下宿屋 東風荘 2

浅井 ことは

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全ての始まりと終わり

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宿題をしてから土間へ行くとほとんど出来ていたので、残りを手伝おうとした時にピンポンと玄関から音がしたので、僕が出ると言って玄関を開ける。

「やぁ」

「京弥さん?先週来るって聞いててこないから……」

「気にしない!冬弥はいるかい?」

「ええ、声でわかりましたよ!もしかしなくても……ですよね?」

「その通り!ここら辺も変わったねぇ。と言うことで泊めてくれ」

「構いませんけど、今から夕餉なんですよ。食べました?」

「まだだ。下宿の子には挨拶だけしておこうかな」

「好きにしてください。兄上の分はつまみと酒だけですからね?」

「上等だよ」

先に荷物を前に使っていた部屋に置きに行ったので、来たことがあるのかと聞くと、20年ほど前に来たと言う。

夕食の時にいきなりで申し訳ないと、京弥がみんなに挨拶し、似てるか似てないかとの話になったが、二人とも似てません!という言葉まで同じだったので、本当は双子説が作られるところだった。

夕餉が終わってみんなが片付け始めたので、母屋の部屋に来てくれと誘う。

「あちらみたいに沢山ある訳では無いけど」と本棚の小説を見せる。

「こんなに?書店にも寄ってみて、行くつか探したんだけどね、ありすぎて今度は困ってしまってね」

「前の本て読めました?」

「ちょっと怖いやつね、あれは面白かったよ。まるでゲームをして遊んでいる感じだったね」

「それなら、これも大丈夫だと思うんですけど」と3冊の本を渡す。

「これは?」

「ホラーの中でも最高傑作の本だと僕思ってます。他にもおすすめあるけど……」

「電車のものはないかな」

「これ?」と写真付きのを出すと、そうだと言うので、ゆっくり読んでと渡す。

「借りるよ。こっちでは忙しいから、夜くらいしか会えないと思うんだけど」

「でも来てくれて嬉しいです!」

そうか?と頭を撫で撫でされる。

学校に通い出して、先生から来週から補修だと言われる。
みんなの前で言った方がいいだろうと前から言われていたので了承した。

「補習だって……」
「来てなかったからついてこれないよきっと……」様々な声も聞こえてきたが、無視することにし、各授業で行われた休み明けテストをなんとか終える。

ホームルームで今回は全員張り出されると聞き、その二日後に廊下に大体的に張り出され、人がパラパラっと少なくなってから見に行く。

『1 早乙女 雪翔 998点』

「お前休みながらずーっと勉強してたんじゃないの?」

急に後ろから声がして振り向いたが、誰が誰だかわからず、動悸だけが酷くなっていくので、震える手でなんとか薬を飲んだ。

さっきのは誰だったんだろうと、2位以下を見るが、クラスが違うのもあり全くわからない。

テストが戻ってきて間違ったところを見ると、やはり漢字の間違いでマイナスになっていた。
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