1 / 1
パロディ 桃太郎
しおりを挟む
桃から生まれた桃太郎は、ある日、おじいさんとおばあさんに言いました。
「僕、鬼ヶ島へ鬼退治に行ってくるよ! 鬼の財宝をたくさん持って帰ってくるからね!」
「桃ちゃん、かっこいい~!」
「さすがわしの育てた子じゃ♪」
おじいさんとおばあさんは大喜び。
桃太郎は、おじいさんやおばあさんの期待を背に受けて、意気揚々と鬼退治に出かけました。
道すがら出会った猿とキジと犬にキビ団子をあげ、みんなで鬼ヶ島へ到着しました。
突然、鬼退治に現れた桃太郎たちに、鬼たちは困惑の色を隠せません。
「俺たちは鬼ヶ島で慎ましく暮らしているだけなのに、なんで退治されなきゃならないんだ?」
「人間に、何も迷惑をかけていないぞ?」
「おまけに、この島の財宝まで持っていくだと? 強盗殺人じゃないか」
鬼たちは口々に不満をもらしました。
そう言われると、桃太郎も自分が間違っているような気がしてきましたが、おじいさんやおばあさんや村の人々に、鬼退治をして財宝を持って帰ってくると言ってしまった手前、すごすごと帰っては面子が丸潰れです。笑い者にされちゃうかも。どうしよう。と焦っていると、猿とキジと犬まで不満を言いだしました。
「桃太郎さん。僕たちのバイト代がキビ団子数個というのは少なすぎますよ。鬼退治といえば、命がけで戦うんですよ? キビ団子数個でそんな危ない仕事をさせるなんて、労働基〇局に訴えますよ?」
ガ~ン!!
ますますピンチの桃太郎。このままでは強盗殺人未遂で逮捕され、労働〇準局でこってり絞られそうです。
「あぁっ。俺はなんて浅はかだったんだ!このままでは村の英雄どころか、逮捕されてしまうじゃないか!」
がっくりと膝をつき、しくしく泣きだす桃太郎。
桃印の旗がさびしげに揺れています。
鬼ヶ島の島長は、仕方ないなぁ…と同情し、ひとつの提案をしました。
「桃太郎さん、このまま村へ帰るのは格好がつかないと言うなら、鬼ヶ島と平和条約を結んだと言って帰ればよい。元々、何も揉めたことはないが、手ぶらで帰るよりはマシじゃろう?」
と言って、書類を書いてくれました。
ありがたく受け取って、村へと帰る桃太郎。
平和条約の書類のおかげで地味に英雄となった桃太郎は、鬼ヶ島への観光旅行会社を立ち上げました。
猿・キジ・犬たちは添乗員となり、桃太郎とずっと仲良く暮らしたのでした。
「僕、鬼ヶ島へ鬼退治に行ってくるよ! 鬼の財宝をたくさん持って帰ってくるからね!」
「桃ちゃん、かっこいい~!」
「さすがわしの育てた子じゃ♪」
おじいさんとおばあさんは大喜び。
桃太郎は、おじいさんやおばあさんの期待を背に受けて、意気揚々と鬼退治に出かけました。
道すがら出会った猿とキジと犬にキビ団子をあげ、みんなで鬼ヶ島へ到着しました。
突然、鬼退治に現れた桃太郎たちに、鬼たちは困惑の色を隠せません。
「俺たちは鬼ヶ島で慎ましく暮らしているだけなのに、なんで退治されなきゃならないんだ?」
「人間に、何も迷惑をかけていないぞ?」
「おまけに、この島の財宝まで持っていくだと? 強盗殺人じゃないか」
鬼たちは口々に不満をもらしました。
そう言われると、桃太郎も自分が間違っているような気がしてきましたが、おじいさんやおばあさんや村の人々に、鬼退治をして財宝を持って帰ってくると言ってしまった手前、すごすごと帰っては面子が丸潰れです。笑い者にされちゃうかも。どうしよう。と焦っていると、猿とキジと犬まで不満を言いだしました。
「桃太郎さん。僕たちのバイト代がキビ団子数個というのは少なすぎますよ。鬼退治といえば、命がけで戦うんですよ? キビ団子数個でそんな危ない仕事をさせるなんて、労働基〇局に訴えますよ?」
ガ~ン!!
ますますピンチの桃太郎。このままでは強盗殺人未遂で逮捕され、労働〇準局でこってり絞られそうです。
「あぁっ。俺はなんて浅はかだったんだ!このままでは村の英雄どころか、逮捕されてしまうじゃないか!」
がっくりと膝をつき、しくしく泣きだす桃太郎。
桃印の旗がさびしげに揺れています。
鬼ヶ島の島長は、仕方ないなぁ…と同情し、ひとつの提案をしました。
「桃太郎さん、このまま村へ帰るのは格好がつかないと言うなら、鬼ヶ島と平和条約を結んだと言って帰ればよい。元々、何も揉めたことはないが、手ぶらで帰るよりはマシじゃろう?」
と言って、書類を書いてくれました。
ありがたく受け取って、村へと帰る桃太郎。
平和条約の書類のおかげで地味に英雄となった桃太郎は、鬼ヶ島への観光旅行会社を立ち上げました。
猿・キジ・犬たちは添乗員となり、桃太郎とずっと仲良く暮らしたのでした。
0
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
青色のマグカップ
紅夢
児童書・童話
毎月の第一日曜日に開かれる蚤の市――“カーブーツセール”を練り歩くのが趣味の『私』は毎月必ずマグカップだけを見て歩く老人と知り合う。
彼はある思い出のマグカップを探していると話すが……
薄れていく“思い出”という宝物のお話。
隣のじいさん
kudamonokozou
児童書・童話
小学生の頃僕は祐介と友達だった。空き家だった隣にいつの間にか変なじいさんが住みついた。
祐介はじいさんと仲良しになる。
ところが、そのじいさんが色々な騒動を起こす。
でも祐介はじいさんを信頼しており、ある日遠い所へ二人で飛んで行ってしまった。
そうして、女の子は人形へ戻ってしまいました。
桗梛葉 (たなは)
児童書・童話
神様がある日人形を作りました。
それは女の子の人形で、あまりに上手にできていたので神様はその人形に命を与える事にしました。
でも笑わないその子はやっぱりお人形だと言われました。
そこで神様は心に1つの袋をあげたのです。
世にも奇妙な日本昔話
佐野絹恵(サノキヌエ)
児童書・童話
昔々ある所に
お爺さんと
お婆さんが住んでいました
お婆さんは川に洗濯物へ
お爺さんは山へ竹取りへ
竹取り?
お婆さんが川で
洗濯物をしていると
巨大な亀が泳いで来ました
???
━━━━━━━━━━━━━━━
貴方の知っている日本昔話とは
異なる話
ミステリーコメディ小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる