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学校
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入った病室は二人部屋だったが、隣には誰もいなかったので大人数が来ても入れたが、来たのが担任と校長、三人の母親と那智に栞。
「まさか、本当にこんな大怪我だとは……」一人の上品そうな母親が首謀者の親ではないことは、顔も違うし泣いているのですぐにわかった。
ツンとして、態度の大きい人が首謀者の親だろうと思い、大人達の話を黙って聞いておくことにした。
「それで医者はなんと?」と校長が聞くので、隆弘が「暴行による内蔵の損傷に近い状態です」
嘘だ!と思いながら、淡々と話す隆弘は弁護士を目指しているだけあって口が上手い。
「お話した通り、肋骨・左腕・右膝に肩甲骨等骨折とヒビが入っています。この状態では日常生活にも支障が出ますし、今後リハビリも必要とのことです。それでもお子様は何もしていないと言われますか?」と那智が言うと、首謀者の母親が「証拠がないでしょう?」と平然と言う。
「校長、私は診断書をもって傷害事件として提出してきます。学校でもお話した通り、この方々と話してもきりがありませんので」と那智が出て行ってしまう。
コソッと紫狐に付いて行って後で教えてと言い、オロオロする栞に飲み物が欲しいと頼んで、先生達の話を聞く。
「早乙女君はまずは怪我をしっかり治すように。学校はそれからでもいいから」
「あの、僕中間テスト受けたいんですけど」
「何言ってるんだね!大怪我じゃないか」
「会議室でも何処でもいいです」
「なんとかお願いできませんか?」と隆弘が助け舟を出してくれると「職員会議で決まり次第連絡します」と校長が折れてくれ、三人の母親たちは早く帰りたいとソワソワしだしていた。
そこに担当の先生が入ってきて、腹部など診察を受け、点滴をつけられる。
「食事は少しずつから始めましょう。まだ熱があるので、大勢での面会は控えてください」そう言って出ていくと、大袈裟だわと母親のうち二人が言い出した。
担任は黙ったままで校長が取り成していたが、「後で警察から連絡が行くと思うので、今日はもうお引き取り願えますか?」と言ってくれた。
その後、隆弘が栞を連れて着替えを取りに行ってくれている間に少し眠り、起きるともう夕方だった。
「起こしちゃった?」
「いえ……栞さんだけ?」
「隆弘君と交代で、堀内さんが乗せて来てくれたの。今飲み物買いに行ってくれてるわ」
「また入院て、僕迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「前は病気、今回はあっちが悪いのよ。だから気にしないで」
「そうだぞ?」
「堀内さん」
「聞いた時は驚いたよ。話せるってことは元気な証拠。はい、水だけど口から摂取した方がいいから」
「ありがとうございます。仕事は?」
「落ち着いてるよ。時間も結構余裕が出来たし、定期的に休みも決まりそうなんだ」
「良かったですね」
「まあね。話は聞いたけど、食べれるようになって熱が引いたら退院出来るって」
「何の位かかるのかな?」
「テストの心配はいらないと思うよ?確か、そう言った措置があるはずだから」
「インフルエンザとかみたいに?」
「そう。長期入院じゃなければだけど。僕もインフルエンザが治ってから、会議室でテスト受けたことがあるよ」
「そうなんですか……でも普通に受けたいな」
「テストいつ?」
「10日後」
「ギリギリ行けるかもね。あの学校二日間にわたってするだろ?それも午前だけなら、外出で行ける可能性はあるよ?もちろん熱が引いたらの話だけど」
「まさか、本当にこんな大怪我だとは……」一人の上品そうな母親が首謀者の親ではないことは、顔も違うし泣いているのですぐにわかった。
ツンとして、態度の大きい人が首謀者の親だろうと思い、大人達の話を黙って聞いておくことにした。
「それで医者はなんと?」と校長が聞くので、隆弘が「暴行による内蔵の損傷に近い状態です」
嘘だ!と思いながら、淡々と話す隆弘は弁護士を目指しているだけあって口が上手い。
「お話した通り、肋骨・左腕・右膝に肩甲骨等骨折とヒビが入っています。この状態では日常生活にも支障が出ますし、今後リハビリも必要とのことです。それでもお子様は何もしていないと言われますか?」と那智が言うと、首謀者の母親が「証拠がないでしょう?」と平然と言う。
「校長、私は診断書をもって傷害事件として提出してきます。学校でもお話した通り、この方々と話してもきりがありませんので」と那智が出て行ってしまう。
コソッと紫狐に付いて行って後で教えてと言い、オロオロする栞に飲み物が欲しいと頼んで、先生達の話を聞く。
「早乙女君はまずは怪我をしっかり治すように。学校はそれからでもいいから」
「あの、僕中間テスト受けたいんですけど」
「何言ってるんだね!大怪我じゃないか」
「会議室でも何処でもいいです」
「なんとかお願いできませんか?」と隆弘が助け舟を出してくれると「職員会議で決まり次第連絡します」と校長が折れてくれ、三人の母親たちは早く帰りたいとソワソワしだしていた。
そこに担当の先生が入ってきて、腹部など診察を受け、点滴をつけられる。
「食事は少しずつから始めましょう。まだ熱があるので、大勢での面会は控えてください」そう言って出ていくと、大袈裟だわと母親のうち二人が言い出した。
担任は黙ったままで校長が取り成していたが、「後で警察から連絡が行くと思うので、今日はもうお引き取り願えますか?」と言ってくれた。
その後、隆弘が栞を連れて着替えを取りに行ってくれている間に少し眠り、起きるともう夕方だった。
「起こしちゃった?」
「いえ……栞さんだけ?」
「隆弘君と交代で、堀内さんが乗せて来てくれたの。今飲み物買いに行ってくれてるわ」
「また入院て、僕迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「前は病気、今回はあっちが悪いのよ。だから気にしないで」
「そうだぞ?」
「堀内さん」
「聞いた時は驚いたよ。話せるってことは元気な証拠。はい、水だけど口から摂取した方がいいから」
「ありがとうございます。仕事は?」
「落ち着いてるよ。時間も結構余裕が出来たし、定期的に休みも決まりそうなんだ」
「良かったですね」
「まあね。話は聞いたけど、食べれるようになって熱が引いたら退院出来るって」
「何の位かかるのかな?」
「テストの心配はいらないと思うよ?確か、そう言った措置があるはずだから」
「インフルエンザとかみたいに?」
「そう。長期入院じゃなければだけど。僕もインフルエンザが治ってから、会議室でテスト受けたことがあるよ」
「そうなんですか……でも普通に受けたいな」
「テストいつ?」
「10日後」
「ギリギリ行けるかもね。あの学校二日間にわたってするだろ?それも午前だけなら、外出で行ける可能性はあるよ?もちろん熱が引いたらの話だけど」
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