し、興奮する。
 が!光っただけだった、ほんの少し、豆電球程の光を灯しただけだったのだ。
「アレ!?」
全ての顔のパーツが点になる程、唖然としてしまった球印。そこに白尻が、
「えっ?いやいや…出すんやあないの??こんな時にチョウチンアンコウの物真似されても…」
と問いただすと、球印は今の状況を、
「出ねえ…ビームが…アレェェェ?」
正直に話し、何とか出そうと腰をハードゲイの様に激しく振った、が!無駄な努力だった。
「ちくしょしょう!何で出ねえんだ!さっきは出たのによー!!」
その言葉に白尻が、
「あぁ…さっき出したから出えへんのとちゃう?シックパワーの中には連発が効かんものがある」
助言した。それを聞いた球印は
「ええーー!」
とがっかりした、しかしそれは白尻も同じで、
「期待させといてなんやねん…幸せにするからって言っておいて不倫する奴と同罪やんけェ…」
お得意の例えが炸裂した。
「うっひょおお!!出ねえってか?出ねえってか!ラッキーだっぺェ!!」
シックパワーで透明になっている男は浮かれた、チャンスだ!こいつらを殺してポイントを取れると。

「ちっ!まずい!須賀路のターンになってもうた…」
白尻によると、男の名は須賀路スカジらしい。足音が近づいてくる!奴がこちらに攻めてくる!
「ちくしょしょう!どーするよやべー!」
慌てる球印、
「肉棒戦や!」
「だからその肉棒が使え…」
「あー間違えた、肉弾戦だ!」
焦る二人!白尻も下ネタを言ってしまう始末。
「さっきも言ったろう!俺喧嘩、素人なんだよ!ナイフ持っている奴と戦え言われても…」
球印は怯えている、しかし白尻には
「少し…時間を稼いでくれ…発作が…あたしのシックパワーが出来そうや」

 策があったのだ!球印は希望を持った、が、どう時間を稼げばいいのか解らない。あんなでかい男を…しかもナイフ付きだし…
ん?待てよ?ここで球印が疑問に思った、この疑問こそが、実は幸運の元だったのだ!
その疑問を、何と須賀路に直接ぶつけた!
「お…おかしくねーか…人間が透明になるのはわかる…が…よォ…何だってナイフまで透明になんだよ…」
話しかけるのは怖かったが、それ以上に解決したいという思いの方が強かった、そしてそれがまた幸運へと近づいた、須賀路が話に乗ってきたのだ!
「そりゃあ俺のシックパワーがよォ…強烈過ぎるからに決まってるっぺェ…」
そんな決まり事球印は知らなかったが、白尻は知っていた、"病力シックパワー”には常識では測れない力があることを…
「まさか服まで透明になってるわけないよな…まさか…スッポンポン…」

 白尻がボケてきた。彼女はこのチャンスを逃さなかった。時間稼ぎのチャンスを…球印がシックパワーの性質をよく知らず、疑問を感じ、かつ敵に話し掛けてくれたのが幸運だったのだ。
「おいおい白尻ィィ!!おめーは知ってる筈だろーがよォ!」
須賀路にはボケているのがばれていた。
「ああ…知っていたさ…病力シックパワーで服を透明にしたんだろ…尋常性白斑は皮膚の色素を奪って白くする病気、それの病力は物体の色素を奪い、白を通り越して透明にする能力ちからや、そうやろ?」
白尻は胡座あぐらをかき、淡々と語った。ついでに球印にも解るように。
「流石だっぺ…よーわかっとるのォ…流石天才児…」
須賀路は褒め称えた。球印も理解したようだ。
「しかしまー、あんたのパワーはすげーわ…」
白尻はお返しにと褒め返した。
「で、それで日本を変えたんねんな…」
「えっ?マジ?あいつが??」
白尻の意外な発言に、球印が食いつく。

「自民党の席を半分ほど…消したんやで」
「ヒャハハ…」
白尻が更に芸人並みのボケをかまし、球印が笑った。
「ありゃ自民党の自業自得だっぺェ!!」
須賀路が激しく突っ込んだ。2017年現在、自民党議員の数々の不祥事が祟り、選挙で惨敗している。
 ここで球印が、おもむろに財布を取り出し、中身を確認しだすと、
「あっ!?一万円が無くなってる!お前!消しやがったな!」
「知るかーー!!」
場の空気読んだのだろう、球印までボケてきた、時間稼ぎだということを察知し、加担したのだ。当然須賀路は怒鳴り突っ込んだ。
「ちゃうね、消したんやあない、パクったんや」
「何ーー!許せねェ!警察に突き出してやる!!」
又しても白尻と球印。しかし、
「あっ!サツはやべー!行けねーんだった!」
球印は思い出した、自分がヤバイことをしでかした事を、そして逃げている最中だった事を。
「警察がどうしたん?」
「な、何でもねーぺェ!」
白尻の問いに、球印は移った方言で答えた。
「大体よォー、何で中のお札だけ消すんだよ!やるんだったら財布ごと消すっぺョ!」
須賀路の突っ込みはもっともだった。
「そういえば…幸せの青い鳥が消えてはる!」
白尻が突拍子も無い事を言い出した。おそらくボケの一種だと思われる。
「いや…はなっからいなかったやん、そんなの…」
球印が突っ込んだ、が!受けてはいなかった。
「青い鳥って、何だっぺェ…」
須賀路も微妙な反応、そう、滑ったのだ。白尻的には自分がお花畑で花を摘み、小鳥たちと戯れていそうな、青い鳥を肩に乗っけていそうな、一昔前の少女漫画の登場人物と擬えてのギャグだったのだが、いまいちピンとこなかったようだ。これには白尻は思い切り赤面した。

 球印の切られた傷口が痛み出した、白けて我に返ったからだ。
「いて!いててェ!メッチャ血が出てきた!痛えェ!!」
痛がる球印に白尻は、
「血ィ出たぐれーで、そんな痛がるなや…」
呆れて叱った。
「痛ェに決まってるべ!ボケ!おめーかて切られただろォ?痛くねーのかよ?」
球印はムキになって反論した。
「ちいとはな…だがこんなもん、毎週検査で注射器を背骨に打ち込まれるあの痛さに比べれば…なんてことはない…」
「な!?検査ァ??」
白尻の体験談に、球印は驚く!
「白血病の検査や…骨髄に…骨に針が刺さるんやで…ホンマ骨が折れる痛さなんやで…毎週や…」
「は、白血病だとォーー!」
白尻のこの言葉に、球印は彼女が白血病だということが解った。そして骨を折ったことはないが、その痛さは想像できるアザができる数万倍の痛さだということを。その想像に思わず、
「ヒエエ…」
と悲鳴をあげてしまった。
「そしてそんな痛さよりも辛いのは病院でできた友人の死、病人ということで周りから疎まれることやァ!それに比べりゃあ傷なんぞそよ風に等しいわ!」
白尻は続けて叫びながら立ち上がった!その際、一瞬凄まじい風圧のような気迫を球印、須賀路は感じ、恐怖した。
 球印は悟った。このガキが想像を絶する人生を送っていることを。友達の死を目の当たりにし、挙げ句いじめまで経験している人生であることを…

「その若さで白血病とはなァ…テレビで見たことがある…死ぬ病気なんだよなァ可哀想に…」
意外に優しい球印、いや、人間として子供が不治の病に冒されたら心配の一つくらいするのが普通だ。
「同情は勘弁してくれ…余計に痛む…それに…あたしは…死なへん…」
白尻はこう答えたが、心配してくれて有難う、とも心では思っていた。
「んで、白血病の病力って、どんなんだよ?」
球印が質問。
「ふふ…世の中の…ルールを変える…」
白尻の答えに球印は驚く、そんなに強力なパワーなのかと。須賀路もビビッた。
「スポーツの…ルールを変えるのさ…相撲のね…はっけよい!の掛け声をはっけつよい!ってね…」
白尻の顔がこれは冗談、といってそうな顔だった。ギャグかい!球印は少し吹いてしまった。しかしこれに怒った人間が一人、
「もういいっぺェー!おめーらの前座レベルのコントはいらねえぺっぺっぺー!!」
須賀路だった、流石に苛ついている、そして早く二人を殺してやりたいと疼いていた。
白尻は笑みを浮かべ、ふっふっふと笑った。球印は須賀路の怒号よりも、白尻のそれの方がビクついた。
「まァ確かに今までのは前座や…こっからが本番やでェ…」
白尻は笑いながら"前座"の終わりを告げる。

「さァー!血ィ流すでェェー!!」
白尻のこの発言、冗談ではないと球印は直ぐに悟った。須賀路の方は更に恐怖する、彼女は両手を勢いよく広げた。
 白尻の傷口から血が勢いよく流れ出した、いや、傷口でない肌からも流れ出しているではないか!両腕全体から血が滴り落ち、まるでヤングマンの衣装の羽根のようだ。熱も帯びてきている、湯気も沸いてきている、まさに溶岩だ。
 須賀路が息を切らしている、自らの命が危ういと感じている表情だ。この少女と、それから流れ出ている山から、いや地獄から出たような溶岩を見て。
 その赤い溶岩はやがてマーブル状に白が現れ、血全体が徐々に白くなっていく、そしてそこから水滴が逆の雨のように浮上し、空中で止まった。
 須賀路は足がすくんで逃げることも出来ない。球印はただ呆然とその光景ファンタジーを眺めていた。そして悟った、このガキはやはりただ者ではないと…
 白尻は、須賀路を指差した、すると白の血の水滴は一斉に彼に向かってすっ飛んでいった。
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