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記憶と夢
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「え……?」
どのくらいの時間自分が放心していたのかわからないが、肩を叩かれ我に返る。
「誰だ!」
「姫様が来いと言ったんでしょう?どうかされたんですか?」
「ユーリか……」
説明よりも見せた方が早いと思い、ロケットを見せる。
城を出た時はまだ明るかったがかなり薄暗くなってきている。そろそろ戻らないとまずいだろう。
「姫様、まだ新しい痕跡があります。これはどこで?」
「虚の中だ。最後に見たのは木にかかっていたから、最近誰かが入れたんだろう。もしかしなくてもそいつがな……」とペンダントを見る。
「まさか……」
「ユーリ、この辺りにまだ魔力の断片はありそうか?」
「いえ、姫様のが強烈なので分かりません」
「そうか。とにかく、城に戻ろう。その後おっさんに見せるしかないな……おっさんなら1人でも中を覗くくらいは出来るだろう」
ユーリの魔力を使い、馬ごと転移して城に戻る。
城についてすぐに奏太の所へと行く。
「姫様、今までどちらに?」とジョナスに聞かれ、野暮用だとだけ言い、一通り診察をする。
「落ち着いてはいるな。ムー、ブラン、いい加減どいたらどうだ?」
「だって……」
「いいから降りろ。奏太も重いと思うぞ?」
「うん……」
「ジョナス、こいつらに飯やって来てくれないか?水もたっぷりとな」
「御意。参りましょうか」
ムーの上にブランが乗り、ジョナスが部屋を出ていくのを見届けてから、ユーリに天王を呼びに行かせる。
「ノア、奏太は1度でも起きたか?」
「何度か……すぐに眠られたのですが、水は少しずつとっています」
「そうか……なるべく飲む様に言ってくれ。その方が早く余計なものが出るからな」
「分かりました」
扉が開く音がしたので、振り向くと天王が奏太の元に来た。
「おっさん、悪いが奏太は相変わらずだ。話がある」
「なんじゃ?」
王に結界を張らせ、今までの事と調べたことを話した後、木の虚から持ち帰ったものを見せる。
「こんな物が中にか?」
「そのペンダントは奏太の記憶の中では木にぶら下がってた。それが虚の中にあったんだ。中を見てくれ……」
カチッと音がし、中が開けられる。
覗き込んだノアは顔を知らないが、王の顔は真っ青になっており、何故?と呟いている。
「そこでだ。狭間を覗きたい……見るぐらいならおっさんだけでも出来るんだろう?」
「出来はするが、かなりの魔力がいるし、ここでは無理だ。せめて地下でないと……」
「なら、見せてくれ」
「他の王の許可も取らんといかん」
「そんなものはどうでもいいわ!ノア、ルーカスとニコルを連れてこい。ここはエマとジョナスに任せる」
「はい、すぐに」
ルーカスが来るまでに、奏太に点滴を取り付け、水の補充もする。
顔色はだいぶと良くなったが、今奏太が知ったら無理にでも動くだろう。
どのくらいの時間自分が放心していたのかわからないが、肩を叩かれ我に返る。
「誰だ!」
「姫様が来いと言ったんでしょう?どうかされたんですか?」
「ユーリか……」
説明よりも見せた方が早いと思い、ロケットを見せる。
城を出た時はまだ明るかったがかなり薄暗くなってきている。そろそろ戻らないとまずいだろう。
「姫様、まだ新しい痕跡があります。これはどこで?」
「虚の中だ。最後に見たのは木にかかっていたから、最近誰かが入れたんだろう。もしかしなくてもそいつがな……」とペンダントを見る。
「まさか……」
「ユーリ、この辺りにまだ魔力の断片はありそうか?」
「いえ、姫様のが強烈なので分かりません」
「そうか。とにかく、城に戻ろう。その後おっさんに見せるしかないな……おっさんなら1人でも中を覗くくらいは出来るだろう」
ユーリの魔力を使い、馬ごと転移して城に戻る。
城についてすぐに奏太の所へと行く。
「姫様、今までどちらに?」とジョナスに聞かれ、野暮用だとだけ言い、一通り診察をする。
「落ち着いてはいるな。ムー、ブラン、いい加減どいたらどうだ?」
「だって……」
「いいから降りろ。奏太も重いと思うぞ?」
「うん……」
「ジョナス、こいつらに飯やって来てくれないか?水もたっぷりとな」
「御意。参りましょうか」
ムーの上にブランが乗り、ジョナスが部屋を出ていくのを見届けてから、ユーリに天王を呼びに行かせる。
「ノア、奏太は1度でも起きたか?」
「何度か……すぐに眠られたのですが、水は少しずつとっています」
「そうか……なるべく飲む様に言ってくれ。その方が早く余計なものが出るからな」
「分かりました」
扉が開く音がしたので、振り向くと天王が奏太の元に来た。
「おっさん、悪いが奏太は相変わらずだ。話がある」
「なんじゃ?」
王に結界を張らせ、今までの事と調べたことを話した後、木の虚から持ち帰ったものを見せる。
「こんな物が中にか?」
「そのペンダントは奏太の記憶の中では木にぶら下がってた。それが虚の中にあったんだ。中を見てくれ……」
カチッと音がし、中が開けられる。
覗き込んだノアは顔を知らないが、王の顔は真っ青になっており、何故?と呟いている。
「そこでだ。狭間を覗きたい……見るぐらいならおっさんだけでも出来るんだろう?」
「出来はするが、かなりの魔力がいるし、ここでは無理だ。せめて地下でないと……」
「なら、見せてくれ」
「他の王の許可も取らんといかん」
「そんなものはどうでもいいわ!ノア、ルーカスとニコルを連れてこい。ここはエマとジョナスに任せる」
「はい、すぐに」
ルーカスが来るまでに、奏太に点滴を取り付け、水の補充もする。
顔色はだいぶと良くなったが、今奏太が知ったら無理にでも動くだろう。
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