58 / 102
江戸屋敷
.
しおりを挟む
次の日にみんなが行ってから、前日に買いに行ったお菓子と荷物を持って森の奥にある岩の前に来る。
「ここは?」
「ここから入るんじゃ。一番家に近い場所でな、今は許可なく通行は出来んようになっておる。儂が開けようかの」
そう言って手を岩に当てると、もういいぞと言われるが、見た目は岩のまま。どう通るのかと思っていると、車椅子を岩に向かって押されるので、ぶつかる!と思って目を閉じる。
「もう開けても良いぞ?」
目を開けるとところどころに松明の明かりがあり、門番らしき着物を着た人が一人いたが、人間を連れているのにも関わらずすぐに通される。
「僕、人間なのにいいの?」
「かなり前から許可はとってあったんじゃ。通行証のようなものがあってな、今は儂が持っておる」と木でできた札を見せられる。
分かれ道を左に進んでしばらくすると、また門番がいて「どうぞ」と扉を出ると、タイムスリップしたかのような町並みが広がっていた。
「私はゆっくりと帰るのは久しぶりになります。ここの高台からの景色はいつ見ても綺麗ですね」
「ここから降りるの?」
「高く見えるだけでそんなに高くはないぞ?最近はロープウェイが出来ての、降りるのも簡単じゃ」と歩いていくので着いていく。
アスファルトではないが、車椅子も問題なく動いている。電気はないかもしれないと思って手で押すようにしたが、祖父や栞が押してくれるのでありがたい。
「町並みは江戸くらいかの?最近、人間界のものがかなり取り入れられておってな、これもその一つじゃよ。町の中心にはいろんな人間界のものも置いてあって、今は不正で持ち込むものの取締も厳しくなっておるが、電気とやらも少しは使えるらしい」
「そこで充電できるのかな?」
「どのぐらい出来るのかはわからんが、後で行ってみればいいじゃろう。さ、乗るとするか」
ロープウェイに乗って下まで降りると、庶民の家らしきものがあり、周りには畑や田んぼなどがあって郊外なのかなと思う。
「普段は歩くの?」
「いや?儂等、天狐や仙になると、その場から数回飛ぶ程度で屋敷につける。それ以外のものは、大抵歩きか速歩のような……技のようなもので移動する」
「忍者みたいな?」
「そうじゃな、簡単に言えばそうかもしれんな。足を高速で動かすことで、1歩が数歩になるんじゃよ。それもそのうち見れるじゃろう」
「あの、ご自宅に連絡は?」
「しておらんが構わん!」
「してないの?おばあちゃんビックリするよ?」
「良い良い。あの性格じゃから、驚きもせんわ。それより嫁の方が驚くかもしれんの」
「なんで?」
「まず人見知りがすごくてのぅ。そればかりは治らん。栞さんとは良い茶飲み友達じゃが、ほとんど遠出もせんしな」
「その、冬弥さんのお兄さんは?」
「いらっしゃいくらいじゃと思うぞ?」
「ここは?」
「ここから入るんじゃ。一番家に近い場所でな、今は許可なく通行は出来んようになっておる。儂が開けようかの」
そう言って手を岩に当てると、もういいぞと言われるが、見た目は岩のまま。どう通るのかと思っていると、車椅子を岩に向かって押されるので、ぶつかる!と思って目を閉じる。
「もう開けても良いぞ?」
目を開けるとところどころに松明の明かりがあり、門番らしき着物を着た人が一人いたが、人間を連れているのにも関わらずすぐに通される。
「僕、人間なのにいいの?」
「かなり前から許可はとってあったんじゃ。通行証のようなものがあってな、今は儂が持っておる」と木でできた札を見せられる。
分かれ道を左に進んでしばらくすると、また門番がいて「どうぞ」と扉を出ると、タイムスリップしたかのような町並みが広がっていた。
「私はゆっくりと帰るのは久しぶりになります。ここの高台からの景色はいつ見ても綺麗ですね」
「ここから降りるの?」
「高く見えるだけでそんなに高くはないぞ?最近はロープウェイが出来ての、降りるのも簡単じゃ」と歩いていくので着いていく。
アスファルトではないが、車椅子も問題なく動いている。電気はないかもしれないと思って手で押すようにしたが、祖父や栞が押してくれるのでありがたい。
「町並みは江戸くらいかの?最近、人間界のものがかなり取り入れられておってな、これもその一つじゃよ。町の中心にはいろんな人間界のものも置いてあって、今は不正で持ち込むものの取締も厳しくなっておるが、電気とやらも少しは使えるらしい」
「そこで充電できるのかな?」
「どのぐらい出来るのかはわからんが、後で行ってみればいいじゃろう。さ、乗るとするか」
ロープウェイに乗って下まで降りると、庶民の家らしきものがあり、周りには畑や田んぼなどがあって郊外なのかなと思う。
「普段は歩くの?」
「いや?儂等、天狐や仙になると、その場から数回飛ぶ程度で屋敷につける。それ以外のものは、大抵歩きか速歩のような……技のようなもので移動する」
「忍者みたいな?」
「そうじゃな、簡単に言えばそうかもしれんな。足を高速で動かすことで、1歩が数歩になるんじゃよ。それもそのうち見れるじゃろう」
「あの、ご自宅に連絡は?」
「しておらんが構わん!」
「してないの?おばあちゃんビックリするよ?」
「良い良い。あの性格じゃから、驚きもせんわ。それより嫁の方が驚くかもしれんの」
「なんで?」
「まず人見知りがすごくてのぅ。そればかりは治らん。栞さんとは良い茶飲み友達じゃが、ほとんど遠出もせんしな」
「その、冬弥さんのお兄さんは?」
「いらっしゃいくらいじゃと思うぞ?」
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
無能だと追放された「雑用係」のハル、現代の知恵(ライフハック)を駆使したら、呪われた魔王城が聖域化して伝説の賢者と呼ばれ始めた
ユネ
ファンタジー
「君のような無能な掃除係は必要ない!」
勇者パーティーからゴミのように捨てられた雑用係のハル。だが彼女には、前世で培った【家事のプロとしてのライフハック】があった。
移り住んだのは、誰もが恐れる『呪われた魔王城』。しかしハルにとっては、ただの「掃除のしがいがある大型物件」に過ぎなかった!
重曹とクエン酸で呪いを浄化し、アルミホイルで魔物を除け、ジャガイモの皮で伝説の鏡を蘇らせる。
魔法より便利な知恵で、お城はいつの間にか世界一快適な聖域に。
一方、ハルを失った勇者たちは、汚部屋と化した拠点と自らの無知に絶望することになり――。
これは、一人の「掃除好き」が知恵と工夫だけで異世界に革命を起こし、最高のスローライフを手に入れるまでの物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「地味な婚約者を捨てて令嬢と結婚します」と言った騎士様が、3ヶ月で離婚されて路頭に迷っている
歩人
ファンタジー
薬師のナターリアは婚約者の騎士ルドガーに「地味なお前より伯爵令嬢が
ふさわしい」と捨てられた。泣きはしなかった。ただ、明日から届ける薬が
一人分減るな、と思っただけ。
ルドガーは華やかな伯爵令嬢イレーネと結婚し、騎士団で出世する——はずだった。
しかしイレーネの実家は見栄だけの火の車。持参金は消え、借金取りが押し寄せ、
イレーネ本人にも「稼ぎが少ない」と三行半を突きつけられた。
3ヶ月で全てを失ったルドガーが街角で見たのは、王宮薬師に抜擢された
ナターリアが、騎士団長と笑い合う姿だった。
「なあ、ナターリア……俺が間違っていた」
「ええ、知ってます。でも、もう関係のない話ですね」
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる