天満堂へようこそ

浅井 ことは

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魔王地上へ

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寒くなった来たので暖房をだし、それをリビングに置く。

店には電気ストーブ。
一応、処方せんを待ってる人もいるから出さないわけにはいかない。
最近は椅子の前に座布団を持っていき、そこで寝ているムーがいる。
最初は驚いていたお客さんも、鳴かない噛まない大人しいとのことで、ムーを抱いて暖房がわりにする人もいるぐらいだ。

「お前疲れないか?」

「基本犬は抱かれるの好きなので。後は見たことのあるお客さんばかりなので、嫌なら逃げます」

「それもそうか。にしても、今の季節は客が多い……毎年だけどな……」

「寒いから?」

「みんな風邪引くんだろう。私には縁がないが。
とはいっても病気にならんこともない」


ガチャガチャ……ガチャガチャ……

「なんだあの客……あ!」

急いで扉を開ける。
壊されでもしたら洒落にならない。

「来るなら来るって言え!こっちのこと何もわからんのだろう?扉が壊れる!」

「すまんな。これは自動ではないのか?」

「そう言うところだけは誉めてやるよ。にしてもだ、180センチぐらいにしておけとはいったが、なんで外国人なんだ?」

「その方が日本人は優しいのだろう?と本で読んだ」

「何しに来た」

その前にと、暖房のある目の前の椅子に座り、ムーを抱き上げ撫でている。
その姿が怖い。
姿は変えていても魔王だ。
ムーも怖がって固まってい……ない?

首もとを撫でられ、嬉しそうにお腹を見せている。

「ムー。お前は何をしてるんだ?」

「あぁ、心地よすぎて……僕寝ちゃいそう」

「魔界はどうした?」

「暫くいなくても構わんだろう。で、この日本と言うのを見てみたくてだな……ん?入り口にいるのは……」

「客だ静かにそこにいろ!」

「いらっしゃいませー」と営業スマイル。

客は市販の風邪薬とのど飴を買って帰った。

にやにや笑う魔王の顔から何を言われるのか想像はつく。

「何も言うな。大体わかっている」

「普段とは違うんだねと思って見てただけ。で、ここから神社とか色々回って帰ろうと思ってな、これを買ったんだ」

日本のパワースポット特集

「アホか貴様! 魔王が神に手を合わせるのか?」

「今は人間の振り。手は合わせないけど興味があるじゃないか。1000年でここがどのように変わったのか。結月は姿形を変えてここにずっといるんだからいいけど。儂は中々出れんからいい機会だと思うが?」

「1000年色々な国にいった。落ち着いたのはこの日本だけだ。で? 何をすればいいんだ?」

「挨拶によっただけだ。顔も見たかったしな。
それにお前が動けとか色々言ったんだろう?」

「まぁ言いはしたが来ることはないだろう?」

そういってる間にのんきにも地図を広げて行く場所を見直している。

「えーっと、なんだこれは。電車で……」

「読めないのか……どこへ行きたいんだ?」

「いや、読める。ルーカスにも色々聞いたしな。
ただこの地図とやらが複雑でなぁ……」

ふぅっとため息をつき、○の振ってある場所の生き方を教え、あとは外国人になったつもりで人に聞けと店から追い出す。
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