天満堂へようこそ 7 Final

浅井 ことは

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式典

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次の日からは通常通り、バーの準備からして、食材の買い出しと酒の注文をし、夜には片付けてシャッターを閉めて家に戻り、昼過ぎまで寝るといった生活が続いて、会社の方はルーカスと結月二人でバタバタとしていて忙しそうだった。

あっという間にパーティの日になり、ムー達を綺麗にブラッシングしていると、「奏太様、スーツを出しておきましたが、ネクタイはどうされますか?」と田中に聞かれ、パーティだから、明るめの色で出しておいてと頼んで、シャワーを浴びてから髪をセットし、スーツを着る。

「準備できたかー?」

「待って、もう行くから!」

ノアと作業場まで行き、それぞれにムー、ブラン、スフィと連れて、田中も一緒にゲートをくぐる。

「あれ?王の間じゃないんだ。それにここって……」

「本城の方ですな。確か、前に使われていた部屋も元に戻ったと聞いたので、そちらに参りましょう」

田中に案内されて応接室に行くと、淡いピンクのドレスを着たエールラが待っていた。

「エールラさん久しぶり!元気だった?」

「はい、すっかりこちらでゆっくりさせて貰ってしまいまして……」

「き、き、綺麗だな」

「ルーカス様ありがとうございます」

「すまない、エマも来ていると思うんだが」

「隣室で今授乳を……またクレア様も大きくなられたようで」

「可愛くて仕方がなくて……見てきます」

「後で俺も見たい!」

「連れてきますね」

その後しばらくしてからエマとクレアが部屋に来て、みんなに抱っこされるも、泣くこともなく、田中に抱っこされるとなぜか「キャッキャッ」と喜んでいるようにも見える。

「きっと抱き方がうまいんだよ」

「三人も孫がいれば、抱くのは何とか。ですが、このお子は体がしっかりしているので、大きくなったら何か運動をさせるといいかもしれませんなぁ」

「女の子だよ?」

「ダンサーとかか?」

「だ、ダメです。この子は魔王様が城で働けるようにと教育もしてくださると言ってましたので、のびのびと育てたいと……」

「あのクソ親父、絶対に気に入ったパターンだな。読み書きやマナーが覚えられるのはいいが、小さいうちは親父の事だからじいちゃんとか呼ばせるぞ?」

「既に、じいじとご自分で……」

ルーカスが溜息をつき、今日のことをみんなに聞くが、外の大階段に絨毯が敷かれ準備されているとしか情報が入ってこない。

「おお、奏太」

「ええ?天王まで来てるってことは魔王様も?」

「来ておるよ。何せいきなりのことじゃったからのぉ」

「一体何があるの?」

「聞いておらんのか?」

「何にも……」

「ならば見た方が早いと思うぞ?」

それだけ言って、準備をしに行くと出ていってしまったので、謎だけが残り気になって仕方なかった。

「ノア、何があると思う?」

「私も何も聞いてませんし、兄もいないので分からないんです」

「そう言えば、田中さんもどこか行っちゃったけど」

「ええ、父母にあってくると出ていきました。姉さんは何か知らないんですか?」

「わ、私も何も……。お茶入れてきますね」とそそくさと出ていく。
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