妖古書堂のグルメな店主

浅井 ことは

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#11 夏の味覚

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 一時間、二時間と経ち、誰も帰ってこないので今どうなっているんだろうと扉を開けると、扉の横にはマルコ。

「あ、こんばんは」

 間抜けな挨拶をしてしまったが、「こんばんは。皆さんまだ戻ってないので、私がここの警護を任されました」

「ここ、一番安全な場所じゃないの?」

「確かにそうですが、この屋敷の中にも外にも警護は二十四時間体制で行われてますので安心してください。何か飲み物でも……」

「大丈夫です。帰宅したままここに来たんで、ペットボトル持ってきちゃいましたから。それより、俺の部屋今どうなってるんですか?」

「まだ調査中だと思います。調査後に普段と変わらないように片付けも命じておいたので、帰宅されたら普段と同じように過ごせるはずですが」

 特に見られて恥ずかしいものはないが、やはり人に触られるというのはあまり気分は良くない。

 明日帰ったら布団のシーツ洗おう……

 しばらく話し相手になって貰い、アギルとテオ、リヒトが来たのは深夜零時を回ってから。

 状況報告としては、ほんの少しの残留物から今犯人の特定をしている事。部屋の中はクローゼットから出されていた衣類や散乱した本などの片付け。母はぐっすりと眠って貰ったので心配はないという事。

「三住さん……私も現場を見てきましたが、大切なものが無くなっていないかだけ、帰宅してから確認してください」

「分かった。でも何でおれの部屋に泥棒?」

「前にも話しましたが、三住さんの住んでいる場所は特殊なんです。しかも今アギルたちと行動しているでしょう? 何か預かったものがあるとでも思ったのかは分かりませんが、ご自宅は結界を張ってあるのでそう簡単には中に入れないはずなんですけどねぇ」とチラリとアギルを見る視線が怖い。

 アギルはアギルでまたひょっとこのような顔をして、「何も渡していませんよぉ」と言っているが、その顔は何か知っているだろう!

 だが、何かを貰ったり預かったりした覚えもない。

「今夜はどうします? ここに泊ってもいいですけど、僕は嫌なので帰ります」

「帰るよ。朝いなかったら母さんも心配するだろうし」

 何かわかったらすぐに教えて欲しいと告げて、別の扉から一度古書堂に帰り、自宅まで送ってもらう。

「何かありましたら、呼んでください」

「ちょっと待て。電話番号知らないんだけど」

「あ、忘れてましたぁ。一回鳴らしますね」

「何で番号知ってるんだよ!」

「ふふふふふー、内緒ですぅ。テオ君のも教えておきますから」

 番号とラインを教えてもらって、深く考えずに休むように言われたが、まずは部屋の確認だ馬鹿野郎!

 

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