新・八百万の学校

浅井 ことは

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力の欠片

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翌日の夕方、早々にご飯を食べ終えて祖父と公園経由で神社に向かうことになったのだが、迦具土は面倒臭いと言って付いてこなかった。

「爺ちゃん、変なのでたら俺やだよー」

「無理はしなくていい。翔平の出来ないものは私が変わりにやろう」

公園で、ボヤーッと見える変なものがいることを祖父に言うと、やはり見え方が違うのか、祖父にはハッキリと見えるらしい。

「困ったな……」

「ちょ、やめて? 俺ホントに苦手だから!」

「いや、そうじゃなくて……ほら、まだ鈴の振り方を教えてなかっただろう?」

 そっちかよ‼

「じゃあ、あの電灯の下のモノを祓うから見てなさい」

祖父が近付いて、鈴を一振りすると、ぼやっとしていたものが、跡形もなく消える。

「どうやったの? 鈴の音もしないし」

「聞こえなかったか? 音はしたぞ?」

「そうじゃん! 変なの居たら鳴るんじゃなかった?」

「翔平も一度やってみるか? ほら、足元……」

「ゲッ!」


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