カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

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アカリとフシギなタマゴ編

7色 今日はこの辺で 

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「今日はありがとうございました」
「ごちそうさまでーす♪」
「またくるね」

 日も暮れてきたので今日は家に帰ることにした。
 農園を出る時にリュイさんが手提げ袋いっぱいに果物をくれた。

「では、私は家があちらなのでここで失礼します」

 リュイさんの農園から十数分ほど歩いたところの商店街の中にある八百屋がマルの家なんだ。

 ちなみにわたしたちがマルって呼ぶのは、マルの家の名前が「マル」っていう名前のお店だからなんだ。

「よしっと、じゃあわたしたちもカーミンに帰ろうか」

 シーニは腰の杖を取り、空中に円を描いて魔法陣を作り、その中から何かを引っ張り出す。

「よいっしょっと……ふう」

 魔法陣から出てきたのは、自転車よりもすこし大きな乗り物だった。 

「へえーすごい! なにこれ!」

 わたしはなんだかかっこいい乗り物に目を輝かせて聞くとシーニは答える。

「これはわたしが開発した二人乗り用の空中バイクだよ」
「空中バイクってことは飛ぶの?」
「うん、しかもこれは魔力で動くから環境にも優しいんだよ」
「なるほど魔力の力で飛べば排気ガスが出る恐れもありませんからね。よく考えられています」

 マルはシーニの説明に感嘆としていた。

「よくわからないけどすごいね!」

 わたしも同じく感嘆としていると、マルはなにかを思い出した顔をして口を開く。

「そういえば、最近とある乗り物会社でこれと似たようなのが発売されましたね。それを元に造ったんですか?」

 マルの質問にシーニは首を傾げ、頭にハテナマークを浮かべるながら答える。

「えっ? 造ったもなにもそれを造ったのも考えたのもわたしだよ」
「えっ!? マジですか!?」

 マルはあまりの衝撃発言に目を見開いて驚いた。

「まあ、いろいろとあったけど、入ってきたお金はほぼ寄付しちゃったかな」
「マジデスカ」

 シーニの話に驚いたマルはカタコトになってしまった。

「まあ、お金だけあったとしても使い道がないなら寄付したほうがいいしね」

 シーニはあははと頬をかきながらいうと、バイクに乗りヘルメットを被る。

「じゃあ、そろそろ行こうか」

 そういうと、シーニはわたしにもうひとつのヘルメットを渡した。

「アカリ乗って家まで送っていくよ」
「うん、ありがとう」

 わたしは渡されたヘルメットをかぶりバイクの後ろに座る。

「じゃあまたね、マル」
「はい。 では、何か解ったら会いましょう」
「うん」
「じゃあね」

 マルに手を振り、シーニはバイクを起動させ、わたしとシーニを乗せたバイクは宙に浮きそのままカーミンまでひとっ飛びした。

  
 十数分ほど飛行を続けてわたしの家が近くなってきたころわたしは下を歩いている少年が目に入った。

「あれってシアンかな?」
「あっ、ほんとだ」

 シーニもシアンに気が付きバイクの高度を下げる。

「おーい! シアーン!」
「ミ~ズキ♪」

 わたしとシーニの声に気付いたのかシアンはこちらを振り返った。

「あっ、アカリとねぇ」

 シーニはバイクをシアンの前に止め、わたしは後ろの席から降りた。

「どうしたの?さんぽの途中?」
「ううん」

 駆け寄りながら聞くと、シアンは首を横に振る。

「わかった! ねぇをむかえにきたんだね」
「アカリの家に行こうと思ってた」

 シーニの言葉には秒で返す。

「わたしの家?」
「うん」

 今度は首を縦に振る。
 
「何かあったの?」
「これを渡そうと思って」

 そういうと、シアンは手に持っていたモノをわたしに渡した。

「これは?」
「……クーの寝どこ」

 それは、大きめの虫かごの箱に綿がいっぱい詰めてあって、その上にクーがすっぽりはいるぐらいに布で丸いくぼみが作ってあった。

「ピュルーン♪」

 それをみたクーは嬉しそうにくぼみの中にはいる。

「こんなすごいの作ってくれたの!ありがとう、シアン!」
「……ん」

 シアンはすこし嬉しそうに笑ったようにみえた。

「お礼を言うならクウタにもいって」
「クウタってクロロン?」

 わたしが首を傾げながら聞くとこくんと静かに頷く。

「ん、クウタと一緒に作った」 

 クウタっていうのはね、わたしやシアンとおなじ学校のクラスメートの緑風空太みどりかぜ くうたくんのことだよ。わたしは彼のことはクロロンって呼んでいるんだ。

「ところでそのクウタくんは?」

 シーニがシアンに聞くと答える。

「びょういん」 
「ビョーイン?」
「何かあったの?」

 わたしは首を傾げるけど、シーニは心配そうに聞く。

「今日がびょういんに行く日だからって言ってた」
「そっか、もともとクロロンってカラダが弱いんだったね」 
「心配だね」

 わたしはクロロンがカラダが弱い事を思い出して心配になる。

「じゃ、渡したから帰る」

 そういうと、シアンはわたしに背をむける。

「まって、シアン」

 わたしはシアンを呼び止める。

「帰るならシーニのバイクに乗って帰ったほうがいいよ! すごい気持ちいいから!」
「……?」

 シアンは振り返りわたしたちが乗ってきたバイクをみる。

「アカリ、それだとここで別れることになるけど大丈夫?」
「うん! もう家がみえてるから大丈夫だよ!」

 わたしはすこし離れた所に見える赤い屋根の家を指さした。

「そっか、気をつけて帰るんだよ」

 シーニはヘルメットをかぶり直し空中バイクに乗る。

「ミズキこれからねぇと空中デートだよ」
「スーパーよって」
「そうだ、はいシアン、これ」

 わたしはかぶっていたヘルメットを外してシアンに渡す。

「……ん、ありがと」

 シアンはヘルメットをかぶると後ろの席に座った。

「じゃあ、アカリまたね」
「バイバーイ!」
「じゃ」

 シーニは空中バイクを起動させ二人を乗せた空中バイクは宙に浮く。 

「ところでミズキ、なにか食べたいものでもあるの?」
「……みずまんじゅう」

 その会話を最後に二人を乗せた空中バイクは日の暮れる夕空を飛んでいった。

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