天満堂へようこそ 3

浅井 ことは

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その後は警察に電話を掛け、事情を説明し来てくれた2人の警官が応援を呼び、10人ほどの警官で店内で騒いでいる女子高生やおば様軍団を外に出し、それでも帰らない人には営業妨害・公務執行妨害等と言い逮捕するとまで言い出す始末。

裏から来たのであろう結月が、ベッドの上の子供を見て、熱は高いが処方された薬で大丈夫だと言い、店内から数本の飲料水を持って来て差し出す。

「あの……」

「私はここの店主です」と名刺を出し渡している。

「医師免許も持っていますので、ご安心下さい。何かありましたらそちらに連絡をください。今日はその飲料水を半分に薄めて取らせてあげてください。なるべく多く。そしたら熱も引いていくと思いますので。長くお待たせしてしまって申し訳ありませんでした」
そう言って頭を下げるのを見て、ついポカーンとしてしまった。

処置を終え出てきた結月に「久々にまともに話してるところ見たよ」と言うと、当たり前だと言われてしまったが、この店内をどうにかしてもらわないといけない。
だが、処方箋待ちの人が先だと結月も処方箋室に入ってしまったため、店内は自分で何とかするしかない。大分人は減ったとはいえ、警察の人も困り果てているようだ。

一人の警察官のところへ行き、あの囲まれている中心二人がいなくなれば、騒ぎは収まると思うと言うと、一人づつ奥の方へ誘導すると言ってくれ、30分程かかったが無事に二人はバックヤードの方へと移ることができた。

二人がいなくなった後は、混雑のために出ることが中々出来ず、おば様軍団からクレームが来るほどだった。

「ちょっとぉ、出れないから帰れないじゃないの!」と文句を言うおば様に、あなたが一番騒いでいました!と何度言いそうになったことか……

全員が外に出た後は強制的に店は終わりにし、警察の人から散々叱られる。勿論その中には結月が含まれていたのは言うまでもない。

全員が帰った後自宅に戻り、ご飯がまだだったので田中さんに用意してもらっている間、ルーカスと一緒に何でビラ巻いたんだと結月に聞く。

「だってお前たちがいれば売り上げが上がるだろう?手間を省いた結果がこれなんだから仕方がないじゃないか!」

「あの店結構広いと思うけど、それでも満員だよ?病気の人待たせちゃったしさ、子供とかお年寄りとか可哀想じゃん」

「あー、もう。わかった。悪かったって!ただノアがあんなに人気があるとは……」

「や、止めてくださいね?私はもうあんな恐ろしい体験はしたくありません。それに鼻が曲がりそうで大変でした」

「香水だろ?」

「そう言うものなのですか?あの臭い!今まで皆さんがどれ程苦しんだかと思うと……まさか兄さんも?」

「そのまさかですよ。お聞きしたほどではありませんでしたが、何度大鍋の中に放り込みたいと思ったことか……っと失礼」
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