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「漆さん!入れないよ……それにあの機械の数字段々無くなってく……」
『仕方がない。ちと待っておれ』
ふっと消えたと思ったら、翡翠の首を子猫のように掴んで連れて来た。
『我らでは触れられんのだ。翡翠とともに行け。翡翠を通す方が戻りやすいだろう』
ほれ、と投げられた翡翠を追いかけて体に向かう。「ぶつかる!」そう思った瞬間、暗いところに入った感覚だけが残り、目を開けると病室だった。
「あぁ、良かった……」
「僕……夢見てたのかな?」
あまりにもガラガラした声だったので、栞がストローをさしたペットボトルの水を飲ませてくれる。
「夢じゃないですよ?医者が言いに来た時は驚きました。漆でも雪翔のあの状態に触ることが出来ないというので、外から何とか気を探りました。翡翠が1番雪翔にあうよう様だったので、乱暴でしたが漆に預けました」
「ポイッて投げるんだもん。落ちると思って行ったら暗いところに行って、起きたらここで……」
「暗いところ?」
「うん。真っ暗」
「他に何か見ましたか?」
「そこから覚えてないけど……」
「分かりました。何にせよ無事終わって良かったです。栞さん途中で泣いちゃいまして大変だったんですよ?」
「と、冬弥様言わないでください……恥ずかしいじゃないですか!」
「那智はソワソワしてましたねぇ」
「う、うるさい!心配して何が悪い」
「あのー」
看護士さんと医者が入ってきて、軽く診察を受けて気分が悪くなければ少し食べてもいいと言われた。
「あ、アイス買ってきてあるの。ほら!」
好きなアイスのアラカルトで、小さいのが六種類カップで入っていた。
「チョコミント……イチゴもいいなぁ」
「アイスは逃げない。毎日ひとつずつ食えばいいだろう?」
「うん、でも見てたら迷っちゃう」
結局チョコミントにして、おやつに毎日楽しもうと冷凍庫に入れてもらう。
「もう夕方をすぎましたけど、明日欲しいものはあります?」
「翡翠にいちごのマシュマロあげて欲しい。助けてくれたから」
「帰ったらあげておきます」
「ご飯は?何か食べたいの無い?」
「病院食出るし。ご飯は美味しくないけど……下宿のご飯がいいけど……漬物はダメかなぁ?糠漬け」
「明日持ってくるわね。それと、夜痛くなったらナースコールで痛み止め貰ってね」
「分かった」
「分かったならパパママと……」
「やだ……」
「どちらにせよまだ雪翔には休息が必要だ。凛を置いていく。冬弥行くぞ」
「那智はせっかちですねぇ。ちゃんと看護士さん呼ぶんですよ」
そう言って帰っていったので、凛を見るとモジモジと椅子に座って下を向いている。
「凛ちゃん?」
「はいぃ」
「どうかした?」
「何でも。痛みますか?1日にできる癒しが限られてるので……」
「今は薬効いてるから大丈夫。心配事?」
「いえ。雪翔様に私の癒しの力が効いているのかと」
「雪翔でいいよ。いつもしてもらってるととても楽になるから効いてるよ?」
ばぁぁっと顔が明るくなり、みんなと同じように呼んでもいいかと聞かれたので構わないといい、アイスを好きなの食べていいよと冷凍庫を指さす。
「わぁ、可愛いです!」
「後五つあるから。いちごのレアチーズに洋梨と葡萄でしょ。後なんだっけ?」
「この赤いのは?」
「ラズベリーかな?だったらもう一つは桃かも!」
「桃!?」
「好き?」
コクンと首を振ったので桃をあげる。
ニコニコと食べているので良かったと思いながら、普段何食べてるのかと気になる。
冬弥や栞の狐は家の中では度々出てきていて、稲荷や団子など和風のものを良くつまんで影に戻っていくこともあるが、那智は和より洋と言った感じなので余計に気になる。
「いつも何食べてるの?」
「いつもですか?那智様は朝昼晩と用意してくれるので、みんな交代で食べてます。おでんが多いです。おやつはお煎餅とか……たまに駄賃にシュークリームくれます」
『仕方がない。ちと待っておれ』
ふっと消えたと思ったら、翡翠の首を子猫のように掴んで連れて来た。
『我らでは触れられんのだ。翡翠とともに行け。翡翠を通す方が戻りやすいだろう』
ほれ、と投げられた翡翠を追いかけて体に向かう。「ぶつかる!」そう思った瞬間、暗いところに入った感覚だけが残り、目を開けると病室だった。
「あぁ、良かった……」
「僕……夢見てたのかな?」
あまりにもガラガラした声だったので、栞がストローをさしたペットボトルの水を飲ませてくれる。
「夢じゃないですよ?医者が言いに来た時は驚きました。漆でも雪翔のあの状態に触ることが出来ないというので、外から何とか気を探りました。翡翠が1番雪翔にあうよう様だったので、乱暴でしたが漆に預けました」
「ポイッて投げるんだもん。落ちると思って行ったら暗いところに行って、起きたらここで……」
「暗いところ?」
「うん。真っ暗」
「他に何か見ましたか?」
「そこから覚えてないけど……」
「分かりました。何にせよ無事終わって良かったです。栞さん途中で泣いちゃいまして大変だったんですよ?」
「と、冬弥様言わないでください……恥ずかしいじゃないですか!」
「那智はソワソワしてましたねぇ」
「う、うるさい!心配して何が悪い」
「あのー」
看護士さんと医者が入ってきて、軽く診察を受けて気分が悪くなければ少し食べてもいいと言われた。
「あ、アイス買ってきてあるの。ほら!」
好きなアイスのアラカルトで、小さいのが六種類カップで入っていた。
「チョコミント……イチゴもいいなぁ」
「アイスは逃げない。毎日ひとつずつ食えばいいだろう?」
「うん、でも見てたら迷っちゃう」
結局チョコミントにして、おやつに毎日楽しもうと冷凍庫に入れてもらう。
「もう夕方をすぎましたけど、明日欲しいものはあります?」
「翡翠にいちごのマシュマロあげて欲しい。助けてくれたから」
「帰ったらあげておきます」
「ご飯は?何か食べたいの無い?」
「病院食出るし。ご飯は美味しくないけど……下宿のご飯がいいけど……漬物はダメかなぁ?糠漬け」
「明日持ってくるわね。それと、夜痛くなったらナースコールで痛み止め貰ってね」
「分かった」
「分かったならパパママと……」
「やだ……」
「どちらにせよまだ雪翔には休息が必要だ。凛を置いていく。冬弥行くぞ」
「那智はせっかちですねぇ。ちゃんと看護士さん呼ぶんですよ」
そう言って帰っていったので、凛を見るとモジモジと椅子に座って下を向いている。
「凛ちゃん?」
「はいぃ」
「どうかした?」
「何でも。痛みますか?1日にできる癒しが限られてるので……」
「今は薬効いてるから大丈夫。心配事?」
「いえ。雪翔様に私の癒しの力が効いているのかと」
「雪翔でいいよ。いつもしてもらってるととても楽になるから効いてるよ?」
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「この赤いのは?」
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「好き?」
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