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Chapter3 狂犬(ガング)
Act07 超応用力!!怒りで発明されし新たなる技!?
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犬の口から発射された光線、人間の局部から発射された光線は激しく衝突し、光と轟音が発生した。
どうやら犬からの方が威力は上だったようで、小さく残った光線が球印に炸裂、後方に飛ばされた。
打撲か?骨が折れたか?癌の痛みとは別の痛みで、球印は立てなかった。手を付いて立ち上がろうとしたが、やはり無理だった。彼はそのままの体勢で考えた。
《畜生…こんな下らない痛みで…これじゃあ白尻に笑われちまうぜ…立て…立ち上がれェーー俺ェーー!!》
根性だった、根性で立ち上がった!が!パンチパーマの男はニヤ付いていた。そして、子犬が入っている籠を激しくたたき始めた。
「よおし!おい!とどめだ!」
パンチパーマは”波動犬”を出すように合図した、ところが子犬はグッタリしている、病犬なので仕方がないのだが。
ここで球印が
「おいおい、犬治すために、殺人犯していいのかよォ…エェ!刑務所行っていいのかよ…主人いなくなっちゃあ、犬かわいそうだろ…忠犬ハチ公にするつもりかァ!?」
命乞いではない、強気であるため、質問である。
「バーカ!病力持ち殺しても、罪になるはずねェだろう、常識だよジョ・ウ・シ・キ!」
この答えに球印は、強烈なショックを受けた!どういうことだ?病力持ちというのはなんなのだ?殺してもOK?そして殺されてもOK?法律が通ってねえ、意味が解らねえ、と。
「さあ!これで決着がつきま~す!」
パンチパーマは更に籠をたたき合図を送るが、犬はなかなか光線を発射しない。
パンチパーマは苛つき、
「おい!いいところなんだから、早くしろよ!」
籠を激しくシェイカーのように激しく揺する。
この光景に球印は激しい怒りを感じた。そしてあることに気付いた。
「うおいッ!やめろやァァてめー!!」
球印は体調にもかかわらず叫んだ!パンチパーマはハア?と睨み付けた。
「愛犬だあ?全然かわいがってねーじゃあねーかョ!いじめてんじゃあねーよ!」
「ハア?かわいがってんじゃあーん、かわいがり、やってんじゃあああーん!」
球印の気遣いにパンチパーマは非情な反論。
”かわいがり”とは、相撲界における隠語で、いわゆる”しごき”、いや”いじめ”である。
”しごき”と”いじめ”の区別のつかない頭の悪い指導者、会社の上司じゃ今も昔も問題になっている。
しごきとは相手を成長させるため厳しくする事であり、いじめは自分が快感を得るため、ストレスを発散させるためにのみ相手を痛めつける事で、心を傷つけ相手の成長を止めてしまうこともある愚行である。
しごきをするためにはまず、自分の感情をコントロールすることができなければ、相手を辛抱強く見守る忍耐力はなければ、そしていじめを絶対に許せない優しさがなければ務まらないのである。
かわいがりの意味を知っている球印は、奴の言葉に怒り、
「やッ野郎ォォォーー!」
激しく叫ぶ!そして話を続ける、
「ぶっちゃけてめー、犬を治す気なんてねェんだろ?籠入れて揺すったんじゃあ死んじまうもんなァ」
これにパンチパーマは質問。
「ほほー、じゃあなんで俺は戦ってるってンだあ?」
「動画アップするためだろう、さっきから実況してる感の独り言が多いしなァ、そしててめーの後ろに、スマホで撮ってる奴いてるしなァ!」
怒鳴り答える球印。彼は気付いていた、玄関の向こう側に、細目の男がスマートフォンをかざしている事を。
「おい豊島!!見えてんぞ!」
「何だよ阿部ェーそんなのどーでもいいんだよ、バラエティ番組だって、カメラマン移るだろォ」
奴らの会話から、パンチパーマの男はアベ、細目の男はトヨシマだということが、球印は解った。
阿部はポケットから何かを取り出した、何と!拳銃だった。すかさず球印に向け発砲!しかし水だった、水鉄砲だったのだ。
球印は水をその浴びてしまった!凄まじい熱さと激痛がした。
「ククク…硫酸の威力はどーよ…この展開は想像できなかっただろーなァ…まさか健康な人から攻撃されるなんてなァーー!」
阿部の笑いに、球印は、
「健康?いやー違うね、病気じゃん、頭のな…腐ってやがるじゃん…こりゃあどんな薬でも治せねえ…地獄の病院に行かんとなァー!!」
笑い返した。大人の対応である。
更に水鉄砲で硫酸を浴びせる阿部、豊島と二人で笑いながら。対照的に球印はうめき苦しんだ。
「しぶてえなあ…よっしゃマックスの濃さをお見舞いしてやるぜェ」
阿部は更に水鉄砲に硫酸を継ぎ足す、その時に出る煙が凄まじかった。今度は火傷じゃあ済まない、確実に骨まで溶けて死ぬ。
「おい!犬にとどめさせてやれよ、一人で楽しんでんじゃあねェよ、何の為に病犬大砲を作ったんだよ」
阿部に文句つける豊島。
「おー、そーかそーか、盛り上がんねーもんなァ、苦労して病気仕上げたからなァ」
作った…?仕上げた…?球印はこの会話で、奴らの外道ぶりが解った。奴らは犬をわざと病気に"仕上げ”、シックピルを飲ませ”病犬”の”大砲”を作ったということを。
今までの人生でない、激しい怒りを感じた球印。決して正義感の強い人間という訳ではないのだが、それなりの”人の心”は持っている。持っていて、奴らの行為に憤らない筈がない。
地鳴りの音がする感じがする、怒りで。球印はゆっくりと立ち上がる、打撲と火傷で不可能な筈なのに、立てた。おそらくこれは怒りの所為だろう。
犬が苦しそうに唸り始めた。阿部、豊島は笑みを浮かべた。
「さ~あ出るぞ~、波動犬出るぞ~!」
阿部が準備出来たことを実況する。豊島も期待を膨らましスマートフォンを翳す。
怒りで気付かなかったが、球印の股間も先程から激痛が走っている。つまり、準備が出来ているということである。
しかし、あの犬は殺したくない!犬だって被害者なのだ!ブチ殺すのはあの二人だけだ!球印はそう思った。
ズボンを下ろし、チ〇コを犬に向けた球印。犬は殺さないと誓ったにもかかわらず撃とうとしている。そう、光線を相殺するためだ。
しかしここで、
「撃つつもりらしいぜ…よォし阿部、ダブルで攻撃してやろうぜ」
豊島はとんでもない作戦を提案してきた!
「いいねェ…さっきのように相打ちになるってことがねーしなあ、あいつ確実に死ぬぜェ」
阿部は笑ってOKした。球印は怒りながらにビクついた。
犬の口が光り始めた、いよいよ光線が発射される!並びにチン〇の方も光っている!球印も準備万端だ。
ただ最大の問題は、敵側が硫酸攻撃との二つ掛かりであるということである。球印、圧倒的不利!どちらかを弾き返してももう一方がぶち当たる、最悪の状態!結婚式と葬式を同時に行うようなもの、縞模様が赤、黒、白になってしまうようなものである。
球印は焦る!悩む!息が荒くなる!どうすればいいか必死に思考した。もう時間がない!撃たれたら終わりだ!
どちらに撃ってもヤバイ!犬に撃って砲撃を相殺しても、阿部の攻撃が命中する。阿部を撃っても犬に撃ち殺される。まさに”究極の選択”だ。二つ同時に撃てれば…
ここで球印ニヤっとした。考えが閃いたのだ!出来る!撃てるぞ!と。
「さあ、お別れだよ球印くん…」
映画や漫画に影響されたであろう台詞を吐く阿部。そして遂に犬から、水鉄砲から攻撃が発射された!
「おわかれ?わかれるのは…」
言い返す球印。そして〇ンコから…
「俺のアンダーフラッシャーだあァァーー!!」
”必殺技を叫ぶ”という気合いを入れ、発射した球印。何ィ?と阿部、豊島は呆気にとられた!
なんと!股間から発射された光線は、二つに分かれて出されていたのだ!一方は阿部から発射された硫酸に、もう一方は犬からの光線に正確に狙いを付けていた、ここまで正確なのは、おそらくシックパワーの能力の一つだろう。
そう、球印は、さっきのトイレからヒントを得たのだ!尿があらぬ方向に行く時がある、それは先っぽの口が潰れていたりするからである。それならばホースのように先を潰して出せば二つに分けられるというわけだ。
犬からの攻撃は相殺して打ち消したが、阿部からの攻撃は貫通し、そのまま阿部に直撃し、上半身が頭皮だけ残して消し飛んだ!つまりパンチパーマだけが残ったのだ。阿部は絶命する寸前に、
「アベシッ!」
とだけ言い残した。
阿部は潰した、残るはアイツだけ、処刑方法はもう決まっている。球印はそう考えると、すかさず力を振り絞り、阿部の残り腕を取り去り、犬の籠を奪った!そしてそれを豊島に向けた。
ビビる豊島!犬の口はいきなり光り出した。やはり豊島に相当の恨みを持っていたのか、直ぐに攻撃態勢に入ったのだ。
命乞いをする豊島だが、球印は、そして犬は聞く耳持つはずがなかった。そして”波動犬”が発射された!豊島は細目を思い切り見開きながら、
「トヨシィィーー!!」
と、断末魔を叫び消滅した。
闘いが終わり、無事外道共を地獄に追いやった球印は、ホッと息を撫で下ろした。
「おい犬!お前を苦しめていた奴らのはくたばったぞ!これで自由だ!よかったのォ!」
球印はやはり犬好きのようだ。宥めた後、犬籠を開けた。
犬はよろめき、少し歩いた後、力尽きたかのように、倒れた。球印がしっかりしろと声をかけるが、動かない、息だけはしているが、荒い、苦しそうだ。
まさか、死ぬのか?いいように扱われたまま、死ぬのか?何の幸せも得られぬまま、死ぬのか?球印はそれではあかんと、犬の体を激しく揺すり、元気にしようとする。
通じたのか、犬は球印の方を向き、
「クウ…ウン……」
そう鳴くとガクリと倒れ、そのまま息が止まってしまう。そしてそのまま、二度と息をすることはなかった。つまり、死んだのである。
今の遠吠えは、球印に対する「ありがとう」例だったのかも知れない。
犬が息を引き取り、薄らと涙を流した。
自宅の近くの土に犬の遺体を埋め、アイスの棒を建て、墓標を作ろうとしたが、ここで困ったことが。
肝心の犬の名前が解らず、なんて書けばいいのか判らなかった。やむを得ず「犬」とだけ書いて墓標とした。球印はちょいと失礼だなと感じながら、冥福を祈った。
最も、アイスの棒を墓標にしている時点で、既に失礼なのだが…せめて当たりの棒を使えばよかったのかもしれない。
それでは、「犬当たり」となってしまうが…
どうやら犬からの方が威力は上だったようで、小さく残った光線が球印に炸裂、後方に飛ばされた。
打撲か?骨が折れたか?癌の痛みとは別の痛みで、球印は立てなかった。手を付いて立ち上がろうとしたが、やはり無理だった。彼はそのままの体勢で考えた。
《畜生…こんな下らない痛みで…これじゃあ白尻に笑われちまうぜ…立て…立ち上がれェーー俺ェーー!!》
根性だった、根性で立ち上がった!が!パンチパーマの男はニヤ付いていた。そして、子犬が入っている籠を激しくたたき始めた。
「よおし!おい!とどめだ!」
パンチパーマは”波動犬”を出すように合図した、ところが子犬はグッタリしている、病犬なので仕方がないのだが。
ここで球印が
「おいおい、犬治すために、殺人犯していいのかよォ…エェ!刑務所行っていいのかよ…主人いなくなっちゃあ、犬かわいそうだろ…忠犬ハチ公にするつもりかァ!?」
命乞いではない、強気であるため、質問である。
「バーカ!病力持ち殺しても、罪になるはずねェだろう、常識だよジョ・ウ・シ・キ!」
この答えに球印は、強烈なショックを受けた!どういうことだ?病力持ちというのはなんなのだ?殺してもOK?そして殺されてもOK?法律が通ってねえ、意味が解らねえ、と。
「さあ!これで決着がつきま~す!」
パンチパーマは更に籠をたたき合図を送るが、犬はなかなか光線を発射しない。
パンチパーマは苛つき、
「おい!いいところなんだから、早くしろよ!」
籠を激しくシェイカーのように激しく揺する。
この光景に球印は激しい怒りを感じた。そしてあることに気付いた。
「うおいッ!やめろやァァてめー!!」
球印は体調にもかかわらず叫んだ!パンチパーマはハア?と睨み付けた。
「愛犬だあ?全然かわいがってねーじゃあねーかョ!いじめてんじゃあねーよ!」
「ハア?かわいがってんじゃあーん、かわいがり、やってんじゃあああーん!」
球印の気遣いにパンチパーマは非情な反論。
”かわいがり”とは、相撲界における隠語で、いわゆる”しごき”、いや”いじめ”である。
”しごき”と”いじめ”の区別のつかない頭の悪い指導者、会社の上司じゃ今も昔も問題になっている。
しごきとは相手を成長させるため厳しくする事であり、いじめは自分が快感を得るため、ストレスを発散させるためにのみ相手を痛めつける事で、心を傷つけ相手の成長を止めてしまうこともある愚行である。
しごきをするためにはまず、自分の感情をコントロールすることができなければ、相手を辛抱強く見守る忍耐力はなければ、そしていじめを絶対に許せない優しさがなければ務まらないのである。
かわいがりの意味を知っている球印は、奴の言葉に怒り、
「やッ野郎ォォォーー!」
激しく叫ぶ!そして話を続ける、
「ぶっちゃけてめー、犬を治す気なんてねェんだろ?籠入れて揺すったんじゃあ死んじまうもんなァ」
これにパンチパーマは質問。
「ほほー、じゃあなんで俺は戦ってるってンだあ?」
「動画アップするためだろう、さっきから実況してる感の独り言が多いしなァ、そしててめーの後ろに、スマホで撮ってる奴いてるしなァ!」
怒鳴り答える球印。彼は気付いていた、玄関の向こう側に、細目の男がスマートフォンをかざしている事を。
「おい豊島!!見えてんぞ!」
「何だよ阿部ェーそんなのどーでもいいんだよ、バラエティ番組だって、カメラマン移るだろォ」
奴らの会話から、パンチパーマの男はアベ、細目の男はトヨシマだということが、球印は解った。
阿部はポケットから何かを取り出した、何と!拳銃だった。すかさず球印に向け発砲!しかし水だった、水鉄砲だったのだ。
球印は水をその浴びてしまった!凄まじい熱さと激痛がした。
「ククク…硫酸の威力はどーよ…この展開は想像できなかっただろーなァ…まさか健康な人から攻撃されるなんてなァーー!」
阿部の笑いに、球印は、
「健康?いやー違うね、病気じゃん、頭のな…腐ってやがるじゃん…こりゃあどんな薬でも治せねえ…地獄の病院に行かんとなァー!!」
笑い返した。大人の対応である。
更に水鉄砲で硫酸を浴びせる阿部、豊島と二人で笑いながら。対照的に球印はうめき苦しんだ。
「しぶてえなあ…よっしゃマックスの濃さをお見舞いしてやるぜェ」
阿部は更に水鉄砲に硫酸を継ぎ足す、その時に出る煙が凄まじかった。今度は火傷じゃあ済まない、確実に骨まで溶けて死ぬ。
「おい!犬にとどめさせてやれよ、一人で楽しんでんじゃあねェよ、何の為に病犬大砲を作ったんだよ」
阿部に文句つける豊島。
「おー、そーかそーか、盛り上がんねーもんなァ、苦労して病気仕上げたからなァ」
作った…?仕上げた…?球印はこの会話で、奴らの外道ぶりが解った。奴らは犬をわざと病気に"仕上げ”、シックピルを飲ませ”病犬”の”大砲”を作ったということを。
今までの人生でない、激しい怒りを感じた球印。決して正義感の強い人間という訳ではないのだが、それなりの”人の心”は持っている。持っていて、奴らの行為に憤らない筈がない。
地鳴りの音がする感じがする、怒りで。球印はゆっくりと立ち上がる、打撲と火傷で不可能な筈なのに、立てた。おそらくこれは怒りの所為だろう。
犬が苦しそうに唸り始めた。阿部、豊島は笑みを浮かべた。
「さ~あ出るぞ~、波動犬出るぞ~!」
阿部が準備出来たことを実況する。豊島も期待を膨らましスマートフォンを翳す。
怒りで気付かなかったが、球印の股間も先程から激痛が走っている。つまり、準備が出来ているということである。
しかし、あの犬は殺したくない!犬だって被害者なのだ!ブチ殺すのはあの二人だけだ!球印はそう思った。
ズボンを下ろし、チ〇コを犬に向けた球印。犬は殺さないと誓ったにもかかわらず撃とうとしている。そう、光線を相殺するためだ。
しかしここで、
「撃つつもりらしいぜ…よォし阿部、ダブルで攻撃してやろうぜ」
豊島はとんでもない作戦を提案してきた!
「いいねェ…さっきのように相打ちになるってことがねーしなあ、あいつ確実に死ぬぜェ」
阿部は笑ってOKした。球印は怒りながらにビクついた。
犬の口が光り始めた、いよいよ光線が発射される!並びにチン〇の方も光っている!球印も準備万端だ。
ただ最大の問題は、敵側が硫酸攻撃との二つ掛かりであるということである。球印、圧倒的不利!どちらかを弾き返してももう一方がぶち当たる、最悪の状態!結婚式と葬式を同時に行うようなもの、縞模様が赤、黒、白になってしまうようなものである。
球印は焦る!悩む!息が荒くなる!どうすればいいか必死に思考した。もう時間がない!撃たれたら終わりだ!
どちらに撃ってもヤバイ!犬に撃って砲撃を相殺しても、阿部の攻撃が命中する。阿部を撃っても犬に撃ち殺される。まさに”究極の選択”だ。二つ同時に撃てれば…
ここで球印ニヤっとした。考えが閃いたのだ!出来る!撃てるぞ!と。
「さあ、お別れだよ球印くん…」
映画や漫画に影響されたであろう台詞を吐く阿部。そして遂に犬から、水鉄砲から攻撃が発射された!
「おわかれ?わかれるのは…」
言い返す球印。そして〇ンコから…
「俺のアンダーフラッシャーだあァァーー!!」
”必殺技を叫ぶ”という気合いを入れ、発射した球印。何ィ?と阿部、豊島は呆気にとられた!
なんと!股間から発射された光線は、二つに分かれて出されていたのだ!一方は阿部から発射された硫酸に、もう一方は犬からの光線に正確に狙いを付けていた、ここまで正確なのは、おそらくシックパワーの能力の一つだろう。
そう、球印は、さっきのトイレからヒントを得たのだ!尿があらぬ方向に行く時がある、それは先っぽの口が潰れていたりするからである。それならばホースのように先を潰して出せば二つに分けられるというわけだ。
犬からの攻撃は相殺して打ち消したが、阿部からの攻撃は貫通し、そのまま阿部に直撃し、上半身が頭皮だけ残して消し飛んだ!つまりパンチパーマだけが残ったのだ。阿部は絶命する寸前に、
「アベシッ!」
とだけ言い残した。
阿部は潰した、残るはアイツだけ、処刑方法はもう決まっている。球印はそう考えると、すかさず力を振り絞り、阿部の残り腕を取り去り、犬の籠を奪った!そしてそれを豊島に向けた。
ビビる豊島!犬の口はいきなり光り出した。やはり豊島に相当の恨みを持っていたのか、直ぐに攻撃態勢に入ったのだ。
命乞いをする豊島だが、球印は、そして犬は聞く耳持つはずがなかった。そして”波動犬”が発射された!豊島は細目を思い切り見開きながら、
「トヨシィィーー!!」
と、断末魔を叫び消滅した。
闘いが終わり、無事外道共を地獄に追いやった球印は、ホッと息を撫で下ろした。
「おい犬!お前を苦しめていた奴らのはくたばったぞ!これで自由だ!よかったのォ!」
球印はやはり犬好きのようだ。宥めた後、犬籠を開けた。
犬はよろめき、少し歩いた後、力尽きたかのように、倒れた。球印がしっかりしろと声をかけるが、動かない、息だけはしているが、荒い、苦しそうだ。
まさか、死ぬのか?いいように扱われたまま、死ぬのか?何の幸せも得られぬまま、死ぬのか?球印はそれではあかんと、犬の体を激しく揺すり、元気にしようとする。
通じたのか、犬は球印の方を向き、
「クウ…ウン……」
そう鳴くとガクリと倒れ、そのまま息が止まってしまう。そしてそのまま、二度と息をすることはなかった。つまり、死んだのである。
今の遠吠えは、球印に対する「ありがとう」例だったのかも知れない。
犬が息を引き取り、薄らと涙を流した。
自宅の近くの土に犬の遺体を埋め、アイスの棒を建て、墓標を作ろうとしたが、ここで困ったことが。
肝心の犬の名前が解らず、なんて書けばいいのか判らなかった。やむを得ず「犬」とだけ書いて墓標とした。球印はちょいと失礼だなと感じながら、冥福を祈った。
最も、アイスの棒を墓標にしている時点で、既に失礼なのだが…せめて当たりの棒を使えばよかったのかもしれない。
それでは、「犬当たり」となってしまうが…
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