下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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江戸屋敷

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次の日にみんなが行ってから、前日に買いに行ったお菓子と荷物を持って森の奥にある岩の前に来る。

「ここは?」

「ここから入るんじゃ。一番家に近い場所でな、今は許可なく通行は出来んようになっておる。儂が開けようかの」

そう言って手を岩に当てると、もういいぞと言われるが、見た目は岩のまま。どう通るのかと思っていると、車椅子を岩に向かって押されるので、ぶつかる!と思って目を閉じる。

「もう開けても良いぞ?」

目を開けるとところどころに松明の明かりがあり、門番らしき着物を着た人が一人いたが、人間を連れているのにも関わらずすぐに通される。

「僕、人間なのにいいの?」

「かなり前から許可はとってあったんじゃ。通行証のようなものがあってな、今は儂が持っておる」と木でできた札を見せられる。

分かれ道を左に進んでしばらくすると、また門番がいて「どうぞ」と扉を出ると、タイムスリップしたかのような町並みが広がっていた。

「私はゆっくりと帰るのは久しぶりになります。ここの高台からの景色はいつ見ても綺麗ですね」

「ここから降りるの?」

「高く見えるだけでそんなに高くはないぞ?最近はロープウェイが出来ての、降りるのも簡単じゃ」と歩いていくので着いていく。

アスファルトではないが、車椅子も問題なく動いている。電気はないかもしれないと思って手で押すようにしたが、祖父や栞が押してくれるのでありがたい。

「町並みは江戸くらいかの?最近、人間界のものがかなり取り入れられておってな、これもその一つじゃよ。町の中心にはいろんな人間界のものも置いてあって、今は不正で持ち込むものの取締も厳しくなっておるが、電気とやらも少しは使えるらしい」

「そこで充電できるのかな?」

「どのぐらい出来るのかはわからんが、後で行ってみればいいじゃろう。さ、乗るとするか」

ロープウェイに乗って下まで降りると、庶民の家らしきものがあり、周りには畑や田んぼなどがあって郊外なのかなと思う。

「普段は歩くの?」

「いや?儂等、天狐や仙になると、その場から数回飛ぶ程度で屋敷につける。それ以外のものは、大抵歩きか速歩のような……技のようなもので移動する」

「忍者みたいな?」

「そうじゃな、簡単に言えばそうかもしれんな。足を高速で動かすことで、1歩が数歩になるんじゃよ。それもそのうち見れるじゃろう」

「あの、ご自宅に連絡は?」

「しておらんが構わん!」

「してないの?おばあちゃんビックリするよ?」

「良い良い。あの性格じゃから、驚きもせんわ。それより嫁の方が驚くかもしれんの」

「なんで?」

「まず人見知りがすごくてのぅ。そればかりは治らん。栞さんとは良い茶飲み友達じゃが、ほとんど遠出もせんしな」

「その、冬弥さんのお兄さんは?」

「いらっしゃいくらいじゃと思うぞ?」
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