天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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決断

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連れていかれた部屋は狭く、電気を付けると机に椅子。周りは本の山、それ以外何も無い部屋だった。

「何ここ?」

「私の寛ぎ部屋だ。で、この本の棚の横の紐を引っ張ると……」

スゥーっと戸棚が動いて階段が出てくる。

「隠し部屋だよね?」

まぁなと自慢げに言いながらも階段を降りていくので後に続き、降りたところはさらに本に囲まれた場所だった。

「半地下?かな?」

「そうなるのかな?それよりここの本なんだが、全てが禁書だ」

「え?」

「お前、魔王に強くなれって言われただろ?」

「なんで知って__心の中読んだんだろ?辞めてって言ったのに!」

「今回はダダ漏れだ。みんなは知らないだろうが、この中に私たちハーフのもののことが書いた本。魔力についての基礎本、各界の主な変化の種類……っと、とりあえず読め」

渡された本の分厚さは相当なもので、読めと言われても1日では無理だと文句を言う。

「馬鹿か?目次見て気になる所を見て読めばいいだろう?私は全部読んだが」

「ひとつ聞いていい?」

「なんだ?」

「これ読んで何かわかるの?」

「それはお前次第だな。基本の魔力の本で今お前が使ってる魔法とよく似た記述があったはずだ。参考になるだろう。後は、見たいところだけ見て頭に入れておけばいい。この3冊は、私もルーカスも読んでいて、原点にも近い本だ。色々な意味で変わってくる……考え方や魔力の使い方、他にも書いてあることは多いが、悩みすぎる前に読むほうがいいと思ってな。葬儀まで後五日あるから、ここには好きに出入りするといい。但しノア以外には誰にも言うなよ?」

「分かった。ここで読めばいいんだよね?」

「持出禁止だ。ここから本を持って外に出た瞬間
本は消滅する」

「は?」

「前に1冊読みながら部屋を出たら、砂のように消えていった事がある。この城の一部……禁書の棚や部屋などに魔法陣を書いているのを忘れたことがあって一冊無駄にしてしまった」

じゃあな、と出ていったので渡された本を机に置いて、一冊手に取る。
各界の仕組みから、出る魔物に魔獣について弱点などの記載と毒の有無が書かれた図鑑のようになっている部分を見ていく。

いくつか前に倒した魔物のことが書いてあり、そのページ以外特に興味が引かれなかったので、次の本を手に取る。それも似たようなことが書かれていたので、2冊を机の上に置いてから三冊目の魔力についての本を手に取る。

ハーフ、魔力……目次を見ても書いていないので、最初から目を通しいくつかの変化の絵と共に内容が書かれており、その特徴までも書いてある。

ユニコーン伝説といったページを見つけ読むが、人が変化することはまず有り得ない。天界の神獣だからと書かれている。

「俺は神獣だったのか?それにしては弱いよなぁ」と読んでいくと、やはり攻撃には向いていないと書かれていた。
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