天満堂へようこそ 5

浅井 ことは

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仕事復帰

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「狼男?狼人間?」

「同じですが、幻界の狼人間は知能も高く、温厚です。兵になる者もいるくらいで、普段は森に村を作って住んでいますが、害のあるものには凶暴です」

「普段は大丈夫なんだよね?」

「はい。あの2人は元城の兵だったと思うのですが、顔があちらと違うので……」

「お待たせしました。今からこの機械で早送りで流しますので、止める時は言ってください」

「分かった!」

最初の方は三倍の速さで回してもらい、自分たちが出た後から普通に戻してもらう。

「誰も通らないね?」

「影に事務員や清掃員はいますが……」

「あ、ニコルさんだ……でも、ポスターあるよね?」

「ありますね……あ!」

「何?」

「私達が出るところまで戻してください」

また同じ所から再生されるが何も変わらないように見える。

「止めて!奏太様ここを見てください」

ノアが指を指した所はガラスケースの下。
少しだけぼやけて見えているが、なにか小さい者が居るように見えないことも無い。

「ゆっくり進めてください。奏太様見ていてください。多分、ポスターだけ一瞬消えます」

言われた通り見ていると、ニコルが見ている間だけポスターは消えている。

そしてニコルが帰った後はまた元に戻っている。
その後、俺が確認した時にも同じ現象が起きていた。

「何これ?だったら、いつ無くなったんだろう?」

「ルーカスさんを呼びます」

内線を借りてバーにいるであろうルーカスを呼ぶ。五分もかからずに来て映像を見ると、眉間にシワを寄せて何やら考え込んでいる。

「どうしたの?」

「ノアの思ってる通り、こいつは魔界の生き物だ。奏太、幻界の庭小人見たことあるか?」

「うん」

「それと同じ様なもので、魔小人とも呼ばれている。普段はどこかの屋敷や家の隅で暮らしていて、害はない。だが、よく間違われるのがインプだ」

「インプ?」

「魔小人より少し大きくて蝙蝠のような羽があるんだ」

「俺の知ってるのより大きいってこと?」

「見た目はな。ただ悪戯好きなんだ。それにいついてる家のものや、変な魔術で呼び出されて使われることもある面倒臭い奴なんだよ」

「捕まえれないの?」

「すばしっこいから、餌がいる」

「お菓子とか?」

「あいつが狙ったのはガラスケースに入ったお前のポスターだろ?まだあるか?」

「食堂にあったのを下げさせたけど」

「夜でなくても良いんだ。人気の無いところにそれを置いておけばすぐに来る」

「なんか嫌だなぁ」

「ですがそれしか方法がないのであれば……」

「ノア、奏太の部屋にそれを置くのが良いと思うんだ。俺が退治してやる」

警備員にお礼を言って、下げさせたポスターが置いてある倉庫に行き持って副社長室に行く。
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