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陰陽の守り神
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「栞さんもお社飛んだんでしょ?」
「今年もなんとか。でも、やっと八尾。那智様もよ?秋彪君たちは六尾になったわ」
「僕はしなくていいんだよね?」
「ええ」
「本見てて、ちょっと興味があるのがあって。月読って書いてあったけど、最初は毎日月のかたちを覚えて書き込んでいくんだって。それをノートに書いてみようかなって」
「思いついたことするのもいいと思うわよ?そうだ、あのね、お小遣いなんだけど……」
「やっぱり多いよ。僕まだ学校も行ってないし、大金だし」
「それは冬弥様が決めたことだから。ノートとか文房具とかは参考書と同じで私たちが出すから、ちゃんと言って欲しいの。高いものは買えないけど」
「今あるので足りてるよ?きっと余ると思う……」
「貯金箱持ってる?」
「持ってないけど」
ちょっと待ってねと栞が持ってきたのはどう見ても賽銭箱。
「これ、貯金箱なの。これに貯めていくのはどう?お金の使い方は任せるけど、貯めていくことも必要だから」
「貰っていいの?」
「いいわよ?実はこれ、前にお土産通りで見かけて買っちゃったの。でも私は好きなものを買えって生活費預かってるけど、欲しいものがなくて……余ったのを貯金箱に入れてるのよ」
「それも賽銭箱?」
「だって可愛かったんですもの!これよりかなり大きいから笑われちゃって……貯まったらみんなで美味しいもの食べに行きましょうね」
夜は結局起きていられなくて寝てしまい、朝ごはんを食べてから、森に行ってみんなを遊ばせる。寒さはあるがそれが日課になっているが、ちゃんとみんな人が来たら隠れてくれるので、今のところ問題は無い。
「雪翔」
「あ、お帰りなさい」
「みんな食堂で待ってますから行きましょうか」
「お昼には早いよ?それに今日は休みでしょ?」
「そうなんですけど、みんなでご飯を食べようということになって」
分かったとみんなを影に戻してから下宿まで行く。
面から入ってくれと言われて食堂の扉を開けると、クラッカーが鳴らされ、Happy Birthdayを歌われる。
「え?」
「16歳おめでとう!」
「ほら、ロウソク消して!」
フーっと消すと拍手が起こり、みんなからプレゼントを渡される。
「ほら、開けてみろよ!」
「うん、でも……飾りまでいつの間に?」
「実はこっそり用意してたんだよ。俺誰かにプレゼント渡すの初めてですごく悩んだんだから!」
「海都と一緒に行ったんだけど、ほんとに悩んでんの。それとみんな聞いてくれる?」
コホンと賢司が咳払いし「来年四月から、俺学校の先生!決まったんだよ!来月から研修なんだけど!」
「おめでとう!海都君の高校?」
「星ヶ丘高校!難関だったよ。もう卒業論文も出してあるし、肩の力抜けた!」
「二重におめでたいじゃないですか!もっと早く教えてくださいよ 」
「今朝来たんだ。通知が!だから、雪翔が登校の時は直接かかわれないけど、ちゃんと見てるからな!」
「ありがとう」
プレゼントを開けると、綺麗なグリーンのひざ掛けや手袋。レトロな置時計などたくさん貰った。
「これは私たちからです」と冬弥が取り出したのはカタログ。
「カタログ?」
もう届いてますよ?とニコニコ笑っている。
何だろうとカタログをめくると付箋が貼ってあり、オットマン付きのリラックスチェアだった。
「いつまでもベッドで本を読むよりいいでしょう?」
「ありがと!」
たくさんのご馳走とともに、みんなでゲームしたりして遊び、夕方まで騒いでから自宅に戻ると、部屋にリラックスチェアが置いてあった。
座ってみると硬すぎず柔らかすぎず、リクライニングもついていてとても座り心地がよかった。
「ゆっきー、おめでとう」と紫狐と珍しく橙狐が出てきて、みんなからですと箱を二人で持っている。
「みんな?」
「冬弥様と栞様のお狐と、金や銀に翡翠や白と黒からです。私たちは習慣がないので……」
ありがとうと箱を開けると、頑張って書いてくれた金達の絵と、木ノ実や手作りの肘当てなども入っていた。
肘当てというよりはカバーだったが、雨の日に車椅子につけて欲しいと、女の子の狐が縫ってくれたという。
「漆様と琥珀様からはこれを預かってます」
黒と白の鈴のついた石のストラップに見えるが、少し透き通っている。
「黒は漆様、白は琥珀様の力がこもっていて、邪気を祓ってくれます」
「鞄につけるよ。ご利益ありそう。直接お礼言えたらいいんだけど」
「それについては『要らん』との伝言ですよ?」
「なんだか分かる気がする」
「今年もなんとか。でも、やっと八尾。那智様もよ?秋彪君たちは六尾になったわ」
「僕はしなくていいんだよね?」
「ええ」
「本見てて、ちょっと興味があるのがあって。月読って書いてあったけど、最初は毎日月のかたちを覚えて書き込んでいくんだって。それをノートに書いてみようかなって」
「思いついたことするのもいいと思うわよ?そうだ、あのね、お小遣いなんだけど……」
「やっぱり多いよ。僕まだ学校も行ってないし、大金だし」
「それは冬弥様が決めたことだから。ノートとか文房具とかは参考書と同じで私たちが出すから、ちゃんと言って欲しいの。高いものは買えないけど」
「今あるので足りてるよ?きっと余ると思う……」
「貯金箱持ってる?」
「持ってないけど」
ちょっと待ってねと栞が持ってきたのはどう見ても賽銭箱。
「これ、貯金箱なの。これに貯めていくのはどう?お金の使い方は任せるけど、貯めていくことも必要だから」
「貰っていいの?」
「いいわよ?実はこれ、前にお土産通りで見かけて買っちゃったの。でも私は好きなものを買えって生活費預かってるけど、欲しいものがなくて……余ったのを貯金箱に入れてるのよ」
「それも賽銭箱?」
「だって可愛かったんですもの!これよりかなり大きいから笑われちゃって……貯まったらみんなで美味しいもの食べに行きましょうね」
夜は結局起きていられなくて寝てしまい、朝ごはんを食べてから、森に行ってみんなを遊ばせる。寒さはあるがそれが日課になっているが、ちゃんとみんな人が来たら隠れてくれるので、今のところ問題は無い。
「雪翔」
「あ、お帰りなさい」
「みんな食堂で待ってますから行きましょうか」
「お昼には早いよ?それに今日は休みでしょ?」
「そうなんですけど、みんなでご飯を食べようということになって」
分かったとみんなを影に戻してから下宿まで行く。
面から入ってくれと言われて食堂の扉を開けると、クラッカーが鳴らされ、Happy Birthdayを歌われる。
「え?」
「16歳おめでとう!」
「ほら、ロウソク消して!」
フーっと消すと拍手が起こり、みんなからプレゼントを渡される。
「ほら、開けてみろよ!」
「うん、でも……飾りまでいつの間に?」
「実はこっそり用意してたんだよ。俺誰かにプレゼント渡すの初めてですごく悩んだんだから!」
「海都と一緒に行ったんだけど、ほんとに悩んでんの。それとみんな聞いてくれる?」
コホンと賢司が咳払いし「来年四月から、俺学校の先生!決まったんだよ!来月から研修なんだけど!」
「おめでとう!海都君の高校?」
「星ヶ丘高校!難関だったよ。もう卒業論文も出してあるし、肩の力抜けた!」
「二重におめでたいじゃないですか!もっと早く教えてくださいよ 」
「今朝来たんだ。通知が!だから、雪翔が登校の時は直接かかわれないけど、ちゃんと見てるからな!」
「ありがとう」
プレゼントを開けると、綺麗なグリーンのひざ掛けや手袋。レトロな置時計などたくさん貰った。
「これは私たちからです」と冬弥が取り出したのはカタログ。
「カタログ?」
もう届いてますよ?とニコニコ笑っている。
何だろうとカタログをめくると付箋が貼ってあり、オットマン付きのリラックスチェアだった。
「いつまでもベッドで本を読むよりいいでしょう?」
「ありがと!」
たくさんのご馳走とともに、みんなでゲームしたりして遊び、夕方まで騒いでから自宅に戻ると、部屋にリラックスチェアが置いてあった。
座ってみると硬すぎず柔らかすぎず、リクライニングもついていてとても座り心地がよかった。
「ゆっきー、おめでとう」と紫狐と珍しく橙狐が出てきて、みんなからですと箱を二人で持っている。
「みんな?」
「冬弥様と栞様のお狐と、金や銀に翡翠や白と黒からです。私たちは習慣がないので……」
ありがとうと箱を開けると、頑張って書いてくれた金達の絵と、木ノ実や手作りの肘当てなども入っていた。
肘当てというよりはカバーだったが、雨の日に車椅子につけて欲しいと、女の子の狐が縫ってくれたという。
「漆様と琥珀様からはこれを預かってます」
黒と白の鈴のついた石のストラップに見えるが、少し透き通っている。
「黒は漆様、白は琥珀様の力がこもっていて、邪気を祓ってくれます」
「鞄につけるよ。ご利益ありそう。直接お礼言えたらいいんだけど」
「それについては『要らん』との伝言ですよ?」
「なんだか分かる気がする」
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