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退院
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朝起きてリビングに行くと誰もいなかったので、冬弥の囲炉裏の部屋まで行く。
「おお、起きたか」
「おはようございます」
「おはよう、今日は雨ねぇ」
「そうじゃ、雨の日は傷が痛むと聞いたことがある。痛くはないか?」
「特には。栞さんは?」
「今ご飯の支度してるわよ?今日のお昼には病院に戻らないといけないから、雪翔もいる物があったら準備しておかないと」
「うん、でもあまり荷物になってもって思うし……」
「それもそうねぇ」
「いらないものは持って帰ってきたんだから、少しは持っていっても構わんじゃろう?」
「うん」
「まぁ、それは後でいい。まずは腹ごしらえじゃな。朝餉にしようか」
歩行器を使って土間まで行き、板の間に腰掛けて足を上げて乗る。そこからはまだ上手く立てないので這っていくのだが、なるべく近くになる様に席は代わってもらっている。
「おはよう!もう出来るから待っててね」
そう言われ、入れてもらったお茶を飲みながらテレビをつける。
いつもと同じ番組で、スタジオでは新しく出来たお取り寄せコーナーが人気となっており、全国各地のお取り寄せをタレントが食べ紹介するといったものだった。
「今日は仙台か。牛タンかなー?」と海都がおはようと起きてきたので、返事をしてからもうすぐご飯だと告げる。
「牛タン食べたいなー!」
「海都君、お肉好きだね」
「もちろん!肉に勝るものは無い!」
「あ、出たよ?牛タン。横の飲み物は牛タンサイダーだって」
「はぁ?サイダーはサイダーだけにしようよ」
タレントが飲んでいたが、コメントがなかなか出てこない。不味かったのかな?と思ってみていると「な、なんとも……表現しずらい飲み物に出会ったのは初めてです」と言っている。
「ご飯よー!誰かみんな起こしてきてー」
「俺行ってくるわ!」
「うん」
その後も番組は進み、朝7:00前にする天気予報が流れた。
全国的に一日雨とお天気お姉さんが言っている。紫狐はこのお姉さんが好きなようで、みんなに見えないようにひょこっと出てきて見ているくらいだ。
みんなが起きてきたのでご飯にし、届かないところのものはみんながお皿に取ってくれる。
「なぁ、今日病院に戻るんだろ?」
「うん。戻りたくないけど……」
「治るまでは我慢だな。何時に出るんだ?」
「お昼食べてからかな?」
その後の話で時間を聞いてきた堀内が病院まで送ってくれることになり、次の外泊まで暇だろうと海都が小型のゲーム機を貸してくれた。
「それさ、あのカートのゲームも入ってるから練習しとけよ?」
「ミニゲームって書いてあるけど」
「中身は一緒。他にもいくつか入ってるソフトだから、楽しめると思う」
「ありがと!」
みんな休みだったので、お昼までゲームをしたりして遊び、嫌々病院に戻る。
戻ってすぐに栞は、看護婦さんに挨拶をしに行き、寝巻きに着替えさせられてベッドに横になるように言われる。
「眠くないよ」
「上半身は起こしてていいから、足は伸ばした方がいいわねぇ」
「わかった。ねぇ、昨日教えてくれるって言ってた話だけど」
「そうじゃな」そう言いながらパイプ椅子に祖父母が腰をかけたのを見て、どんな話が出てくるのだろうと少し不安になる。
「おお、起きたか」
「おはようございます」
「おはよう、今日は雨ねぇ」
「そうじゃ、雨の日は傷が痛むと聞いたことがある。痛くはないか?」
「特には。栞さんは?」
「今ご飯の支度してるわよ?今日のお昼には病院に戻らないといけないから、雪翔もいる物があったら準備しておかないと」
「うん、でもあまり荷物になってもって思うし……」
「それもそうねぇ」
「いらないものは持って帰ってきたんだから、少しは持っていっても構わんじゃろう?」
「うん」
「まぁ、それは後でいい。まずは腹ごしらえじゃな。朝餉にしようか」
歩行器を使って土間まで行き、板の間に腰掛けて足を上げて乗る。そこからはまだ上手く立てないので這っていくのだが、なるべく近くになる様に席は代わってもらっている。
「おはよう!もう出来るから待っててね」
そう言われ、入れてもらったお茶を飲みながらテレビをつける。
いつもと同じ番組で、スタジオでは新しく出来たお取り寄せコーナーが人気となっており、全国各地のお取り寄せをタレントが食べ紹介するといったものだった。
「今日は仙台か。牛タンかなー?」と海都がおはようと起きてきたので、返事をしてからもうすぐご飯だと告げる。
「牛タン食べたいなー!」
「海都君、お肉好きだね」
「もちろん!肉に勝るものは無い!」
「あ、出たよ?牛タン。横の飲み物は牛タンサイダーだって」
「はぁ?サイダーはサイダーだけにしようよ」
タレントが飲んでいたが、コメントがなかなか出てこない。不味かったのかな?と思ってみていると「な、なんとも……表現しずらい飲み物に出会ったのは初めてです」と言っている。
「ご飯よー!誰かみんな起こしてきてー」
「俺行ってくるわ!」
「うん」
その後も番組は進み、朝7:00前にする天気予報が流れた。
全国的に一日雨とお天気お姉さんが言っている。紫狐はこのお姉さんが好きなようで、みんなに見えないようにひょこっと出てきて見ているくらいだ。
みんなが起きてきたのでご飯にし、届かないところのものはみんながお皿に取ってくれる。
「なぁ、今日病院に戻るんだろ?」
「うん。戻りたくないけど……」
「治るまでは我慢だな。何時に出るんだ?」
「お昼食べてからかな?」
その後の話で時間を聞いてきた堀内が病院まで送ってくれることになり、次の外泊まで暇だろうと海都が小型のゲーム機を貸してくれた。
「それさ、あのカートのゲームも入ってるから練習しとけよ?」
「ミニゲームって書いてあるけど」
「中身は一緒。他にもいくつか入ってるソフトだから、楽しめると思う」
「ありがと!」
みんな休みだったので、お昼までゲームをしたりして遊び、嫌々病院に戻る。
戻ってすぐに栞は、看護婦さんに挨拶をしに行き、寝巻きに着替えさせられてベッドに横になるように言われる。
「眠くないよ」
「上半身は起こしてていいから、足は伸ばした方がいいわねぇ」
「わかった。ねぇ、昨日教えてくれるって言ってた話だけど」
「そうじゃな」そう言いながらパイプ椅子に祖父母が腰をかけたのを見て、どんな話が出てくるのだろうと少し不安になる。
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