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カラーエブリデイその6
103色 気になる彼の頼み事
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ワタシの名前は村咲菫。 商店街で喫茶店兼ケーキ屋を営む『村サ喫茶』の一人娘だ。
今日は、センパイの農園で出荷の手伝いをしていた。
「……これで、さいごね」
ワタシは最後のリンゴを籠に入れて、出荷分の作業を終えて一息ついた。
「おつかれさま、スミレ」
背伸びをして固まったカラダを伸ばしていると、温和な優しい声がワタシに向けられた。
「は、はい、ありがとうございます」
だらしなくカラダを伸ばしていたワタシは慌てて誤魔化す様に彼の前に行く。
「わざわざ手伝ってくれてありがとね。 本当に助かったよ」
爽やかで綺麗な笑顔を向けられたワタシは無意識に顔が赤くなってしまうのを感じ、センパイから顔を下に向けてしまう。
「い、いえ、センパイのためなら死んでも働きます」
「さすがにそうなる前に止めるよ」
変な事を口走ってしまったワタシにセンパイは優しく返してくれる。 それに、恥ずかしさを感じ、顔を下に向けているのに頭から湯気が出ているのではと錯覚するぐらい顔がさらに熱くなる。
「じゃあ、後はボクの仕事だからスミレは帰っても大丈夫だよ。 お礼に果物ジュースを作っておいたからよかったら家で飲んでね」
「え? もうおわりですか? それにお礼なんて」
ワタシはセンパイの言葉に少し寂しさを覚えながらも聞き返す。 ナゼならワタシはセンパイともっと一緒にいたいからだ。
「うん、これから出荷の為にトラックに乗せるからチカラ仕事になっちゃうし、それにスミレにケガをさせる訳にはいかないしね」
「……そ、そうですよね」
センパイはワタシの為に言ってくれているのはわかっているけど、やはり少し落ち込んでしまう。 そんなワタシに気付いたのか、センパイがもう一度笑顔を向けながらいう。
「じゃあ、スミレにお仕事をひとつあげようかな」
「ワタシにですか?」
首を傾げるワタシにセンパイは優しく頷いて言葉を続ける。
「ボクの作ったジュースが美味しかったか今度教えてほしいな」
つまりまた今度会えるということだ。 センパイのその言葉の意味に気付いたワタシは顔が真っ赤になりながらも言葉を返す。
「は、はい! 今度センパイに伝えます!」
センパイからもらったジュースをカバンに入れて、農園を後にしたワタシは少し浮かれながらも実家に向かって歩いていた。 すると、見覚えのあるくるくる頭の緑色のパーカーを着た青年が目に入った。
「……あれって」
ワタシは少し小走りで近寄ると後ろから声をかける。
「……ねえ」
「!?」
突然声をかけたからか少しビクッと反応したけど、彼は振り返り、ワタシに気が付くと子供の様なかわいい笑顔を向けてきた。
「あ! むらさきさんこんにちは」
「ええ、こんにちは」
彼の挨拶を返しながらワタシは彼を少しみる。 彼の名前は緑風空太くん。 のほほんと優しい雰囲気を漂わせている。
正直、この子はセンパイに比べて全然頼りないけど、ナゼかワタシはこの子が少し気になっていた。 うまく云えないけど、何かセンパイに『似ている』気がした。
「今からワタシの店にでもいくの?」
自分でいって少し恥ずかしくなりながらもワタシが聞くと、彼は「うん」と首を振り答える。
「だけど、今日はむらさきさんに『おねがい』があって」
「え? ワタシに?」
てっきりいつもの様にワタシのお店にコーヒーゼリーを食べにきたのかと思ったけど、意外な言葉にワタシは反射的に聞き返す。
「うん、むらさきさんのお店って『ケーキの予約』ってできたかな?」
「ええ、できるわよ。 それがどうしたの?」
彼からでた言葉に少し疑問に思いながらもワタシは聞く。
「ケーキを『プレゼント』したい人がいて」
「!?」
彼の言葉にワタシは少しカラダを反応させてしまう。
……だれにあげるのかしら……もしかして、あの発狂女? それとも、お嬢様? それか、アホ面女? …………いや、だれにあげようが関係ないわね。 しかも、なんでワタシはそんなこと気にしてるのよ。
「……その……だれにあげるの」
「?」
「!?」
ワタシは自分が聞いてしまったことに驚くが、彼はそんなワタシの言葉が別に深い意味はないと思ったのか、あっさりと答えてくれた。
「かーさんだよ」
「え? 母親?」
頬を掻きながら恥ずかしそうにいう彼の言葉にワタシは少し安心してしまった。
……って、なんでワタシは安心してるのよ。
「……そう、ならよかったわ」
「え?」
「!? いや、なんでもないわ」
つい口にだしてしまったワタシは慌てて誤魔化す。
「それなら、ワタシの店にいくわよ」
「うん」
半ば強引に誤魔化すワタシに緑風くんは特に気にすることなく笑顔を向ける。
「これに『日にち』と『サイズ』、『なにケーキ』かなどの項目を書いてちょうだい。 それと、『書いてほしいメッセージ』とかも」
「うん、わかった」
ワタシの店に入り、受付の紙を渡して説明すると、彼は頷き記入していく。
最後のメッセージの所で少し悩んでいる様子だったけど、何を書いてもらうか思い付いたのか、最後の記入を終わらせた。
「はい、かけました」
元気よくいう彼から伝票を預かり、それを確認していくとワタシは驚いた。
「この日ってまだ『半年以上先』じゃない」
彼の予約した日にちはかなり先だったのだ。
「うん、かーさんの誕生日ってクリスマスと大晦日と正月を一緒くたにされちゃって、ちゃんとケーキとかを誕生日に食べたことがないって言ってたから、せめてちゃんとお祝いしたくて」
「なんか聞いてるだけでかわいそうね」
彼の母親は一体どんな子供時代を過ごしてきたのか逆に気になってしまった。 ケーキを買ってもらえないとか相当貧乏だったのかしら?
「他人のことを聞くのはあれだけど、アナタの母親一体どんな子供時代過ごしたの?」
素朴な質問に緑風くんは普通に答えてくれた。
「えーっと、たしか、家にごはんがなかったから学校帰りとかに食べれる草とかをもって帰って炒めて食べてたとかいってたね」
「……ごめんなさい。 触れていけない内容だったわね」
「え? そうなの?」
あまりの斜め上のエピソードにワタシは唐突に精神ダメージを受ける。 しかし、ナゼか緑風くんは首を傾げて頭にハテナを浮かべている。
「かーさんはすごい笑いながら話してくれるよ」
「ポジティブサイコパスね」
ワタシは話を切り替える。
「まあ、でも、アナタ、マザコンね」
ワタシの言葉に緑風くんは「あはは」と頬を掻きながら苦笑いする。
「そうだね、気持ち悪いかもしれないけど、かーさんは昔、すごい苦労していたみたいだから、せめてぼくからお返しができればと思って」
「そう、苦労されたのね」
「うん、例えば、親に捨てられたのに、ある日の朝、突然、飛行機に乗せられてその着いた先に自分を捨てた親がいたとかね」
「…………ごめんなさい、一旦話を変えましょう」
また、突然の闇深エピソードにワタシは顔を反らしながらいう。
「まあ、とりあえずこれで受付完了ね。 はい、これ、なくさないようにしっかり保管しなさいね」
伝票の下にある控えの紙を彼に渡すと、それを慎重な手付きで受け取る。
「うん! ありがとう、大切に保管するね!」
「そんなに気を張らなくてもいいわよ。 逆に心配だわ」
ワタシがため息交じりにいうと、彼は「あはは」と笑いながら、紙をカバンの中の手帳にしまった。
「ねえ、この後はどうするの?」
「え?」
ワタシは素朴な質問をすると彼は少し考えながら答える。
「うーん、とくにこれといって予定はないけど、ぶらぶら商店街をみて帰るかな」
「なら、ちょっとウチでゆっくりしていきなさい」
「え?」
ワタシの言葉に彼は首を傾げる。
「ちょうどさっき、美味しい果物ジュースをもらったの、よかったら飲んでいきなさい。 サービスするわ」
「え? いいの?」
「ええ、むしろムリやり引きとめてでも飲んでもらうわ。 だって、センパイからもらった絶対美味しいジュースだもの。 この味をしらないなんて人生大損してるわ」
「なら、お言葉に甘えようかな」
ワタシの半ば強引な引きとめに彼は純粋な笑顔を向けて答えると、ワタシの案内した席に座る。
「はい、センパイ特製のジュースよ」
「ありがとう、いただきます」
ワタシからコップを受け取り一言いうと、彼はそれを口に運ぶ。
その後、目を見開いて驚いた様な表情を浮かべると目を輝かせる。
「おいしいよ! すごいおいしいよ!」
相当美味しかったのか語彙力のない感想をいう彼をみてワタシは頬が緩む。
「当然よ、センパイの特製ジュースよ、おいしいに決まってるわ。 センパイのだもの」
誇らしげにいうワタシに緑風くんは少しフシギそうな表情を浮かべたけど、直ぐにナニか気付いた様な顔を浮かべて口を開いた。
「なるほど、むらさきさんはそのセンパイが『好き』なんだね」
「!! は、はああ!? す、すきって!! え、ええ!??」
突然の爆弾発言にワタシは大きく取り乱してしまう。
そして、ワタシの反応に驚いた緑風くんは少しきょとんとするけど、その後笑いだした。
「な、ナニがおかしいのよ!」
「あ! ごめん! 別にむらさきさんをバカにしたわけじゃないんだ」
ほぼ逆切れに近い感じで怒ったワタシに彼は慌てて手を振りながら弁明する。
「え、えーっとなんていうかその、うまくいえないけど」
「ナニよ、言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」
少し考えて言葉を探している感じだった緑風くんは言葉が見つかったのか「そうだ!」という感じの表情を浮かべていう。
「えーっと、むらさきさんっていつもクールで冷静な感じのイメージがあったけど、そんなおもしろくてかわいい反応をするんだなと思って」
「!? か、かわ!?」
突然、かわいいといわれワタシは顔から湯気が出るような感覚に襲われる。
「け、消されたいの!?」
「ご、ごめん!」
商店街にワタシの叫びと緑風くんの謝罪の言葉が響き渡った。
今日は、センパイの農園で出荷の手伝いをしていた。
「……これで、さいごね」
ワタシは最後のリンゴを籠に入れて、出荷分の作業を終えて一息ついた。
「おつかれさま、スミレ」
背伸びをして固まったカラダを伸ばしていると、温和な優しい声がワタシに向けられた。
「は、はい、ありがとうございます」
だらしなくカラダを伸ばしていたワタシは慌てて誤魔化す様に彼の前に行く。
「わざわざ手伝ってくれてありがとね。 本当に助かったよ」
爽やかで綺麗な笑顔を向けられたワタシは無意識に顔が赤くなってしまうのを感じ、センパイから顔を下に向けてしまう。
「い、いえ、センパイのためなら死んでも働きます」
「さすがにそうなる前に止めるよ」
変な事を口走ってしまったワタシにセンパイは優しく返してくれる。 それに、恥ずかしさを感じ、顔を下に向けているのに頭から湯気が出ているのではと錯覚するぐらい顔がさらに熱くなる。
「じゃあ、後はボクの仕事だからスミレは帰っても大丈夫だよ。 お礼に果物ジュースを作っておいたからよかったら家で飲んでね」
「え? もうおわりですか? それにお礼なんて」
ワタシはセンパイの言葉に少し寂しさを覚えながらも聞き返す。 ナゼならワタシはセンパイともっと一緒にいたいからだ。
「うん、これから出荷の為にトラックに乗せるからチカラ仕事になっちゃうし、それにスミレにケガをさせる訳にはいかないしね」
「……そ、そうですよね」
センパイはワタシの為に言ってくれているのはわかっているけど、やはり少し落ち込んでしまう。 そんなワタシに気付いたのか、センパイがもう一度笑顔を向けながらいう。
「じゃあ、スミレにお仕事をひとつあげようかな」
「ワタシにですか?」
首を傾げるワタシにセンパイは優しく頷いて言葉を続ける。
「ボクの作ったジュースが美味しかったか今度教えてほしいな」
つまりまた今度会えるということだ。 センパイのその言葉の意味に気付いたワタシは顔が真っ赤になりながらも言葉を返す。
「は、はい! 今度センパイに伝えます!」
センパイからもらったジュースをカバンに入れて、農園を後にしたワタシは少し浮かれながらも実家に向かって歩いていた。 すると、見覚えのあるくるくる頭の緑色のパーカーを着た青年が目に入った。
「……あれって」
ワタシは少し小走りで近寄ると後ろから声をかける。
「……ねえ」
「!?」
突然声をかけたからか少しビクッと反応したけど、彼は振り返り、ワタシに気が付くと子供の様なかわいい笑顔を向けてきた。
「あ! むらさきさんこんにちは」
「ええ、こんにちは」
彼の挨拶を返しながらワタシは彼を少しみる。 彼の名前は緑風空太くん。 のほほんと優しい雰囲気を漂わせている。
正直、この子はセンパイに比べて全然頼りないけど、ナゼかワタシはこの子が少し気になっていた。 うまく云えないけど、何かセンパイに『似ている』気がした。
「今からワタシの店にでもいくの?」
自分でいって少し恥ずかしくなりながらもワタシが聞くと、彼は「うん」と首を振り答える。
「だけど、今日はむらさきさんに『おねがい』があって」
「え? ワタシに?」
てっきりいつもの様にワタシのお店にコーヒーゼリーを食べにきたのかと思ったけど、意外な言葉にワタシは反射的に聞き返す。
「うん、むらさきさんのお店って『ケーキの予約』ってできたかな?」
「ええ、できるわよ。 それがどうしたの?」
彼からでた言葉に少し疑問に思いながらもワタシは聞く。
「ケーキを『プレゼント』したい人がいて」
「!?」
彼の言葉にワタシは少しカラダを反応させてしまう。
……だれにあげるのかしら……もしかして、あの発狂女? それとも、お嬢様? それか、アホ面女? …………いや、だれにあげようが関係ないわね。 しかも、なんでワタシはそんなこと気にしてるのよ。
「……その……だれにあげるの」
「?」
「!?」
ワタシは自分が聞いてしまったことに驚くが、彼はそんなワタシの言葉が別に深い意味はないと思ったのか、あっさりと答えてくれた。
「かーさんだよ」
「え? 母親?」
頬を掻きながら恥ずかしそうにいう彼の言葉にワタシは少し安心してしまった。
……って、なんでワタシは安心してるのよ。
「……そう、ならよかったわ」
「え?」
「!? いや、なんでもないわ」
つい口にだしてしまったワタシは慌てて誤魔化す。
「それなら、ワタシの店にいくわよ」
「うん」
半ば強引に誤魔化すワタシに緑風くんは特に気にすることなく笑顔を向ける。
「これに『日にち』と『サイズ』、『なにケーキ』かなどの項目を書いてちょうだい。 それと、『書いてほしいメッセージ』とかも」
「うん、わかった」
ワタシの店に入り、受付の紙を渡して説明すると、彼は頷き記入していく。
最後のメッセージの所で少し悩んでいる様子だったけど、何を書いてもらうか思い付いたのか、最後の記入を終わらせた。
「はい、かけました」
元気よくいう彼から伝票を預かり、それを確認していくとワタシは驚いた。
「この日ってまだ『半年以上先』じゃない」
彼の予約した日にちはかなり先だったのだ。
「うん、かーさんの誕生日ってクリスマスと大晦日と正月を一緒くたにされちゃって、ちゃんとケーキとかを誕生日に食べたことがないって言ってたから、せめてちゃんとお祝いしたくて」
「なんか聞いてるだけでかわいそうね」
彼の母親は一体どんな子供時代を過ごしてきたのか逆に気になってしまった。 ケーキを買ってもらえないとか相当貧乏だったのかしら?
「他人のことを聞くのはあれだけど、アナタの母親一体どんな子供時代過ごしたの?」
素朴な質問に緑風くんは普通に答えてくれた。
「えーっと、たしか、家にごはんがなかったから学校帰りとかに食べれる草とかをもって帰って炒めて食べてたとかいってたね」
「……ごめんなさい。 触れていけない内容だったわね」
「え? そうなの?」
あまりの斜め上のエピソードにワタシは唐突に精神ダメージを受ける。 しかし、ナゼか緑風くんは首を傾げて頭にハテナを浮かべている。
「かーさんはすごい笑いながら話してくれるよ」
「ポジティブサイコパスね」
ワタシは話を切り替える。
「まあ、でも、アナタ、マザコンね」
ワタシの言葉に緑風くんは「あはは」と頬を掻きながら苦笑いする。
「そうだね、気持ち悪いかもしれないけど、かーさんは昔、すごい苦労していたみたいだから、せめてぼくからお返しができればと思って」
「そう、苦労されたのね」
「うん、例えば、親に捨てられたのに、ある日の朝、突然、飛行機に乗せられてその着いた先に自分を捨てた親がいたとかね」
「…………ごめんなさい、一旦話を変えましょう」
また、突然の闇深エピソードにワタシは顔を反らしながらいう。
「まあ、とりあえずこれで受付完了ね。 はい、これ、なくさないようにしっかり保管しなさいね」
伝票の下にある控えの紙を彼に渡すと、それを慎重な手付きで受け取る。
「うん! ありがとう、大切に保管するね!」
「そんなに気を張らなくてもいいわよ。 逆に心配だわ」
ワタシがため息交じりにいうと、彼は「あはは」と笑いながら、紙をカバンの中の手帳にしまった。
「ねえ、この後はどうするの?」
「え?」
ワタシは素朴な質問をすると彼は少し考えながら答える。
「うーん、とくにこれといって予定はないけど、ぶらぶら商店街をみて帰るかな」
「なら、ちょっとウチでゆっくりしていきなさい」
「え?」
ワタシの言葉に彼は首を傾げる。
「ちょうどさっき、美味しい果物ジュースをもらったの、よかったら飲んでいきなさい。 サービスするわ」
「え? いいの?」
「ええ、むしろムリやり引きとめてでも飲んでもらうわ。 だって、センパイからもらった絶対美味しいジュースだもの。 この味をしらないなんて人生大損してるわ」
「なら、お言葉に甘えようかな」
ワタシの半ば強引な引きとめに彼は純粋な笑顔を向けて答えると、ワタシの案内した席に座る。
「はい、センパイ特製のジュースよ」
「ありがとう、いただきます」
ワタシからコップを受け取り一言いうと、彼はそれを口に運ぶ。
その後、目を見開いて驚いた様な表情を浮かべると目を輝かせる。
「おいしいよ! すごいおいしいよ!」
相当美味しかったのか語彙力のない感想をいう彼をみてワタシは頬が緩む。
「当然よ、センパイの特製ジュースよ、おいしいに決まってるわ。 センパイのだもの」
誇らしげにいうワタシに緑風くんは少しフシギそうな表情を浮かべたけど、直ぐにナニか気付いた様な顔を浮かべて口を開いた。
「なるほど、むらさきさんはそのセンパイが『好き』なんだね」
「!! は、はああ!? す、すきって!! え、ええ!??」
突然の爆弾発言にワタシは大きく取り乱してしまう。
そして、ワタシの反応に驚いた緑風くんは少しきょとんとするけど、その後笑いだした。
「な、ナニがおかしいのよ!」
「あ! ごめん! 別にむらさきさんをバカにしたわけじゃないんだ」
ほぼ逆切れに近い感じで怒ったワタシに彼は慌てて手を振りながら弁明する。
「え、えーっとなんていうかその、うまくいえないけど」
「ナニよ、言いたいことがあるならハッキリ言いなさい」
少し考えて言葉を探している感じだった緑風くんは言葉が見つかったのか「そうだ!」という感じの表情を浮かべていう。
「えーっと、むらさきさんっていつもクールで冷静な感じのイメージがあったけど、そんなおもしろくてかわいい反応をするんだなと思って」
「!? か、かわ!?」
突然、かわいいといわれワタシは顔から湯気が出るような感覚に襲われる。
「け、消されたいの!?」
「ご、ごめん!」
商店街にワタシの叫びと緑風くんの謝罪の言葉が響き渡った。
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