天満堂へようこそ 6

浅井 ことは

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破壊

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言葉にならない悲鳴をルーカスがあげ、部屋の外の温泉に浸かりながら地図を思い出す。

朧気に覚えている旅したルートを思い出しながらも、あの時は必死だったから細かいところまで覚えていないなと肩まで浸かってから出て、魔法で乾かしジャージに着替える。

「ノア、地図ある?幻界の」

「有ります。ですが、細かくは書かれていません」

「それでいいよ」

ノアに持ってきてもらって、わかる範囲で幾つか街や村など書き込んでもらう。

「あとは森と池がここに。川がここです……城と、南の城の位置がここ位ですね」

「ノアは沢山旅してきたんでしょ?」

「はい。知っているところは書き込みましたが」

「これさ、なんか似てない?」

「はい?」

「天界と……」

「あ!この森……」

「そう。俺達が逃げたところの近くだったでしょ?壊したの。そこも森で、この地図にもよく似た位置にあるじゃん。もしかして魔界も似てたなら繋がってるとか……は流石にないか」

「いえ、スフィは本の研究所からどこにでも行けると」

「ここもそうならみんな行き来できてたってことだよね?」

「すぐ知らせてきます」

ノアが話をしに行っている間に、今夜は中々寝れないだろうなと冷たいコーヒーを入れてソファに座る。

「奏太……」

「ルーカスさん。寝てなくていいの?」

「このぐらいは大丈夫だ。腕も取れてなかったし」

「とれてたら怖いから!」

「お前天界に帰ってないだろ?」

「まぁ……こんな状況だからわかってもらえてると思うんだけど」

「結月はああ言ったが、本当に中で繋がってるのなら、壊したと言っても天界に通じる道があるはずだ。奏太は天界に戻って兵を率いてその辺り調べてくれないか?」

「でも……」

「俺は大丈夫だニコルもいるし。結月も万全だしユーリもついてる。もし、幻魔界での施設を壊せたとしても残党がいれば意味がない」

「わかった。いつ行くの?」

「あの兵士が起きてからだから明日の昼にはって話しはしてるが……」

「会社は田中さんに任せるとして、バーはしばらくの間はまた休みだよね?」

「そうなるな……早く終わらせてのんびりとしたいものだ」

「奏太様、話してきました。旅支度の方を……」

「悪いんだけどムーにも言ってくれないかな?まだ拗ねてるから。天界に行くのか幻界に行くのか結月さんに決めてもらわないといけないんだけど、拗ねたまま来られても足手まといになるでしょ?」

「ぼ……僕……」

「え?ムー居たの?」

「居たもん!ずっと居たのに気づかないし、足手まといなんて……うわーーーん!」

ガブゥ!

「いてっ……痛いってば!謝るから離して……」

「ついにお前も噛まれたか!な?痛いだろ?」

「いや、うん、痛い……離せってば!」

「ほく、あひへまほいひゃらひ?」

「うんちがうちがう」

「ふぅ。そう言ってくれたらいいのにぃ」

「このお調子者!で?どうする?」

「ご褒美にプリンくれる?」

「今からあげるよ」

ノアにカボチャのプリンを持ってきてもらいお皿にのせると、前足でつついて「はうぅぅー」と呑気に堪能しているので、ちょっとイライラしながら早く食べて話せと言いそうになるのを二人に止められた。
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