天満堂へようこそ 5

帰還

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ブランとエマをみんなに紹介するとのことだったので、一階に降りていくと、久しぶりに会うノアのおじいさん。田中さんが出迎えてくれた。

「田中さん！ユーリさん！」

「元気そうで安心しました。ノアは役に立ちましたかな？」

「とても！居なかったらどうしようかと思ったぐらいで。それに魔界でもノアはすごかったんだ。結月さんたちと兵のみんなの治療したりとか」

「そんなに誉めるな。照れるじゃないか！」

「結月さんじゃなくて！」

「ノアもこれほどまで誉めてもらえるとは、お付き冥利につきますな。爺として嬉しいですぞ」

「有難うございます。でも、兄のように補助魔法の方も勉強しなければと思いました」

「ノア、今度本を貸しましょう。きっとできると思います。奏太様もなんだか逞しくなられましたか？」

「そうかな？自分ではわからないけど」

パンパンと手を叩く音がしたので振り向くと、ルーカスが二人の紹介をさせてくれと言っている。
すでに知ってはいたが、屋敷のみんなに紹介されて二人は結構照れているようにも見える。

一通り挨拶がすんだところで奥から沢山料理が運ばれてきて、そのままホームパーティになってしまったので、それはそれで楽しむことにした。

「奏太、悪いんだが明日から仕事にいってくれないか？私とルーカスも朝から向かう。資料はユーリから後でもらってくれ」

「いいけど、会議？」

「それは昼からになるな」

「だったら、お昼からでもいい？もう服がボロボロだから買いに行きたいんだけど」

「それなら、エマも連れてってやってくれ。この時代の服はないそうだ」

「わかった。駅前で買い物するから、お昼にbarに送っていくよ」

「ニコルさんは？」

「流石に私はルーカス様の秘書なので今回だけはついていかないといけないのでお願いできますか？」

「わかった。えっと、鍵だけ貸してもらっていい？」

ズボンから取り出した鍵を預かり、明日の朝の10時にここへ来てもらうようにした。

翌朝、食事を終えて出かける支度をする。
バッグから持っていった服を取り出して良く見ると、やはり洗濯らしい洗濯も出来ていなかったので、汚れが目立ちジーンズもボロボロだった。

「ノア、もうこれ捨てて。勿体ないけど着れないから」

「分かりました。クローゼットの中も冬物を出してはありますが、この時期のものがやはり少なくなっていますね」

「半袖とシャツほとんどダメにしちゃったから。ある程度買ってbarに置いておくよ。そしたら帰りに持って帰れるでしょ」

「片付けなどは使用人がしますので」

「じゃぁ、今日はもうスーツで出掛けるよ」

久しぶりに袖を通すとサイズはピッタリだが、少し裾が短くなっている感じがした。
ノアもそれに気づいたのか、股下を測り、全てのズボンの裾を直すように言っておくと言ってくれた。

「伸びたのかな？」

「まだまだ伸びますよ」

「ずっと止まってたからもう伸びないのかと思ったよ」

「そろそろ行きませんと、エマさんが待ってます」