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七泊八日
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「うわぁ……凄い……」
「雲海ですよ」
「アニメでしか見たことないよ……それにあの家も映画に出てきそう」
「少し真似をしましたけど、廊下の方は雨が降ったら大変かも知れませんねぇ」
「雨戸は……廊下だもんね」
「部屋の前に付けましたよ?流石に空の上と言っても雨は降りますから」
中を見ようと言われ玄関に回ると入口も大きく、入ると耳と尾の出た使用人の女性と男性が出てきて、土下座している。
時代劇で見るお殿様にするようにひれ伏しているのを見て、横では冬弥がため息をついている。
「気にせず行きましょうか」
「あ! 車椅子のタイヤ拭かないと……」
「タオルを……」
すぐに用意され、下に置いてもらって滑らせるように拭く。その後広くて長い廊下をいくつか曲がりながら一部屋ずつ見ていくと、どの部屋も広く何に使うのかものが一切置いていなかった。
「家具は、これから揃えるの?」
「いえ、ここに住むつもりがないですし、来客もないでしょうから、必要になるまでこのままですよ?私の部屋だけは一応仕事があるので作ってありますけど、机と硯が置いてあるくらいですかねぇ」
「寝室もあるんだよね?」
「ありますけど、ここで寝ることはないでしょう……与えられたのでもらっただけです」
「そうなの?」
中庭には池と小さな橋があり、池には鯉がいるとの事だった。
「雪翔、この家どう思います?」
「とにかく広い……かな? こんなに部屋があっても掃除とか大変そうだなって思っちゃう」
「ですよねぇ……」
ぐるっと一周周り、書庫になる予定の部屋にもまだ何もなく、東屋でお茶だけ飲んで家に帰り、家の書庫から本を借りる。
「雪翔!雪翔はどこじゃ!」
祖父が大きな声で呼ぶので、大きな声で返事をして廊下に出る。
「お爺ちゃん、ここだよ?」
「そこにおったか。ちょっと私の部屋に来てくれんか」
「うん……」
初めて入る祖父の部屋で、金と銀がイタズラしないように紫狐に見張っててと言い、車椅子から降りて座布団に座る。
「雪翔、京弥にあげた栞の彫り物くらいなら何日で出来る?」
「えっと、あれは薄かったから四日かかるよ?」
「これなんじゃが……」
祖父が出したものは楕円形の簪。
何も彫っていないが触るだけで良いものだと分かる。
「それに簡単な彫り物をして欲しいんじゃ。道具はあるんじゃが儂では出来んし、今から頼みに行っても一週間はかかるでのぅ」
「もしかして、おばあちゃんの誕生日?」
「うむ、毎年簪を送るんじゃが、すっかり彫り師に頼みに行くのを忘れておって、昨日のことを思い出したんじゃよ」
「どんなの彫ればいいの?」
「おお、してくれるか!この花を彫って欲しいんじゃよ」と一枚の紙を渡される。
「雲海ですよ」
「アニメでしか見たことないよ……それにあの家も映画に出てきそう」
「少し真似をしましたけど、廊下の方は雨が降ったら大変かも知れませんねぇ」
「雨戸は……廊下だもんね」
「部屋の前に付けましたよ?流石に空の上と言っても雨は降りますから」
中を見ようと言われ玄関に回ると入口も大きく、入ると耳と尾の出た使用人の女性と男性が出てきて、土下座している。
時代劇で見るお殿様にするようにひれ伏しているのを見て、横では冬弥がため息をついている。
「気にせず行きましょうか」
「あ! 車椅子のタイヤ拭かないと……」
「タオルを……」
すぐに用意され、下に置いてもらって滑らせるように拭く。その後広くて長い廊下をいくつか曲がりながら一部屋ずつ見ていくと、どの部屋も広く何に使うのかものが一切置いていなかった。
「家具は、これから揃えるの?」
「いえ、ここに住むつもりがないですし、来客もないでしょうから、必要になるまでこのままですよ?私の部屋だけは一応仕事があるので作ってありますけど、机と硯が置いてあるくらいですかねぇ」
「寝室もあるんだよね?」
「ありますけど、ここで寝ることはないでしょう……与えられたのでもらっただけです」
「そうなの?」
中庭には池と小さな橋があり、池には鯉がいるとの事だった。
「雪翔、この家どう思います?」
「とにかく広い……かな? こんなに部屋があっても掃除とか大変そうだなって思っちゃう」
「ですよねぇ……」
ぐるっと一周周り、書庫になる予定の部屋にもまだ何もなく、東屋でお茶だけ飲んで家に帰り、家の書庫から本を借りる。
「雪翔!雪翔はどこじゃ!」
祖父が大きな声で呼ぶので、大きな声で返事をして廊下に出る。
「お爺ちゃん、ここだよ?」
「そこにおったか。ちょっと私の部屋に来てくれんか」
「うん……」
初めて入る祖父の部屋で、金と銀がイタズラしないように紫狐に見張っててと言い、車椅子から降りて座布団に座る。
「雪翔、京弥にあげた栞の彫り物くらいなら何日で出来る?」
「えっと、あれは薄かったから四日かかるよ?」
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「それに簡単な彫り物をして欲しいんじゃ。道具はあるんじゃが儂では出来んし、今から頼みに行っても一週間はかかるでのぅ」
「もしかして、おばあちゃんの誕生日?」
「うむ、毎年簪を送るんじゃが、すっかり彫り師に頼みに行くのを忘れておって、昨日のことを思い出したんじゃよ」
「どんなの彫ればいいの?」
「おお、してくれるか!この花を彫って欲しいんじゃよ」と一枚の紙を渡される。
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