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反抗期
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「少し聞いたけど、閉じ込められてるわけじゃないよね?」
「違うよ?でも、外に出て誰かと遊んだりするのは嫌みたいだし、心配してくれるのはありがたいんだけど、これじゃせっかくできた友達まで居なくなっちゃう……」
「学校のヤツらに誘われてるのか?」
「夜は一度ファミレスで少し喋ってたけど、その時は冬弥さんが迎えに来てくれたし、22:00少し過ぎただけだったんだけど。みんな仕事してるから、お昼に遊ぼうって話になっても、危ないからって。棟梁の家にも行きたいのに……」
「棟梁?」
「あぁ、雪翔に彫り物教えてるんだ。大工の爺さん。もう引退してるけど、孫だっけ?学校が一緒で仲良くなったみたい」
「友達は大工さん?」
「うん……グスッ……雨の日はだいたい休みだから……僕の彫った欄間見においでよって。棟梁も喜ぶからって……グスッ……」
「もう泣き虫だなぁ。泣き虫のくせに頑固なんだから!」
「雨は危ないけど、その人が迎えに来てくれるならいいと思う」
「一つ上なんだ。免許はないけど、お母さんが迎えに来てくれるって言ってた。雨の日は、前のこともあるから……」
ちーんと鼻をかんで涙をふいて、お茶を飲んで落ち着くことにし、二人の意見を聞く。
「まず、栞さんが心配するのはわかる。俺でも心配するからな。でもそれと雪翔が外に出て色んなところ見に行くのは俺は賛成だ。航平はどうだ?」
「うん、話では図書館とかだよね?学校にも近いしいいと思う。知ってる人のお孫さんなら安心できるはずだと思う。でも、冬弥さんもお手上げだって言ってる」
「栞さんがダメって言ってるんでしょ?」
「昨日な……食堂ですごい音がしたから厨房見たらさ、冬弥さんが何か言ったらしくて、栞さんが切れてたんだよ。なんか迎えにいくって……」
「え?やだよ……僕ここに居たい。おじさんの家だし、冬弥さんはいいって言ってたよ?栞さんが落ち着くまで……」
ピンポーン
「ヤダヤダヤダ!」
「俺が見ていいか?」
うんうんと頷き見てもらうと冬弥だったので、玄関を開ける。
「何してるんです?三人揃って」
「荷物渡したの冬弥さんじゃないですか!」
「あ……えーと、これお昼に食べてください。煮物とか入れてきましたから。那智も酒のあてにすると思います」
「栞さんと喧嘩したの?」
「まぁ、しましたけど、聞く耳持ってくれないんですよねぇ」
「冬弥さん、聞いたんだけどさ、一日家にこもって勉強ばかりじゃ、雪翔にも良くないと思うよ?」
「隆弘の言いたいことはわかってますよ?そんな環境にしてしまった責任は私にもあります。しかし、私はいいと思うんですけどねぇ。昼にお友達と遊ぶ分には問題ないと思うんです。夜間の学校なので補導もないでしょうし、色々見て回るのも勉強になりますから」
「マタニティブルー?」
「あ、それそれ」
「それ、私もお医者さんから聞いてますけど、ちょっと違うようです」
「違うって何?僕友達作ったらダメなの?」
「そんな事ありませんよ?私は嬉しいですし、下宿の子達と遊びに行くのもいいと言ってますよねぇ?」
「うん」
「もう少し説得する時間をください。ちょっと冷蔵庫見ますよ?」
いとこで兄貴分の冬弥が材料を見て何やら考えたあと、食材を出していくつか料理を作っていく。
それをタッパーに入れ、「下の段から食べてくださいね」と調理を続ける。
文句付きで……
「違うよ?でも、外に出て誰かと遊んだりするのは嫌みたいだし、心配してくれるのはありがたいんだけど、これじゃせっかくできた友達まで居なくなっちゃう……」
「学校のヤツらに誘われてるのか?」
「夜は一度ファミレスで少し喋ってたけど、その時は冬弥さんが迎えに来てくれたし、22:00少し過ぎただけだったんだけど。みんな仕事してるから、お昼に遊ぼうって話になっても、危ないからって。棟梁の家にも行きたいのに……」
「棟梁?」
「あぁ、雪翔に彫り物教えてるんだ。大工の爺さん。もう引退してるけど、孫だっけ?学校が一緒で仲良くなったみたい」
「友達は大工さん?」
「うん……グスッ……雨の日はだいたい休みだから……僕の彫った欄間見においでよって。棟梁も喜ぶからって……グスッ……」
「もう泣き虫だなぁ。泣き虫のくせに頑固なんだから!」
「雨は危ないけど、その人が迎えに来てくれるならいいと思う」
「一つ上なんだ。免許はないけど、お母さんが迎えに来てくれるって言ってた。雨の日は、前のこともあるから……」
ちーんと鼻をかんで涙をふいて、お茶を飲んで落ち着くことにし、二人の意見を聞く。
「まず、栞さんが心配するのはわかる。俺でも心配するからな。でもそれと雪翔が外に出て色んなところ見に行くのは俺は賛成だ。航平はどうだ?」
「うん、話では図書館とかだよね?学校にも近いしいいと思う。知ってる人のお孫さんなら安心できるはずだと思う。でも、冬弥さんもお手上げだって言ってる」
「栞さんがダメって言ってるんでしょ?」
「昨日な……食堂ですごい音がしたから厨房見たらさ、冬弥さんが何か言ったらしくて、栞さんが切れてたんだよ。なんか迎えにいくって……」
「え?やだよ……僕ここに居たい。おじさんの家だし、冬弥さんはいいって言ってたよ?栞さんが落ち着くまで……」
ピンポーン
「ヤダヤダヤダ!」
「俺が見ていいか?」
うんうんと頷き見てもらうと冬弥だったので、玄関を開ける。
「何してるんです?三人揃って」
「荷物渡したの冬弥さんじゃないですか!」
「あ……えーと、これお昼に食べてください。煮物とか入れてきましたから。那智も酒のあてにすると思います」
「栞さんと喧嘩したの?」
「まぁ、しましたけど、聞く耳持ってくれないんですよねぇ」
「冬弥さん、聞いたんだけどさ、一日家にこもって勉強ばかりじゃ、雪翔にも良くないと思うよ?」
「隆弘の言いたいことはわかってますよ?そんな環境にしてしまった責任は私にもあります。しかし、私はいいと思うんですけどねぇ。昼にお友達と遊ぶ分には問題ないと思うんです。夜間の学校なので補導もないでしょうし、色々見て回るのも勉強になりますから」
「マタニティブルー?」
「あ、それそれ」
「それ、私もお医者さんから聞いてますけど、ちょっと違うようです」
「違うって何?僕友達作ったらダメなの?」
「そんな事ありませんよ?私は嬉しいですし、下宿の子達と遊びに行くのもいいと言ってますよねぇ?」
「うん」
「もう少し説得する時間をください。ちょっと冷蔵庫見ますよ?」
いとこで兄貴分の冬弥が材料を見て何やら考えたあと、食材を出していくつか料理を作っていく。
それをタッパーに入れ、「下の段から食べてくださいね」と調理を続ける。
文句付きで……
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