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天満堂薬店
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「これだけじゃ分からないっての!正装って天界の服かな?」
「その場合何でもいいんだろ?指定がなかったんだから」
「そうなの?三ヶ月後だからまぁいっか、ノアに渡してくるよ」
「王子、お返事を……」
「うん、行くって伝えておいてくれる?」
「畏まりました」
バーに戻ってチケットをノアに渡してから食べかけのご飯を食べる。
「これ美味しいね、コーラにも合うし」
「これから出しましょうか。注文も入ってきてますし」
「いいと思うよ?サラダも結構出てるよね?」
「そうなんです。来るお客さんがわかってたら沢山買うんですけど、冷やしトマトときゅうりはよく出ます」
「暑くなってきたからかな?」
「奏太様、トマトとバジルのモッツァレラチーズを下宿の方から教えてもらいましたよ?サッパリしていて美味しいので食べてみます?」
「お、いいねー!」
接客の合間にいくつか試食し、いらっしゃいませと扉を見ると体の大きな男性3人がカウンターで薬と言っているので案内する。
扉を閉めてから、「鬼?鬼かな?」と小さな声で言うと、「鬼なのでしょうね……」とノアに言われ、金棒は流石に持っていないか!と出てくるのを待つ。
一時間ほどしてから出てきた鬼たちはご機嫌で、生大三つと言ってテーブル席に移動して話しているので、奥にいるコートに帽子の人がカウンターに移動してきた。
「ビールを……」
ニコルが用意している間に前の席は片付け、椅子に落ちていた手帳を拾って、こっそりと奥の事務所に行く。
「落ちてた。まだ見てないけど返さないといけないから」
結月が中を見て、「探偵だ」と一言いってノートに書いてあること全てを魔法で消してしまった。
「大丈夫かな?」
「早く渡しに行け。たまにいるんだ。難解な事件等で変なものを見たとか騒ぐヤツら専門の探偵が……ここまで来れたのは認めてやるが、そいつの飲み物にこれを混ぜておけ」と小瓶を渡される。
「忘却の薬だ。ここのことは忘れるだろう」
「分かった……」
ニコルとノアに念話して、手帳を落としてましたよと渡し、何食わぬ顔でほかの席の人たちの注文を聞きに行き、カウンターでニコルに伝えると言ったことを繰り返していたら、面白くないのか大男達を観察し始めた。
「人間のお客さんもいるんだけどね?」
「あの人には関係ないのでしょう」
時計が一時になる頃には一旦早くから来ていた客が帰りだし、ノアとテーブル席の片付けで忙しくしてると、髪の長い女の人が入ってきた。
前髪で顔の殆どが隠れているので、どんな顔かはわからないが、奥に通す時にぼそっと「ありがとう」と言われて背筋が寒くなる。
「何の薬かな?すっごい海の匂いがした……」
「興味はありますけど、またすぐにお客さんきますよ?」
「だよね、いつも今から騒がしくなるから……あ!」
「あらぁ、奏ちゃん!」
「いつから奏ちゃんになったのかな俺」
「いいじゃない、6人なんだけど座れる?」
「奥の席でもいいですか?ソファになってますしゆっくりしてもらえると思います」
「気が利くじゃない」
「お店は?」
「今日は全然だったのよぅ、閉めてきちゃった!」
近くのオカマバーの方々6人お越しでーす!とでかい声で言いたいのをこらえて、伝票を持って注文を聞きに行く。
「その場合何でもいいんだろ?指定がなかったんだから」
「そうなの?三ヶ月後だからまぁいっか、ノアに渡してくるよ」
「王子、お返事を……」
「うん、行くって伝えておいてくれる?」
「畏まりました」
バーに戻ってチケットをノアに渡してから食べかけのご飯を食べる。
「これ美味しいね、コーラにも合うし」
「これから出しましょうか。注文も入ってきてますし」
「いいと思うよ?サラダも結構出てるよね?」
「そうなんです。来るお客さんがわかってたら沢山買うんですけど、冷やしトマトときゅうりはよく出ます」
「暑くなってきたからかな?」
「奏太様、トマトとバジルのモッツァレラチーズを下宿の方から教えてもらいましたよ?サッパリしていて美味しいので食べてみます?」
「お、いいねー!」
接客の合間にいくつか試食し、いらっしゃいませと扉を見ると体の大きな男性3人がカウンターで薬と言っているので案内する。
扉を閉めてから、「鬼?鬼かな?」と小さな声で言うと、「鬼なのでしょうね……」とノアに言われ、金棒は流石に持っていないか!と出てくるのを待つ。
一時間ほどしてから出てきた鬼たちはご機嫌で、生大三つと言ってテーブル席に移動して話しているので、奥にいるコートに帽子の人がカウンターに移動してきた。
「ビールを……」
ニコルが用意している間に前の席は片付け、椅子に落ちていた手帳を拾って、こっそりと奥の事務所に行く。
「落ちてた。まだ見てないけど返さないといけないから」
結月が中を見て、「探偵だ」と一言いってノートに書いてあること全てを魔法で消してしまった。
「大丈夫かな?」
「早く渡しに行け。たまにいるんだ。難解な事件等で変なものを見たとか騒ぐヤツら専門の探偵が……ここまで来れたのは認めてやるが、そいつの飲み物にこれを混ぜておけ」と小瓶を渡される。
「忘却の薬だ。ここのことは忘れるだろう」
「分かった……」
ニコルとノアに念話して、手帳を落としてましたよと渡し、何食わぬ顔でほかの席の人たちの注文を聞きに行き、カウンターでニコルに伝えると言ったことを繰り返していたら、面白くないのか大男達を観察し始めた。
「人間のお客さんもいるんだけどね?」
「あの人には関係ないのでしょう」
時計が一時になる頃には一旦早くから来ていた客が帰りだし、ノアとテーブル席の片付けで忙しくしてると、髪の長い女の人が入ってきた。
前髪で顔の殆どが隠れているので、どんな顔かはわからないが、奥に通す時にぼそっと「ありがとう」と言われて背筋が寒くなる。
「何の薬かな?すっごい海の匂いがした……」
「興味はありますけど、またすぐにお客さんきますよ?」
「だよね、いつも今から騒がしくなるから……あ!」
「あらぁ、奏ちゃん!」
「いつから奏ちゃんになったのかな俺」
「いいじゃない、6人なんだけど座れる?」
「奥の席でもいいですか?ソファになってますしゆっくりしてもらえると思います」
「気が利くじゃない」
「お店は?」
「今日は全然だったのよぅ、閉めてきちゃった!」
近くのオカマバーの方々6人お越しでーす!とでかい声で言いたいのをこらえて、伝票を持って注文を聞きに行く。
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