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秋の国
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「うわぁ、一面赤い絨毯だ!」
朝にトンネルを抜けるからと起こされ、御者台から前を見ていると、出口を出てすぐに紅葉で道から木から一面赤く、所々黄色が降り混ざっておりとても綺麗だった。
「あれ?でも冬だから紅葉は終わりじゃ……」
「南に面したこちらは紅葉が長いんです。もう少し先に行けば行くほど、悲しいほどに木と枝だけですから」
「秋の国はどんな国なの?」
「ここは南との境で交易もありますから栄えています。トンネルを出た先はたいてい栄えていますが、冬との境界は全く違います。常に飢饉で貧しい暮らしを余儀なくされておりますので、宿などありませんが、元々は農業で生活を営んでいる場所となります。観光地としての見どころも中心街までで、狐の国の中では冬の次に貧しい国と言ったところでしょうか」
「こんなに綺麗なのにね」
「先ずは宿を探してもよろしいですか?そろそろ桔花も限界だと思うので」
宿はすぐに見つかり、少し奮発していい宿にする。
「桔花、ゆっくり休むんだよ?」
そう言って、時間も早かったのでお昼は街中で食べようということになり、街を見て歩く。
車椅子を押してくれている重次が、街並みがかなり違うでしょう?と言ってきたので店などのつくりをみていると、建物は人間の世界でいうと江戸時代のようなそれより前のような、本で見た家がたくさん建っている。
「南が独特なのかな?」
「この辺りはまだ栄えてますが、藁葺屋根の家もありますよ?」
「囲炉裏があるとか?」
冬に近くなればなるほどそういった家が増えるという。
「あ、あそこは何屋さんだろう?」
「金物屋ですね。見ていきますか?」
良い針金があればと思い入ると、日用品から農具がほとんどだったが、持ち手が木で出来た綺麗な装飾の杖のような物が目に入る。
「これは何?」と店主に聞くと、「それは何故か箱から出せないのです。元々くっついているものなのか、別々のものなのかわかりませんが、これが何かと聞いてきたお客に、箱から取れたら差し上げると言ってるんですけど、坊ちゃんやってみます?」
「取れたら貰えるの?」
「はい。装飾も綺麗なのでいいものだと思うんですけど、何に使うものかはわからないんですけどね」と言って箱を目の前に差し出されたので、まずは重次が杖をとってみる。
「ダメですね。箱と一体化してるようです」
「じゃあ次は僕ね」
そっと手を伸ばし杖の持ち手を持つと、スッと持ちあがり、両手で丁寧に持ち店主に差し出す。
「おお……」
「これ、杖の部分も何か彫ってあるね」
「文字?でしょうか?」
「見たことないなぁ」
「こちらは箱ごとお持ちください。まさかこれを持てるものが現れるとは思いませんでした」
「本当にいいのかな?」
「はい。使えないものを置いておくよりも、使える人が持つ方のがいいと思いますので」
ありがたく貰うことにし、店の中にあった針金の中で一番強度のあるものを数本選んで、長さを指定して切ってもらい購入する。
「その針金は、浮遊城のと違い折れたり曲がったりしますが」
「うん、いいんだ。いろんなのを試してみたくて……なかなか手に入らないなら、どこでも売ってる針金とかでも使えそうなものを探したくって」
柔らかいものから、なかなか曲がらないものまで揃え、工具箱にあるものでおおよそ15cmになるように荷馬車で切っておいたものと一緒に袋に入れる。
朝にトンネルを抜けるからと起こされ、御者台から前を見ていると、出口を出てすぐに紅葉で道から木から一面赤く、所々黄色が降り混ざっておりとても綺麗だった。
「あれ?でも冬だから紅葉は終わりじゃ……」
「南に面したこちらは紅葉が長いんです。もう少し先に行けば行くほど、悲しいほどに木と枝だけですから」
「秋の国はどんな国なの?」
「ここは南との境で交易もありますから栄えています。トンネルを出た先はたいてい栄えていますが、冬との境界は全く違います。常に飢饉で貧しい暮らしを余儀なくされておりますので、宿などありませんが、元々は農業で生活を営んでいる場所となります。観光地としての見どころも中心街までで、狐の国の中では冬の次に貧しい国と言ったところでしょうか」
「こんなに綺麗なのにね」
「先ずは宿を探してもよろしいですか?そろそろ桔花も限界だと思うので」
宿はすぐに見つかり、少し奮発していい宿にする。
「桔花、ゆっくり休むんだよ?」
そう言って、時間も早かったのでお昼は街中で食べようということになり、街を見て歩く。
車椅子を押してくれている重次が、街並みがかなり違うでしょう?と言ってきたので店などのつくりをみていると、建物は人間の世界でいうと江戸時代のようなそれより前のような、本で見た家がたくさん建っている。
「南が独特なのかな?」
「この辺りはまだ栄えてますが、藁葺屋根の家もありますよ?」
「囲炉裏があるとか?」
冬に近くなればなるほどそういった家が増えるという。
「あ、あそこは何屋さんだろう?」
「金物屋ですね。見ていきますか?」
良い針金があればと思い入ると、日用品から農具がほとんどだったが、持ち手が木で出来た綺麗な装飾の杖のような物が目に入る。
「これは何?」と店主に聞くと、「それは何故か箱から出せないのです。元々くっついているものなのか、別々のものなのかわかりませんが、これが何かと聞いてきたお客に、箱から取れたら差し上げると言ってるんですけど、坊ちゃんやってみます?」
「取れたら貰えるの?」
「はい。装飾も綺麗なのでいいものだと思うんですけど、何に使うものかはわからないんですけどね」と言って箱を目の前に差し出されたので、まずは重次が杖をとってみる。
「ダメですね。箱と一体化してるようです」
「じゃあ次は僕ね」
そっと手を伸ばし杖の持ち手を持つと、スッと持ちあがり、両手で丁寧に持ち店主に差し出す。
「おお……」
「これ、杖の部分も何か彫ってあるね」
「文字?でしょうか?」
「見たことないなぁ」
「こちらは箱ごとお持ちください。まさかこれを持てるものが現れるとは思いませんでした」
「本当にいいのかな?」
「はい。使えないものを置いておくよりも、使える人が持つ方のがいいと思いますので」
ありがたく貰うことにし、店の中にあった針金の中で一番強度のあるものを数本選んで、長さを指定して切ってもらい購入する。
「その針金は、浮遊城のと違い折れたり曲がったりしますが」
「うん、いいんだ。いろんなのを試してみたくて……なかなか手に入らないなら、どこでも売ってる針金とかでも使えそうなものを探したくって」
柔らかいものから、なかなか曲がらないものまで揃え、工具箱にあるものでおおよそ15cmになるように荷馬車で切っておいたものと一緒に袋に入れる。
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