22 / 99
仕事復帰
.
しおりを挟む
真っ赤に燃える城。
何度か見た草原。
隣にはムーとブランとノアやユーリ。
「姫様!」と燃え盛る城に走っていく田中さんと、中年の男性。
それを見て何かを叫んでいるノアとユーリ。
行かないで!と手を伸ばして追いかけようとするのを、ブランとムーが服を咥えて離さない。
「待って!行かないで!」
ガバッと起きると、目の前にはムー。
「奏太君?」
え?と顔を横に向けるとブランも心配そうにこちらを見ている。
「奏太君、ノアさん呼ぶ?」
「いや、いいよ。それより、ちょっとシャワー浴びて来る。まだ暗いからお前達ゆっくりしてていいよ?」
「う、うん……」
汗でベタベタだったので、軽くシャワーを浴びてタオルで拭き、着替えを出しにシャワールームを出ると、ユーリさんがいた。
「え?なんで?」
「ムーさんとブランさんに呼ばれました。ノアは鍛錬していたので代わりに」
「何でもないんだよ?大げさなんだから……」
「その割には顔色が優れないようですが」
ジャージに着替えてリビングのソファに座る。
時間はまだ6時前。
このまま起きていたらいいかとテレビをつけると、丁度天気予報がやっていた。
「奏太さんこれを」
「何これ?」
薄い水色の液体は明らかに水でもお茶でもない。
「とにかく飲んでください。落ち着きますから」
ユーリの出してくれたものだから大丈夫だろうと、一気に飲む。
「甘い……」
「しばらくすれば落ち着くと思います。このまま起きられますか?」
「うん、また寝たら起きられないと思う」
「では、出勤後に使用人がシーツなど取り替えますので今はそのままに。なにか夢でも?」
「ちょっと、ビックリとした夢見ただけだよ?」
「……そうですか?」
「何?ムーもブランも変な顔して」
「だって奏太君、うなされてたもん。ブランがつついても起きなかったよ?ね?」
「クキョゥ……」
心配ないよと言いたかったが、余りにもリアルな夢を見たので何も言い返せない。
少し頭がふわふわしてきたので、そのことをユーリに告げると、ソファをベッド状にして横にしてくれる。
「やはり少し休んでください。チームが集まるのは早くてもお昼からとノアから聞きましたので」と毛布をかけてくれる。
そのまま眠ってしまい、次に起きるとノアが横にいた。
「あ!」
「そんなにいきなり起きられては……」
「何時?」
「まだ9時になったばかりです」
「会社行かないと……」
「お昼からで大丈夫です。先ずは食事を……」
ノアが内線で電話している間に身支度を整える。久しぶりのネクタイは苦しい気がしたが、今日はちゃんとした格好をして行かないとと思い、スーツに身を包む。
「奏太様、まだ時間はありますよ?」
「うん、でももう大丈夫」
「朝は申し訳ありませんでした。稽古を見た兄に行くと言ったのですが」
「いいよ。夢見が悪かっただけだし、子供じゃないんだから」
何度か見た草原。
隣にはムーとブランとノアやユーリ。
「姫様!」と燃え盛る城に走っていく田中さんと、中年の男性。
それを見て何かを叫んでいるノアとユーリ。
行かないで!と手を伸ばして追いかけようとするのを、ブランとムーが服を咥えて離さない。
「待って!行かないで!」
ガバッと起きると、目の前にはムー。
「奏太君?」
え?と顔を横に向けるとブランも心配そうにこちらを見ている。
「奏太君、ノアさん呼ぶ?」
「いや、いいよ。それより、ちょっとシャワー浴びて来る。まだ暗いからお前達ゆっくりしてていいよ?」
「う、うん……」
汗でベタベタだったので、軽くシャワーを浴びてタオルで拭き、着替えを出しにシャワールームを出ると、ユーリさんがいた。
「え?なんで?」
「ムーさんとブランさんに呼ばれました。ノアは鍛錬していたので代わりに」
「何でもないんだよ?大げさなんだから……」
「その割には顔色が優れないようですが」
ジャージに着替えてリビングのソファに座る。
時間はまだ6時前。
このまま起きていたらいいかとテレビをつけると、丁度天気予報がやっていた。
「奏太さんこれを」
「何これ?」
薄い水色の液体は明らかに水でもお茶でもない。
「とにかく飲んでください。落ち着きますから」
ユーリの出してくれたものだから大丈夫だろうと、一気に飲む。
「甘い……」
「しばらくすれば落ち着くと思います。このまま起きられますか?」
「うん、また寝たら起きられないと思う」
「では、出勤後に使用人がシーツなど取り替えますので今はそのままに。なにか夢でも?」
「ちょっと、ビックリとした夢見ただけだよ?」
「……そうですか?」
「何?ムーもブランも変な顔して」
「だって奏太君、うなされてたもん。ブランがつついても起きなかったよ?ね?」
「クキョゥ……」
心配ないよと言いたかったが、余りにもリアルな夢を見たので何も言い返せない。
少し頭がふわふわしてきたので、そのことをユーリに告げると、ソファをベッド状にして横にしてくれる。
「やはり少し休んでください。チームが集まるのは早くてもお昼からとノアから聞きましたので」と毛布をかけてくれる。
そのまま眠ってしまい、次に起きるとノアが横にいた。
「あ!」
「そんなにいきなり起きられては……」
「何時?」
「まだ9時になったばかりです」
「会社行かないと……」
「お昼からで大丈夫です。先ずは食事を……」
ノアが内線で電話している間に身支度を整える。久しぶりのネクタイは苦しい気がしたが、今日はちゃんとした格好をして行かないとと思い、スーツに身を包む。
「奏太様、まだ時間はありますよ?」
「うん、でももう大丈夫」
「朝は申し訳ありませんでした。稽古を見た兄に行くと言ったのですが」
「いいよ。夢見が悪かっただけだし、子供じゃないんだから」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる