天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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「あの、目の前に……」

よく見るとコーヒーカップの後ろに居たらしく、王にも挨拶をして幾つか質問しているようだったので、ノアに彼が息子なのかな?と聞く。

「王子聞こえております。親父殿が今、夜勤明けなのでその息子の私が参りました。ご案内せよとのことでしたので1人で来ましたが」

「う、うん」

よーく見ると、待ち針が剣のように腰に刺されており、腰にもポーチが取り付けられている。

「えっと、その中って何が入ってるの?」

「攻撃用の玉です」

「でもそれ、待ち針……」

「そうです。ちょうど良かったので、それを剣にしましたが、我等は力も無いのでこの玉を剣の先につけて相手に触れるのです」

「あ、ばらまけば下に落ちるから刺しやすいもんね」

「これは、皮膚につくと毒になるものでは?」

「しびれ薬が主ですが、皮膚につかない限り大丈夫です」

「奏太よ、この一族はとても賢くてな、色々なことを知っておる。仲良くするといい」

「はい。もう行ける?」

「行けますが、お食事はもうよろしいのですか?」

「うん」

「では、王様失礼します」

そう言って伏礼するが、どうしても小さい子の土下座にしか見えない。

肩か手に乗るかと聞くと、走りますと言うので着いていくが足が速すぎて追いつけないので、結局肩に乗ってもらい、リアムの使っていた部屋へとまず行く。

中は何もなく、絨毯さえ無い。
下ろしてほしいというので、下におろすとテクテクと歩き、幾つかのタイルをつついている。

「どうかしたの?」

「この辺りが匂いが違う気がするんです」

30センチ四方のタイルが床に貼られているのを、そのあたり中心に見て回る。

「奏太様、ここ……」

見てみると少しだけ浮いているようにも見えるが、よく見ると4枚分が一つになって浮いている部分がある。

「ねえ、ここは?」

「あ、僕なら覗けそうです」

隙間から覗いているので、何かあるかと聞くと暗くてあまりわからないがハシゴのようなものが見えると言っているので、ノアと動かしてみようと隙間に指を入れ、2人で持ち上げる。

ガタンと4枚の床が一度にずれたので、そのまま全部どかせてみると、はしごと思われていたものが階段であるとわかった。

「狭いな……」

「見てきましょうか?」

「いや、待って。危ないかも知れないし……天王にまず知らせないと……」

「僕達走るのはかなり早いので行ってきます」

「ごめんね、お願い」

畏まりましたと走っていくと、段々と速くなり、姿が見えなくなった……

「速っ!」

「あの種族は走ると姿が見えにくいと言う特徴がありますから。大体3~4人1組で仕事していた筈です。力があると言いましたが、四人居れば人ひとりは運べるくらい強いですよ?」

「本人は弱いって言ってたけど」

「攻撃のことでしょう」

「そうなんだ。確認してから結月さんに連絡した方がいいかな?」

「そうですが、各界のことは任せると言ってましたから、事後報告でも構わないかと思います」

「何があるんだろうね?」

「でも、何も匂いもしませんし……部屋によくこんなところ作りましたよね」
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