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赤と城
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「王子も鍛錬なされば出来ますよ。基本の型の剣舞もありますから」
「や、止めておく!ここから先は何も無いの?」
「ここが1番端です。反対側にも詰所があり、四方に出れるようになっています」
帰り道を歩きながら、このあたりの地域のことを聞く。
放牧民がいるとの事たったが、気候もいいのだろう。周りは一面草原しかないように見える。
「元々この辺りで天牛などを育て、出荷する。人間界の農場のようなところと言えば良いかと。鳥や豚などもおります。放牧し育てて、乳から牛乳やチーズなど作ったりして過ごす長閑な場所で、それを近くの町から街へと売り、暮らしているものばかりです」
「そんなところに街なんて作ったら迷惑になるじゃん」
「そうでもありません。確かにここは重要なところではありますが、織物や日用品など買う場所がありません。数日掛けて街へと買いに行かなくてはいけないので、前から街をとの声があった場所でもあります」
「そうなんだ……」
「奏太様のお好きな街にして良いとのことですので、建物など作っても構わないのですが」
「うん。でもごちゃごちゃした街は嫌だなぁ。せっかく綺麗な土地なんだから、壊したらいけない気がする」
「奏太様はどの様な街がいいのですか?」
城の周りに街があれば、今ある家とかも壊さなくて済むし、動物にもストレスがないだろうなど、思いついたことを言い、決まったらまた言うよと部屋に入る。
「やっとゆっくり寝れるよ。何だか大変な1日だったね」
「ええ。明日の朝にまたみんなで話し合うと言っていましたのでゆっくりと休んでください。ムーさん達は姫様の所でしょうし、私も部屋を与えれておりまして……姫様と反対側の隣の部屋です。何かあればすぐに呼んでください」
「わかった。おやすみ」
ノアが出ていってから、一通り部屋の中を見て回る。あちらの城と同じような造りになってはいるが、ベランダ側に見馴れた石造りのお風呂が見える。
湯加減もちょうどよかったので、タオルを出して湯に浸かる。
「俺、馬になったんだよなぁ……」
「馬じゃねーよアレは」
「ルーカスさん?」
よう!と手を上げて何故か服を脱いで入ってくる。
いつも突然だが、心臓に悪い。
「声掛けてよ」
「悪い!ノックはしたんだけど、既にお前は湯の中だ」
「良いけど。どうしたの?」
「いや、変化の後ってのは落ち込むか喜ぶかのどちらかだからな。見に来ただけだ」
「そう。落ち込んではいないけど、馬だよあれ……」
「だからさ、違うんだって。あの羽は天界の王家の者の証だが、お前のは一角獣。ユニコーンてやつだな。俺も初めて見たが歴代でも稀らしいぞ?お陰でエマもニコルも無傷だ……礼を言う」
「そんな……俺は飛べって言われて飛んだだけだし」
「それにしても結界良く見えたな」
「うん。たまたまだと思うんだけど」
「やはりお前は防御型なのかもしれないな」
「戦うのは好きじゃないけど。天界でも魔物みたいなの出るのかな?まだ見たことないけど」
「出るには出るな。見た感じは穏やかそうな感じだけど獰猛な奴もいる」
「この辺にも出るのかな?」
「だからの街なんじゃないのか?街の側には出ないからな」
「川とかあるみたいだから、街の中まで引けたらいいなと思うけど。そしたら便利だし……」
「好きな街にしたらいい。俺の預かってるところは飲み屋が多いな。酒場街って感じだ。結月の所は意外にも普通だぞ?」
「や、止めておく!ここから先は何も無いの?」
「ここが1番端です。反対側にも詰所があり、四方に出れるようになっています」
帰り道を歩きながら、このあたりの地域のことを聞く。
放牧民がいるとの事たったが、気候もいいのだろう。周りは一面草原しかないように見える。
「元々この辺りで天牛などを育て、出荷する。人間界の農場のようなところと言えば良いかと。鳥や豚などもおります。放牧し育てて、乳から牛乳やチーズなど作ったりして過ごす長閑な場所で、それを近くの町から街へと売り、暮らしているものばかりです」
「そんなところに街なんて作ったら迷惑になるじゃん」
「そうでもありません。確かにここは重要なところではありますが、織物や日用品など買う場所がありません。数日掛けて街へと買いに行かなくてはいけないので、前から街をとの声があった場所でもあります」
「そうなんだ……」
「奏太様のお好きな街にして良いとのことですので、建物など作っても構わないのですが」
「うん。でもごちゃごちゃした街は嫌だなぁ。せっかく綺麗な土地なんだから、壊したらいけない気がする」
「奏太様はどの様な街がいいのですか?」
城の周りに街があれば、今ある家とかも壊さなくて済むし、動物にもストレスがないだろうなど、思いついたことを言い、決まったらまた言うよと部屋に入る。
「やっとゆっくり寝れるよ。何だか大変な1日だったね」
「ええ。明日の朝にまたみんなで話し合うと言っていましたのでゆっくりと休んでください。ムーさん達は姫様の所でしょうし、私も部屋を与えれておりまして……姫様と反対側の隣の部屋です。何かあればすぐに呼んでください」
「わかった。おやすみ」
ノアが出ていってから、一通り部屋の中を見て回る。あちらの城と同じような造りになってはいるが、ベランダ側に見馴れた石造りのお風呂が見える。
湯加減もちょうどよかったので、タオルを出して湯に浸かる。
「俺、馬になったんだよなぁ……」
「馬じゃねーよアレは」
「ルーカスさん?」
よう!と手を上げて何故か服を脱いで入ってくる。
いつも突然だが、心臓に悪い。
「声掛けてよ」
「悪い!ノックはしたんだけど、既にお前は湯の中だ」
「良いけど。どうしたの?」
「いや、変化の後ってのは落ち込むか喜ぶかのどちらかだからな。見に来ただけだ」
「そう。落ち込んではいないけど、馬だよあれ……」
「だからさ、違うんだって。あの羽は天界の王家の者の証だが、お前のは一角獣。ユニコーンてやつだな。俺も初めて見たが歴代でも稀らしいぞ?お陰でエマもニコルも無傷だ……礼を言う」
「そんな……俺は飛べって言われて飛んだだけだし」
「それにしても結界良く見えたな」
「うん。たまたまだと思うんだけど」
「やはりお前は防御型なのかもしれないな」
「戦うのは好きじゃないけど。天界でも魔物みたいなの出るのかな?まだ見たことないけど」
「出るには出るな。見た感じは穏やかそうな感じだけど獰猛な奴もいる」
「この辺にも出るのかな?」
「だからの街なんじゃないのか?街の側には出ないからな」
「川とかあるみたいだから、街の中まで引けたらいいなと思うけど。そしたら便利だし……」
「好きな街にしたらいい。俺の預かってるところは飲み屋が多いな。酒場街って感じだ。結月の所は意外にも普通だぞ?」
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