カラーメモリー『Re・MAKECOLAR』

たぬきち

文字の大きさ
70 / 124
幼馴染とひさしぶり編

70色 幼馴染は救いたい

しおりを挟む
「テレポーテーション」

 マモが呪文を唱えた次の瞬間、わたしたちはシーニの研究所にいた。 そして、レータのカラダからマモの魂が飛び出て、倒れるレータをクロロンをおんぶしているシアンは肩でフラウムは両手で受け止める。

「ええ!? いきなりなに!?」
「ほう、これはなかなか珍しいものを見れたのう」

 突然現れたわたしたちをみてシーニと魔女のおねえさんは驚く。

「すみません、シーニさん、二人を寝かせる場所を借りてもいいでしょうか?」

 フラウムは真っ先に二人の安全を確認する。

「うん、事情は後から聞くよ」

 シーニもただ事ではないことを察して二人を寝かせる場所をつくる。

《キサマラの荷物と履き物もついでに転移させておいたぞ》

 マモの言葉にわたしたちの靴もあることに気がつく。

「めちゃくちゃ気が利くのう」

 それをみて魔女のおねえさんは感心する。



「なるほど、とりあえず、みつけることはできたんだね」

 シーニにクロロンの家でのことを伝える。

「でも、この後どうしたらいいか分からなくて……」
「ねえ、もしかしてキミはしってたりする?」
《…………》

 シーニはマモに聞くけど、マモはなにもいわない。

「もし、しってて黙ってるならマコトに報告しちゃおうかなぁ~?」
《チッ……メンドクサクナルことをするな》

 シーニがイタズラっぽくいうとマモは口を開く。

《先程もいったが、ワタシは全ての魔法に詳しい訳ではない。 だから、今からいうのはあくまでワタシの知識の範囲の情報だが、メモリ一族の記憶操作魔法の解除方法は前もいった様に突然解けることもあれば条件付きで解除することができる》
「その『条件付き』の解除方法を試すんだね」
《ああ、その条件は記憶を入れたメモリーから記憶を本人に移すことだ》
「つまりこのカセットを使えばいいんだね」

 モリメさんは手に持っていたカセットをみる。

《お前は解除の呪文を知ってるのか》
「あ……それは……」

 呪文がわからないのか、モリメさんはうつむいてしまう。

《はぁ……相変わらずメンドクサイ魔法だな》
「どうにかわからないの?」

 モリメさんが訴えるように聞くと、すこし考える様な間の後、マモは答える。

《そうだな、解除の呪文がわからないなら、《無理やり解く》しかないな》
「無理やり?」
《カギをなくした時にカギを壊して無理やり開けるだろ? それと同じで呪文を使わず魔法を解除するんだ》
「そんなことができるの?」

 シーニは驚きながら聞くと、魔女のおねえさんが答える。

「まあ、理論上は可能じゃのう。 じゃが、それはかなり魔法に精通していないと難しいがのう」
《キサマは出来ないのか? 魔女の一族だろ》
「そう簡単にいいなさるな、もしかしたら、おばあちゃんなら簡単に出来るかもしれんが、わたしゃはそんな高度なことやったことないのじゃ」
《やり方はしっているようだな》
「うぐっ……痛いところをおつきなさるな……」

 マモに指摘されておねえさんは目を反らす。

「じゃあさ、やり方だけ教えてよ」
「え?」
「やり方が分かればさわたしがちゃちゃっとそれができる機械造るからさ」

 困っていたおねえさんにシーニはいう。

《ハア!? ナニをいっている? そんな簡単にそんなモノが造れるものか!》
「それが出来てしまうんじゃがな……」
《ナニ!?》

 シーニの発言になんの疑問を持たずに返すおねえさんにマモは驚愕する。

「では、お願いするかのう。 さっそくやり方を説明するがいいかのう?」
「オーケイ」

 おねえさんはシーニに魔法の説明をはじめるが、わたしはいっていることが難し過ぎて終始目を回していた。 そして、説明を聞き終えたシーニは「オーケイ、ちょっとまっててね」というとすこし離れた場所に移動して作業をはじめる。

「おまたせーできたよー」

 数十分後、シーニは数個の機械を持って戻ってきた。

「これがメモリ解除装置と記憶転移装置だよ」
《本当に作ってしまうとは……》

 シーニの発明をみたマモは唖然とする。

「じゃあ、さっそく試すけどいいかな?」
「あ、うん!」

 モリメさんはシーニにカセットを渡す。

「カセットをこれに入れてこっちをクウタくんの頭に被せるっと」

 シーニは機械のセッティングをはじめる。

《これ程までの天才がこの時代にいたのか……》
「かなり抜けているところはあるがシーニさんは紛れもなく天才じゃよ」

 そんなシーニをみて驚愕しているマモにおねえさんはいう。

「よし、これでオッケイっと、じゃあ、起動するね」
「うん!」

 頷くわたしたちを確認すると、シーニは機械のスイッチを入れる。 すると、カセットの指した機械から魔力の光がして、そこから繋がった電線みたいなモノをつたってクロロンの被ったヘルメットの様なものに流れていく。

 しばらくして、光が収まるとシーニはクロロンから機械を外す。

「よし、これで完了だと思うよ」
「え? 終わったの?」
「うん、後は目覚めるまで待てばいいよ」

 意外とあっさりと終わってわたしたちは唖然とする。

 そして、クロロンが目覚めるのを待つことになった。 わたしとフラウムとモリメさんは心配で落ち着かなくてずっとそわそわしていた。


「……うぅ」

 しばらくして、唸り声が聞こえてわたしたちは駆け寄る。

「クウくん!?」
「……おや? 僕はなぜ寝てたんだい?」

 クロロンではなくレータが目を覚ました。

「なんだ……メガネくんか……」
「もう少し寝てていいですわよ」
「なんだい、冷たくないかい?」
「相変わらず扱いが雑いのう」

 落胆するモリメさんとフラウムにレータは悲しそうな顔をする。 今回ばかりはすこしかわいそうだ。

「大丈夫? レータ」

 わたしはレータがかわいそうになったので心配する。

「心配してくれるのはありがたいが、同情する様な目はやめてくれ」

 なぜか逆にレータをキズつけてしまったようだ。


 またしばらく待つと、今度はクロロンから唸り声が聞こえる。

「クロロン!?」

 わたしたちは口々にクロロンを呼ぶ。

 クロロンは左手で頭を押さえてすこし唸りながらゆっくりと上半身を起こす。

「大丈夫ですか? 緑風さん」
「……大丈夫か?」

 みんな心配の声をかける。

「……クウくん?」

 モリメさんはすこし不安のこもった声でいう。

「……!?」

 その声を聞いたクロロンは、モリメさんをみつめると頬をかきながらいう。

「……あはは……なんでこんな大切なこと《忘れてた》んだろうね」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と入れ替えられた村娘の崖っぷち領地再生記

逢神天景
ファンタジー
とある村の平凡な娘に転生した主人公。 「あれ、これって『ダンシング・プリンス』の世界じゃない」 ある意味好きだった乙女ゲームの世界に転生していたと悟るが、特に重要人物でも無かったため平凡にのんびりと過ごしていた。 しかしそんなある日、とある小娘チート魔法使いのせいで日常が一変する。なんと全てのルートで破滅し、死亡する運命にある中ボス悪役令嬢と魂を入れ替えられてしまった! そして小娘チート魔法使いから手渡されたのはでかでかと真っ赤な字で、八桁の数字が並んでいるこの領地収支報告書……! 「さあ、一緒にこの崖っぷちの領地をどうにかしましょう!」 「ふざっけんなぁあああああああ!!!!」 これは豊富とはいえない金融知識と、とんでもチートな能力を活かし、ゲーム本編を成立させれる程度には領地を再生させる、ドSで百合な少女の物語である!

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。 交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。 そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。 その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。 だが、それが不幸の始まりだった。 世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。 彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。 さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。 金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。 面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。 本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

処理中です...