天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

文字の大きさ
37 / 127
決断

.

しおりを挟む
俺も行くとルーカスに着いて行き、部屋のドアをノックする。

「あ、ユーリさん。結月さんは?」

「支度はできてますが……」

「入るぞ」

「ちょ……ルーカスさん!」

コーヒーを飲みながらぼーっとしている結月に、ルーカスが話しかけ、いつものお返しとばかりにお盆でパコーン!と軽くではあるが頭を叩く。

「あ、ああすまん。すぐに行く」

「お前大丈夫か?」

「大丈夫だ。そのうち倍返ししてやるからな!ユーリ行くぞ!」

みんなで部屋を出て、応接間へと行き段取りを話し始める。

「王3人とルーカス、奏太で魔力を取り上げるが、これが一番難しい。潜在として残ってる魔力まで引き出すのには奏太の目がいる。だから、同じ権限を持つノア、お前も加われ」

「は、はい」

「その後の狭間だが、魔力を取り上げた後に書くわけにも行かんから、昨夜用意しておいた。天と魔の魔法で強化してほしい。その後前回と同じように、外内部からの干渉が出来ないようにし、狭間へと入れる。これは三人で行う。以上だ」

「結月、本当に大丈夫なのか?」

「無魔力となれば干渉されようとも反応すらできんし、魔力を作り出す臓器事無くすからな……それに兵も立たせてあるし、出入口は1箇所。問題は無い」

「だが、ほかの刺客等は?考えてないのか?」

「あるかもしれんが、どこの王子姫であってもそれはついてまわるだろ?」

「俺何回殺されそうになったことか……」

「女にだろ?」

「よし、牢まで行こう」

みんなで牢まで行くと、天界、幻界に魔界の兵士が所狭しと並んでざわついている。

「何をしてるんだお前達は!」

「へ、陛下……」

「なんだ?」

「いえ、それが……」

「いい、退け」

兵を退けて奥に進むと兵がなぜあんなにいて慌てていたのかよくわかる。
牢に縛られていたリアムの体が溶けだしていたから慌てていたのだろう。

「な……んだ、これは?」

「結月、魔法は?」

「結界の中だから使えんはずだし、こんなの見たこともない」

各王がちょっと見せてみろと、前に出て何かを話している。

「奏太様?」

「ごめん、ちょっと気持ち悪くなっただけ」

それでも、見えてしまうので少しルーカスの影に隠れる。

「結月よ、もしや魔力の使いすぎか?これは……」

「聞いたことがない……」

「リアムよ……まさかお主、魔力だけでなく魂まで分裂させておったのか!?」

「ふふ……さすが父上。頭だけはいいですね……」

「魂の分離って、あのクローンか?」

「だろうな。だからと言ってこんな風になるのは見たこともなければ、書物にも載ってないが」

「魔王様?」

魔王がなにか考えているようだったので声をかけるが、じっと観察しているだけで何も話してはくれない。

「おい、親父?」

「あ、ああ。すまんな……ルーカス、とにかく兵を外に出してくれんか」

ルーカスが兵に指示して外に出している間も、王同士で話し合いが行われ、時折リアムに声をかけるが何も質問に答えない。

「ノア、魔方陣消したらどうなるの?」

「今はまだ魔力があるでしょうから、逃げる可能性もありますね」

見ているのも気持ち悪いが、何だかおかしいと魔王の見ている方をじっと観察する。

やはり一度魔法陣を解除した方がとの話になった時、「待って!」とみんなを止める。

そう、おかしかったのはリアムが怪我をしてなくなったと言う腕や足。その部分だけしか溶けだしていない。

「どうした?」

「と、溶けてるのって……新しく作った手足だけだよ……他は何ともなってないから罠かもしれない……」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。 「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…

処理中です...