下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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全ての始まりと終わり

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焼き始めてから、冬弥が記憶が戻ったことと学校に戻ることになったことを言うとみんなが喜んでくれ、海都はたまに見に行くからと言ってくれた。

「冬弥さん、家のじいちゃんが干物入れてたでしょ?」

「ええ。冷凍にしてありますけど」

「あの中にウツボがあるんだよ。焼いていい?」

「ウツボって食べれるの?」

「干物にしてあるから炙るだけ。味は食べてのお楽しみ!取ってくる!」

蛇のようなウツボを持って戻ってきた海都は健康優良児そのもの。

台で細かく切って炙り、一味マヨネーズにつけて食べてみてと言われて、少し齧る。

「イカみたい……蛇みたいなのに!」

「だろ?親父たちがよく食べてて、俺もよくつまんでたんだ。たまに網にかかってる時があって、身も案外美味いんだ」

「ずっと、食べれないと思ってた」

「俺も最初は思ってた!この柄が気持ち悪くて。でも食べてみたら美味しくて今回は持ってきたんだ」

みんな柄が嫌で、まず食べたことがないと言い、興味津々で小さいのを食べるが、思っていたのと味が違うと食べ始め、冬弥もどれどれと手を伸ばしている。

海老や貝などを食べ、サザエは初めてで肝の苦味についお茶をごくごくと飲み「苦いよー」と言いながらも、外での食事だからかたくさん食べ、その後は昼寝はしないと言ったにも関わらず、二時間程ぐっすりと寝てしまった。

それでも夕食までに時間があるので問題集を解き、夕飯の手伝いまでの三時間集中してやったからか、半分は終わってしまった。

土間へ手伝いに行くと、隆弘が実家から送ってきた野菜が少し混ざっているとのことで、仕分けを手伝っていたが、賢司はテレビを見ていたので、問題集に答えがついていないから見てほしいと頼む。

「一学期の総合問題か。これをやっておけば先ず付いていけるな……シャーペンと消しゴム貸してくれ」

大学生ならスラスラ出来ると思ったが、答えがないのである程度自分で計算するしかないと、ブツブツと問題を読んでいる。

「うん、合ってる。でもこの国語のこの字が間違ってるぞ?」

「え?ほんと?」

「前後の文をしっかり読めば間違えることはないから、見直しをしっかりすることだな」

「ありがとう。漢字は苦手なんだよね……あと1本線が入ったかなーとか考えちゃって」

「書くのは今だけだぞ?大学では殆どの奴がノートパソコン持参だから、今から貯めておいた方がいい」

「でも、僕……専門学校の方に行くのがいいと思ってて」

「何かしたいことあるのか?」

「あの……」

「笑ったりしないよ」

「インテリアが好きで、そういったデザイナーになりたいなって」

「家具とかだけか?」

「い、家も好き。自分がトータルコーディネートした家を沢山作りたいんだ」

「なら、建築科なんてどうだ?あそこも確かデザインのなんかやってた気がしたけど。今度大学内案内してやるよ」
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