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記憶と夢
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「上手い……」
「そうでしょう?結月だって綺麗にしてああやっていたら綺麗なのに残念だわ」
「ルーカスもだ。ふらふらしおって。だからエマを側使いにおいたのに……結婚式だなんて」
とまたハンカチで涙を拭いている。
「奏太様、天王様がお呼びですが」
「ノアは来ないの?」
「近くで待っておりますので」
外に出るバルコニーをちょうど出たところでワイン片手に待っている姿は、少しリアムさんに似ているようにも見える。
「来たか。座りなさい」
「寒くないの?」
机にはたくさんの料理と飲み物がおかれ、側についていた人に手で合図している。
失礼しますとその人が下がると、シャンパンのグラスを渡される。
「俺未成年だから」
「なに、天界では16で成人じゃ。人間の年で言うとだが。それにこれのアルコールはほんの少しじゃから大丈夫じゃろう」
「じゃぁちょっとだけ」
受け取り、グラスを重ねてから少し口に含む。
「あ、美味しい」
「ならよかった。イヴァンに探させたかいがあった。天界の事は学べたかね?」
「大体は。幻界の事は聞いていたから、ちょっと違うんだなって位かな?でも、儀式などは本を読んでも聞いてもあまりピンとこなくって」
「儀式はたくさんあるし、それぞれやり方も違う。神官が取り仕切るから堂々と座っていればいいんじゃが、王位を継ぐときに儂は階段で躓いてこけそうになったのを今でも覚えている」
「え?」
「服が……と言うよりも、裾が長くて引き摺るのじゃが、普段と変わらずに階段を上ろうとして裾を踏んで……今では笑い話じゃが」
「怒られたりとかは?前の王様とか臣下の人とか」
「後でな。その後の結婚式でも同じようなことをしてしまった」
「ドジなんだ……」
「何か言ったか?」
「な、何でも!」
「ノアもこっちに来て座りなさい」
「ですが……」
「全くお前たち二人はよくにている。儂がいいといったらいいのじゃよ?前にも言ったであろう?次は首に……」
「はい。座ります!今すぐに!」
「それで良い。奏太もわかったな?」
「うん」
「それでじゃ。奏太のほら車の学校とやらはどうなっておる?」
「まだ半分ぐらい」
「一度にとってしまおうとか思わんのか?」
「自信無いから通ってるんだよ?」
「結月には悪いんじゃが、奏太は賢い子と聞いておる。乗れれば問題ないんじゃろう?」
「魔法とかでとるのは嫌だから!」
「そんな事をしたら怒るのはわかっておる。一度受けてみんか?」
「何で急ぐの?」
ノアと俺のグラスにシャンパンを注いでくれ、美味しかったので少しずつ飲むが、核心に中々触れてくれない。
「お……お父さん?」
「ふむ。実はの、お前が王子になったのはみんな認めておるんじゃが、民の声と言うものがあるのはわかるか?」
「映画とかでは見るけど」
「そんな感じじゃ。次代の王でもあるから、要するに顔を見せろと言うことじゃ」
「そうでしょう?結月だって綺麗にしてああやっていたら綺麗なのに残念だわ」
「ルーカスもだ。ふらふらしおって。だからエマを側使いにおいたのに……結婚式だなんて」
とまたハンカチで涙を拭いている。
「奏太様、天王様がお呼びですが」
「ノアは来ないの?」
「近くで待っておりますので」
外に出るバルコニーをちょうど出たところでワイン片手に待っている姿は、少しリアムさんに似ているようにも見える。
「来たか。座りなさい」
「寒くないの?」
机にはたくさんの料理と飲み物がおかれ、側についていた人に手で合図している。
失礼しますとその人が下がると、シャンパンのグラスを渡される。
「俺未成年だから」
「なに、天界では16で成人じゃ。人間の年で言うとだが。それにこれのアルコールはほんの少しじゃから大丈夫じゃろう」
「じゃぁちょっとだけ」
受け取り、グラスを重ねてから少し口に含む。
「あ、美味しい」
「ならよかった。イヴァンに探させたかいがあった。天界の事は学べたかね?」
「大体は。幻界の事は聞いていたから、ちょっと違うんだなって位かな?でも、儀式などは本を読んでも聞いてもあまりピンとこなくって」
「儀式はたくさんあるし、それぞれやり方も違う。神官が取り仕切るから堂々と座っていればいいんじゃが、王位を継ぐときに儂は階段で躓いてこけそうになったのを今でも覚えている」
「え?」
「服が……と言うよりも、裾が長くて引き摺るのじゃが、普段と変わらずに階段を上ろうとして裾を踏んで……今では笑い話じゃが」
「怒られたりとかは?前の王様とか臣下の人とか」
「後でな。その後の結婚式でも同じようなことをしてしまった」
「ドジなんだ……」
「何か言ったか?」
「な、何でも!」
「ノアもこっちに来て座りなさい」
「ですが……」
「全くお前たち二人はよくにている。儂がいいといったらいいのじゃよ?前にも言ったであろう?次は首に……」
「はい。座ります!今すぐに!」
「それで良い。奏太もわかったな?」
「うん」
「それでじゃ。奏太のほら車の学校とやらはどうなっておる?」
「まだ半分ぐらい」
「一度にとってしまおうとか思わんのか?」
「自信無いから通ってるんだよ?」
「結月には悪いんじゃが、奏太は賢い子と聞いておる。乗れれば問題ないんじゃろう?」
「魔法とかでとるのは嫌だから!」
「そんな事をしたら怒るのはわかっておる。一度受けてみんか?」
「何で急ぐの?」
ノアと俺のグラスにシャンパンを注いでくれ、美味しかったので少しずつ飲むが、核心に中々触れてくれない。
「お……お父さん?」
「ふむ。実はの、お前が王子になったのはみんな認めておるんじゃが、民の声と言うものがあるのはわかるか?」
「映画とかでは見るけど」
「そんな感じじゃ。次代の王でもあるから、要するに顔を見せろと言うことじゃ」
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